学校を卒業し、仕事について社会生活を始めると、ほとんどの人は、ある幻想に取り憑かれる。
その「あるもの」というのは、お金に関するネガティブな考え方だ。
言い換えれば「いつもお金の心配をする」という姿勢だ。
今にもお金がなくなるのではないか?
と、ビクビクしながら暮らす。
欲しいものがあっても、お金のことが心配で買うことができない。
なぜなら、ほとんどの親や教師は、お金を心配するようになるまで、洗脳するからだ。
だが学生の時なんて、そんなにお金の心配をするような状況ではないはず。
それなのに、自分で気づかないうちに、まわりの言葉を自分の意識の中に丸ごと取り込んでしまうのだ。
お金の心配ばかりしているという状態は、決して最高の精神状態ではないのにだ。
「私は欲しいものは何でも手に入るのだから、お金の心配なんていらない」
これが自然な考え方ではないだろうか?
「足りない」という思い込み。
もっとやせたい、もっと頭がよくなりたい、もっといい大学に行けばよかった、給料が少ない、休みがもっと欲しい・・
欲と思い込みは、相乗効果で限りなく膨らんでゆく。
いつも不満を抱え、人生のすべてを「足りない」というメガネで見てしまう。
「足りない」という嘘を、なぜこうも簡単に信じてしまうのだろう。
せきたてられると、本当にしたくないことに、つい手を出してしまう。
高い理想を犠牲にして、満足できない仕事を選んでしまうのもそのためだ。
そして、決して満足できない人間関係にしがみつく。
そこそこ満腹なはずなのに、また食べたくなるのは何故だろう。
「足りない」という心配をしなければ、新しいことにチャレンジできるはずなのだ。
成功したと思われる会社のオーナーに会う機会があれば、訊ねてみるといいだろう。
あなたの成功の基準は何でしょうか。
どれくらい利益が出たら、「これで十分』ということになるのでしょうか?
たぶんその人は「これで十分」というようには、思わないだろう。
私たちは、すでに十分に豊かだ。
それなのに、誰もが余裕なく、いつもびくびくして暮らしている。
私たちは豊かな先進国で暮らしているはずなのにだ。
今の世界では「まだ足りない」という言葉が、呪いのように社会に蔓延している。
椅子取りゲームに夢中になり、どんどん少なくなる椅子のまわりを、必死になって走っているのだ。
梼子が少なくなる、なんていうのは幻想なのに・・
宇宙には無限の豊かさがあり、すべてうまくゆくような仕組みになっている。
だから、そんなにびくびくしなくても大丈夫。
イエス・キリストは、五つのパンと二匹の魚で、5千人もの人を養ったという。
「十分だ」と感じることで、奇跡が起こるのだ。
人との交流の大部分は、実は物質的な世界以外の場所で起きている。
もしかしてあなたは、頭の中で考えていることは、自分だけしか知らないと思っているのだろうか?
それは間違いだ。
私たちは、みんな、繋がっている。
だから頭の中で考えたことは、実はすべてつつ抜けなのだ。
最新の科学の研究では、遠く離れた二つの物体は、聞に介在するものが何もなくても、お互いに影響を与えられることが証明されている。
だがほとんどの人は、古い「連鎖反応」の世界観に囚われたままでいる。
あのアインシユタインでさえ、この直感に反する概念を完全に理解することはできなかったという。
さらに、宇宙には、もっと謎めいた現象も存在する。
一度お互いに影響を与え合った原子同士は、永遠に影響を与え合うという。
原子の近くにいたことのある原子は、たとえ遠くに離れても、その原子からずっと影響を受けるのだ。
1978年、メキシコ国立自治大学のヤコポ・グリンベルグ・ツィルベルパウムは、二人の被験者を別々の部屋に入れ、それぞれに脳波計をつける実験を行った。
一人の被験者の目にストロボライトを当てると、脳波に変化が生じる。
すると別の部屋にいる被験者も、ストロボライトは当てられていないのに、脳波がまったく同じように変化したのだ。
ロンドンの脳神経学者も後に同じ実験を行い、同じ結果になることを確認している。
ニュートン的な物理法則に慣れ親しんだ私たちの頭では、理解するのは難しいだろう。
だが、たとえ理解できなくても、自分の利益になるように活用すればいい。
考え方を少し変えるだけで、誰でも出来ることなのだから。
インターネットの世界では、無限の情報とつながっている。
同じように、人間である私たちも、宇宙に存在するすべてと、繋がっているのだ。
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