日記を面白くするには?で書いた方法とは違うアプローチで記事を書くとどうなるか?
という、いわゆる人体実験的記事を書いてみた。(笑)
ネタは車雑誌が売れなくなる理由で取りあげた、沢村慎太朗 FMOの最新記事。
複数の方々からのリクエストを頂いていたマクラーレン650Sの試乗記、という内容のメルマガで取りあげているのは、3000万円超のスーパーカー。
世界受注が1000台を突破したという。
まず、WEBで試乗記を探してみた。
AUTO CAR では、海外初試乗 マクラーレン650Sで、「あなたが3000?4000万円台でスーパーカーを選ぶとすれば、650Sよりも素晴らしいクルマを探すのは不可能だ。」と書いている。
webCG では、マクラーレン650S クーペ(MR/7AT) を、「ワインディングロードやサーキットを攻めるのも大好きだが、それと同じくらいかそれ以上に普段乗りを好むというリッチなスーパーカーフリークに、現在、これ以上のクルマはないかもしれないという気がする。」と結んでいる。
では、沢村慎太朗 FMO のメルマガで、沢村氏はどのように評価しているだろうか?
まずマクラーレンの広報資料も、それを丸写ししたような紹介記事も一見フルモデルチェンジのように書いているが、このクルマは、MP4-12Cのフェイスリフトを伴ったマイチェン版なのだという。
気になるのは右ハンドル車だとオフセットが、かなり酷いという点だ。
というのは、このクルマは走りのことを最優先で考えるべきクルマであるということ。
なのに、右ハンドルでは、そのオフセットゆえ、身体には負担がかかり、ブレーキ操作の正確性も落ちるのだという。
つまり、スーパーの駐車場で駐車券を取るのに不便だなどといった、所帯じみた些細な不満を言うべき車ではないわけだ。
そういう人は、スーパーカーなぞ買うのはやめてベンツAMGでも乗っていればいい。
とバッサリ。
沢村氏はMP4-12Cで、あらゆる基準を以てしても酷く、先の試乗記ではヴィッツ並と評価していたが、このクルマでもEPS(電動アシスト操舵系)に不始末があるという。
だがエンジンに関しては文句をつける余地のない素晴らしいターボエンジンらしい。
長くなるので、終盤の要点部分を引用させていただく。
・・・・その意味で650Sはマクラーレンらしいマシンであり、そして公道で高性能を楽しむスーパーカーにはなれていない。
買ってサーキット走行だけを主眼に乗るならばいいかもしれない。
しかし、そうでなく公道においてこの手のクルマを走らせることを愉しむというなら、他にいくらでも大枚を叩く甲斐のあるクルマは存在する。
例えば458イタリアは性能レベルこそ650Sに比べて劣るが、箱根でも東名でも恐怖も疲労も少なく、ずっと愉しく走らせることができた。
フェラーリの電制デフは人間を無視して勝手に美しい世界を描いたりしない。
しかし650Sは、それをやってしまう。
マクラーレンは、これでいいと思っているのだろうか。
彼らはF1コンストラクターとしては古株だが、市販車メーカーとしては発足したばかりであり、設計要素は一流のサプライヤから買ってくることができても、それを煮詰めて公道を走ってカタルシスを味わえるクルマに玉成させる能力はまだ決定的に不足しているし、そのときの核になる知見や哲学といったものも見えない。
それは、この先、後継車を開発する過程で解消されていくのか。
と沢村氏は結んでいる。
詳細はメルマガで非常に詳しく書かれているが、今回の配信も、いわゆる車雑誌に書かれている褒めまくり記事とは一線を画した内容だった。
月額千円(税別) で一ヶ月に4回配信されるこのメルマガを読むようになって、車雑誌は一切買わなくなってしまった。
このように、スポンサーの広告費で賄われる紙媒体が、読者ではなく作り手を向いて書くことで、クルマ好きは離れてゆく。
媒体が紙からWEBに変わろうと、同じ出版社である限り、その本質が変わらないことは言うまでもない。
我々一般のクルマ好きが試乗する機会のない、こうした種類のクルマの真の姿を知ることは、至難のワザといっていいだろう。
だが、こと趣味の自動車に関していえば、読者の購読料で運営されるため、スポンサーの影響から最も遠い立ち位置から書かれている、この有料メルマガは、バリューフォーマネーではないだろうか。
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