Sound & Recording 誌のWEBでレビューが掲載されている。
下記でレビューを丸々引用させていただきます。
写真は筆者使用のもの。
【製品レビュー】 リスニング環境に基づいた設計のアクティブ・モニター・スピーカー
大昔、ジャズ喫茶あるいはロック喫茶というものがあった。
客は、膨大なレコード・コレクションを有し高級オーディオ装置が設置された店内で、コーヒーなどを飲みながら自宅より百倍以上良い音でレコードを聴くことができた。
確か、それらの店で使われていたスピーカーは、ほとんどがJBLだったような気がする。
かくして、ジャズ/ロックを聴くならJBLという”すり込み”が行われ、現在もそれは解かれてはいない。
今回は、そのようなイメージの定着しているJBLから発売された、スタジオ用モニター・スピーカーLSR25Pについて紹介していきたい。
新鮮なデザインでリスニングを重視した機能を持つ
まずは第一印象として、何と言ってもデザインの新鮮さを感じた。
従来のJBL製品では、どの機種においても、業務用に感じられるある種の近寄り難さをにじませているような気がする。
しかし、本機のデザインはその”シブイ関係”を解除し、”私は高性能スピーカーですよ”と主張するのではなく、”私は気持ちの出口です”と言っているようなのである。
もし人間同士のように対話できるコンピューターができたら、ぜひこのスピーカーからの声を聴いてみたいものだ。
それでは各部の説明をしよう。
キャビネットはアルミニウム・ダイキャスト製で、ダーク・シルバーのパウダー塗装がなされており、表面は多少ザラついている。
アンプは低域用が100W、高域用が50Wのバイアンプ方式で、スピーカーは低域用が炭素繊維複合の素材をコーンに使用した134mm径ウーファー、高域用がチタン複合素材をダイアフラムに使用した25mmツィーターとなっている。
また、ツィーター部分には高域の指向性を広げるためのウェーブ・ガイドが設けられ、水平方向では±15度の範囲内であれば、正面軸上での特性とのズレは1.5dB以内に保たれるようにもなっている。
つまり、リスニング位置が多少動いても音色はそれほどは変化しないということだ。
そして、左下にパワー・スイッチ、右下にはクリック付きのアッテネーターと、通電表示とパワーアンプのクリップ表示を兼ねた2色のLEDがある。
ウーファーの上には2つのバスレフ・ポートが開いている。
背面は下部がえぐれていて、AC電源ジャック、+4dB仕様のXLRタイプのバランス・インプット、?10dB仕様のRCAタイプのアンバランス・インプットが付いている。
そこには、奥行き3cmくらいの四角い穴の奥にディップ・スイッチもあり、3kHz以上の±1.5dB変化、サブウーファー併用時の80Hz以下のローカットといったような、スピーカーを壁際などに設置した場合に起きる低中域のダブつき緩和を目的とした境界補正も行えるようになっている。
もう1つ本機の特色としては、製品名にもなっている”LSR”(リニア・スペシャル・リファレンス)という理論の採用が挙げられる。
具体的にどういうものかは正直言って分からないが、要するにスピーカーの研究開発をするときに、メーカーの無響室でのデータだけではなく、反響音や残響音、音響心理など、実際のリスニング環境に近づいて総合的な見方をしようということらしい。
音響工学の専門家が、そのようにしてユーザーよりの姿勢で研究してくれるのは、大変うれしいことだ。
わずかなツマミの動きさえもすべて音に反映される
それでは、実際の音について述べていきたいと思う。
今回音のチェックに使ったのは、バンドのマルチ素材とCDである。
各音源に対してのEQ、ボリュームとパンによるバランスと定位、リバーブによる奥行き感、これらのわずかなツマミの動きさえもすべて音に反映されるので、非常に気持ちが良い。
CDも何枚か聴いてみたが、特に強い印象を受けたのは、ビートルズのリミックス版『イエロー・サブマリン』だった。
本機でこのCDを聴くと、誇張感なしの生々しい音が体験でき、また、その音がどこから始まってどこへ消えていくのかが、文字通り手に取るようにはっきりと分かったのである。
スタジオのスピーカー(30cmウーファーのJBL 4312)と交互に切り替えてみると、スケール感の差こそあるが、中低域は元気のあるJBLの音で、両者に根本的な違いは感じられなかった。
そして次に、自宅に持ち帰って、奥方も参加しながら普段聴いているCDをかけてみた。
やはりというべきか、一挙に”音の構造”と”制作者の意図”が出現し、彼女も”これを買おう!”と本気で言い出したのだ。
またこのとき、背面ディップ・スイッチの境界補正を入れてみたが、少し低域が軽くなったかなという程度で、顕著な違いは感じられなかった。
さて、本機はどんな人にオススメかと言うと、予算が許す人すべてと言えるだろう。
もちろん、モニター・スピーカーとしての役割は十二分で、磁気シールドもされているから、デジタル・ワークステーションには最適だろうが、デザイン的にスタイリッシュなところもあるので、一般家庭に入り込んでもいいのではないかと思う。
今回はチャンスがなくて、バンドの生音録音には使えなかったが、ぜひ全作業を本機でやってみたいと思う。
JBL LSR25P 72,000円(1本)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。
問い合わせ
ヒビノインターサウンド
TEL: 03-5783-3880
http://www.hibino.co.jp/
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【SPECIFICATIONS】
SPECIFICATIONS
■形式/2ウェイ・バイアンプ・アクティブ方式
■周波数特性/70Hz?20kHz(+1/?2dB)
■指向角度/水平100°×垂直60°
■最大音圧レベル/連続106dB SPL/1m、ピーク109dB SPL/1m
■ドライバー構成/LF134mm×1、HF25mm×1
■クロスオーバー周波数/2.3kHz
■アンプ出力/100W(LF)、50W(HF)
■コントロール/入力アッテネーション(0?26dB)、高域レベル(+1.5/0/?1.5dB)、ワークステーション境界補正(On/Off)、ハイパス・フィルター(80Hz)
■外形寸法/173(W)×269(H)×241(D)mm
■重量/ 7.7kg
というわけで引用させていただいたレビューで、LSR25P のポイントの大半は触れられている。
アバウトないい方をすると、フォステクスの方が低域は緩い感じがする。
JBLに比べると、ベースの音がちょっとぼやけているというか、音程が少しわかりにくい傾向にあるようだ。
ただ高域は、フォステクスの方が分解能が高い。
そのため JBL から フォステクスへ乗り換えたというわけだ。
だが音楽を楽しむという面から言えば、JBLの方が楽しいサウンドがする。
フォステクスは、ひたすら真面目に再生するたサウンドといえばいいだろうか。
フォステクスもJBLも2000年に発売された製品。
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