トレーディングのスキルを上げるには、何よりも自分の弱点をよく知ることだ。
まあいいか、とつい破ってしまうルール違反は、それ自体が小さなものであっても、それが習慣化してゆくと、非常に危険なものになってゆくわけだ。
特にトレーディングの場合、基本となるルールを、どれだけ守ることができるのかに、命運がかかっていると言っても過言ではないのだ。
さて、以下はあるトレーダーの、昨夜のトレーディングの損益リストだ。
3時間にわたるトレーディングで、集中力を切らさず、これだけの成績を残せるのは、かなりの実力と見ていいだろう。
では、この日のトレードで最もロスの大きかったトレードをチェックしてみよう。
トレードを精査する場合、大きなロスのトレードをしっかり検証することが大事だ。
なぜなら、大きなロスの陰には、必ずといっていいほど、ルール違反が潜んでいるからだ。
18トレード目の FB がマイナス310ドルという最も大きな損失を出している。
エントリー方向はロングサイド。
この銘柄はここまでダウントレンドが続いていたわけだ。
そのため、ロングサイドへエントリーするには、まずダウントレンドが崩壊したことを確認することだ。
トレンドラインは、ハイローバンドの20MA(赤い移動平均線)で確認するのが最も簡単だ。
ロングサイドへのエントリーは、赤い移動平均線から、まずローソク足本体が飛び出し、次のローソク足が始まる位置も、この20MAより上でなければならない。
もちろん、ガットボトムプレイの場合も同じだ。
つまり今回のエントリーは、ダウントレンドが崩壊せず、アップトレンドになっていない位置でエントリーしたのが最初のミスだったわけだ。
次にエントリーするなら陽線1本のあとなのだが、ここでは陽線2本の後でのエントリーとなっているわけだ。
これが2つめのルール違反。
次に×が2つ、つまり陰線が2本続いたら、カットロスのはずだが、ホールドし続けている。
これが3つめのルール違反。
言い換えれば負けるための、トリプルセットアップに嵌り込んでしまったというわけだ。
大事なことは、このレベルのトレードができるのに、何故3つものミスを冒してしまったのかだ。
これは本人でなければ、わからないことだ。
次のレベルへステップアップするには、こうしたミスをしないことだ。
何故、ここまで書くのかというと、トレードは、自ら無意識に行ってしまうミスが払拭できていないと、実トレードで、大きな代償を払うことになるからだ。
トレータルでのこの成績は、もちろん素晴らしいことなのだが、その陰に潜むルール違反を見逃す、あるいは容認する意識が存在することが、ちょっと心配になったというわけだ。
なぜなら、これは成績を安定させるためには、非常に重要なポイントでもあるからだ。
今回のアドバイスを糧に、ステップしていただければ幸いだ。
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