写真を撮影したあと、写真をそのままでWEBへアップする、というのは私の場合、皆無と言っていいだろう。
なぜならほとんどのケースで、撮ったときのイメージとは違う写真になっているためだ。
カメラで撮っただけの写真は、撮ろうと思って肉眼で見ていたときに比べると、かなり違った出来上がりになっていることが多い。
人間の目というのは最新のセンサーでも全く刃が立たないレベルのダイナミックレンジでもって、自動補正をしながら見ることができるのだ。
一方でカメラのダイナミックレンジ、つまり明暗差の表現の幅は、肉眼と比べると圧倒的に少ないのだ。
そのため明るいところがちょうどよい明るさで撮れていても、暗いところは真っ黒、なってんことになるわけだ。
どこにピントを合わせるかによってピント位置の露出というのは変化するわけだ。
カメラはピントの合った位置の明るさが最適になるように、自動的に露出を調節するのだが、そうすると、暗い部分が沈み込んでしまい、写った写真では細部がわからない、などということが起こるわけだ。
そのため、写真の編集ソフトには、自動で補正する機能がついている。
だがそうした露出補正の前に、写真を撮った後の編集では、まず「水平出し」が必要になる。
写真を撮った瞬間というのは、カメラが水平位置ではなく多少傾くことはよくあることだ。
というよりも、三脚で水平の位置をしっかり確認して撮影するプロとは違って、我々シロウトの場合、手持ちでもって適当に撮ることが多い。
写真を撮るときというのは、露出とか構図とか、撮る際にはいろいろな部分を確認しながら撮らなければならないわけで、結構アタマの中は忙しい状態なのだ。
だから撮った後で多少写真が傾いていても、ソフトが「水平出し」をしてくれる機能があると、撮影時にそれほどシビアに水平を確認しなくてもいいわけで、ホントありがたいことだ。
この機能は何といっても Lightroom がダントツで使いやすい。
ボタン一発で見事に補正してくれるのだ。
この機能だけでも Lightroom を使う価値は十分にある、といっても過言ではないだろう。
残念なことに値段の高いフォトショップの場合、何故か水平出しをするには Lightroom より面倒な手順が必要になるのだ。
ではサンプルを挙げて説明してみよう。
これは撮ったままの写真で、写真の周りに影をつけているだけで、一切レタッチをしていない。
つまりレンズ補正も水平出しも一切なし。
これはたまたま、撮ったときに水平がうまく出た例なのだが、オレの場合、何を隠そうどちらかというとこういうショットは少ないのだ。
たはっ!(笑)
これはフォトショップで、レンズのゆがみの補正をしたショット。
補正したこの写真では、右下の植物右側の空間の広さが、狭くなっている。
右上の壁面もより垂直に近くなるように補正されている。
左側上のライトや右上の手摺りの位置がどこまで写っているかを比較して見るとわかりやすいだろう。
レンズ補正では、16ミリレンズなどの広角レンズを使った場合、四隅の周辺の光量落ち補正したり、歪みを補正するのに有効なことが多い。
だがショットによっては、使わない方が、よい結果となることもあるので、まさにケースバイケース。
たえし、このレンズ補正の機能を使うには、フォトショップ側がレンズ補正のデータを持っている必要がある。
フォトショップCCではオンラインで常に最新のパージョンのものを使うことができるのだが、新しくなればなるほど、補正できるレンズの種類が増えてゆくようだ。
だがこれはアドビが、どのレンズの補正データを搭載するかに依存するため、データがなければ、近いレンズを選び、試行錯誤する必要がある。
Lightroom の場合、レンズ補正という名称ではなく、プロファイル補正と呼ぶようだ。
そして、「プロファイル補正を使用」にチェックを入れて対象になるレンズを選択すると自動補正をしてくれるという仕組みになっている。
Lightroom の場合、フォトショップに比べると、補正できるレンズの種類が少なく、今のバージョンでは EF16-35mm F2.8L USM のプロファイルは見当たらない。
そのため上のように、最も近いと思われるパラメータを選択して、どの程度の効果があるのかを試行錯誤するわけだ。
Lightroom の 17-40mm を適用したプロファイル補正(レンズ補正)
下のオリジナルに比べると、右上の壁面がより垂直に近くなるように補正されている。
補正なしのオリジナル
フォトショップで F16-35mm F2.8L USM を選択したレンズ補正
上は3タイプを比較する際にわかりやすいように、並べてみた。
一番下のフォトショップで F16-35mm F2.8L USM を選択したレンズ補正だと、右上の壁面がより垂直に近くなるように補正されている。
左下の白い植木鉢も、オリジナルとと比べると、少し明るくなっているが、これは周辺の光量落ちが修正された結果だろう。
このケースでは、さすが高いソフトだけのことはある、といっていいだろう。^^
続く・・
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