米食品医薬品局(FDA)は7日、揚げ物用の調理油などに含まれ、肥満や心疾患との関連が指摘されるトランス脂肪酸が食品に含まれないように段階的に禁止する方針を打ち出した。
ということはマーガリンやショートニングもダメということになるわけだ。
一方、が日本の対応は遅れている。
トランス脂肪酸の食品表示を義務化する法案を検討している段階。
「トランス脂肪酸」(別名・狂った脂肪酸)は、構造中にトランス型の二重結合を持つ不飽和脂肪酸。
つまりトランス脂肪酸含有の植物油を原料にして、水素添加して造るマーガリンやショートニング(味付けのないマーガリン)は危険食品なのだ。
マーガリンは鼠さえ食べないし、ゴキブリも近寄らないのだ。
植物油、植物油脂、植物性油脂、加工油脂などは、ほとんどがトランス脂肪酸を含んでいる。
私が揚げ物を避けるのは、こうした理由があるからだ。
だが、世の中には、日本人は摂取量が少ないから大丈夫などというトンデモな意見をいうヤツが必ず出てくるのだからタチが悪い。
塵も積もれば何とやら。
トランス脂肪酸を少量ずつでも食べ続けると、体内に蓄積する厄介な代物なのだ。
さらに今の日本では、食品100g当たり(清涼飲料水等は100ml当たり)のトランス脂肪酸の含有量が0.3g未満の場合、何と 0(ゼロ)g と表示することができるのだ。
東京大など8大学のグループによる日本で初めての本格調査では、抑制目標値である1%を越えた人は30から40代の女性で、3割を超えているという調査結果が出ている。
ちなみに、食品中のトランス脂肪酸含有量(100g当たり)どれくらい含まれているかというと、「明治コーンソフト」9・04g、「ラーマバターの風味」8・10g、「日清とっても便利なショートニング」14・7g、「マクドナルドのフライドポテト」3.37g、「スジャータP褐色の恋人」6・47g。
トランス脂肪酸は米カリフォルニア州では禁止されている。
ニューヨーク市も全レストランで使用禁止。
アメリカのケンタッキーフライドチキンは、「トランス脂肪酸を含む調理油の使用は来年4月までに全店舗で止め、以後は同脂肪酸を含まない大豆油を使用する」と発表している。
一方、日本は、ダスキンが12月末から、「ミスタードーナツ」全店で低トランス脂肪酸油を導入するというお茶の濁し方だ。
花王の「エコナ」は、厚生労働省の特定保健用食品認可を受け、トランス脂肪酸を多く含んでいるにもかかわらず、「健康」を前面に掲げて、ヘルシークッキングオイルとして売っている。
明治乳業は、「重要なこととして認識しているが、今はまだ対応できない。食品安全委員会の動向には注目している」としている。
特にマクドナルドのフライドポテトは危険で注意が必要だ。
厚生労働省は速やかにトランス脂肪酸の健康に対する害を明確に公表し、国民に告知すべきではないだろうか。