福島原発に新たな大惨事が発生した場合に備えた「大避難計画」を政府はすでに用意しているという。
これはすでに週刊文春でも報道されている。
原発1号機から4号機までの原子炉が、対処不能となって、さらに膨大な核放射性物質の拡散の懸念が高くなったときには、原発から半径二百五十キロ圏内の治安維持活動を行うという内容だ。
その範囲は、茨木、栃木、群馬、埼玉、千葉各県の全域と、神奈川県横浜市の一部、さらに東京二十三区全域と多摩地区の一部が含まれている。
対象となる総人口は、約三千五百万人を超える見込み。
投入部隊は、東北方面隊と、第一師団を含む東部方面隊の全部隊を選定。
徒歩や自家用車などにより自力で非難できるものには対応せず、輸送支援は希望者と要避難支援者にほぼ限定される。
フェリーや貨物船の借り受けも準備する。
自衛隊の主任務は、警察との「協定」を発動し、東京都内における治安維持の活動に従事することで交通整理も含むという。
この作戦「フェーズスリー」が発動されれば、東京二十三区全域を含む“史上最大の避難作戦”となるわけだ。
極秘資料によると、この案は原発事故の直後、アメリカ国防総省の「国家戦略局」と「DTRA」(核・化学・生物兵器や弾道核ミサイルなど大量破壊兵器の攻撃が国民に与える被害を検討する部隊)が作成し、自衛隊に提供されたもの。
この分析結果によると、風向きによっては、原発から出た放射性物質の雲は、六時間後に、東京を含む首都圏全域に広がり、十二時間後にはさらに広範囲に広がるという。
実際に起きた原発事故では、高いレベルの放射性物質は、原発から四十キロ離れた飯館村など北西のエリアに降り積もった。
南東に位置する首都圏にやって来たのは、低レベルの放射性物質だけだった。
しかし、もし、更なる爆発などが起きて、高レベルの放射性物質が「雲」となって放出されたとき、たった十二時間で東京全域に集中的に襲いかかるわけだ。
そして二十四時間後には日本列島のほぼ半分が、放射性物質の「雲」の“攻撃”をいつ受けてもおかしくない地域となることも予想されている。
「フェーズスリー」の作成時、統幕関係者が最も危惧していたのは、首都機能のマヒによる社会秩序の崩壊だった。
より具体的には、電気や通信が途絶え、飲食物が枯渇した中で社会秩序がいかに保たれるか。
極めて深刻な混乱が首都圏に生じた場合、創設以来初めての治安出動が自衛隊に下令されるという現実的な作戦が作られている。
統幕関係者によれば、既に地域ごとに協定の締結は進んでいたが、災害時の連携において、政治決断がいかにスムーズに行えるかどうかについて、不安を禁じ得なかったという。
治安出動が発令されない場合には、自衛隊と警察間の「協定」は官庁間協力で行なわれることが推定されるわけだが、現在でも、お互いの権限の範囲などについて、詰め切れていない部分が多く残されている、と関係者は指摘している。
「せき」の中に雨や水漏れで水がたまった場合、水をタンクに移したうえで、放射性物質の濃度が原子力規制委員会が認めた基準を下回っていれば、敷地内に放出することになっているというが、せきの中に数日前の雨の水が残っていたうえ、想定を超える雨に対応が追いつかず、濃度は測定できなかったという。
見込みの甘さと、場当たりな対応は、一向に変わらない。
福島第一原発では、地下水から過去最高のトリチウム濃度が観測されている。
ここにきて福島第一の汚染濃度が急上昇していると発表され、トリチウムは79万ベクレル検出されたと報じられている。
国の基準は6万ベクレル。
つまり基準の10倍を超える高濃度の汚染となっている。
また、ストロンチウムも40万ベクレル検出され、複合的な汚染が進んでいるようだが、これが100万ベクレルを超えるようになれば、さらに危機は深まることになる。
福島原発の「地下」はいったい何が起こりどうなっているのか?
東電は18日、そのタンクから10~20メートル北に掘った観測井戸で、17日に採取した水から放射性ストロンチウムなどベータ線を出す物質が1リットルあたり40万ベクレル検出されたと発表している。
前日の16日午前の採取では同61ベクレルで、1万倍近くに急上昇しており、これまでで最高という。
東電によると、同40万ベクレルが検出されたのは、汚染水漏れの広がりを調べるために掘った観測井戸。
漏れたタンクに入っていた汚染水の濃度は同2億ベクレル。
東京電力は17日、福島第一原子力発電所の1、2号機海側の井戸からくみ上げた汚染水が入った仮設タンク(容量10トン)から、汚染水を別のタンク(同35トン)に移すポンプが電源の異常で自動停止し、汚染水があふれたと発表した。
仮設タンクからのくみ上げが止まったのに、井戸から汚染水を入れ続けたのが原因。
14日の測定で、汚染水には1リットルあたり25万ベクレル(国の放出限度は同30ベクレル)のストロンチウムなどの放射性物質が含まれていた。
あふれた量は最大で40トンに達する可能性もあるが、東電は汚染水はタンクを囲むせきの付近にとどまっていると説明している。
4このように、0万ベクレルの汚染水がタンクからダダ漏れになっている福島原発事故現場。
メルトアウトした核燃料デブリから湧き出ている超高濃度汚染水も、原発近くの海底から沸いている。
しかも地下水は海底からも湧き上がだろうことは想像に難くない。
至る所から出てくる高濃度汚染水は、事実上収束作業の破綻を意味している。
汚染水をもぐらたたきのように止めているだけで、肝心のデブリに対しては、何も対策が打てない。
しかも現場作業員も集まらなくなってきた。
すでに東電の手には負えないと判断していいだろう。
日本政府は何もできない。
できるかどうかわからない凍土遮水壁をつくろうという愚策を唱えるだけ。
こう下状況の中、2020年の「東京オリンピック」までに原発事故を収束させることは到底不可能だろう。
あと7年で解決できるはずがないのだ。
7年後は解決どころか、増えつづける汚染水の処理に頭を抱え、がん患者が急増しているだろう。
たった1基、事故を起こしたチェルノブイリでさえ、事故から27年たっても事故処理は終わらず、いまだに一日数千人が作業に追われている。
それなのに、4基も事故を起こした史上最悪の原発事故が、あと7年で解決できるわけがないのだ。
なのに、安倍首相は「私が安全を保証します。状況は完全にコントロールされています」と世界に約束している。
どういう神経をしているのだろう。
2012月06月10日(日) 原発と想像力欠如問題で書いたが・・
福島の4つのうちの一つが、収束できる確率を50%とすると、2つだと25%、3つだと13%、4つになると6%。
つまり収束できる可能性は6%しかないのだ。
一つだけにでも近づけない状態になれば、一蓮托生で4つともダメになり、東日本に人は住めなくなるのだ。
備えあれば憂いなし。
心の準備はしておくべきだろう。