EWF Experience
feat. The Al McKay All Star Live in Bacolod
BS の WOWWOW LIVE で放映されていた、Earth,Wind & Fire Experience を観た。
「アース・ウィンド&ファイア AVO session 2011」というタイトルだったので、てっきりあのアースだと思っていた。
留守録だと長いタイトルは最初の部分だけが表示されるからね。
だが、始まってみると、どうもサウンドが違うのだ。
このあたりの事情は、こちらの Around the EARTH ~大地と風と炎と~ のサイトに詳しく書かれている。
Earth, Wind & Fire Experience feat AL McKAY
こうしてみると、オリジナルというか本家本元の EW&F が如何に凄いバンドなのかが、よくわかる。
本家はコンサートの間中、躍って飛び跳ね、しかも素晴らしいサウンドを繰り出している。
Experience の演奏を聴くと、踊りながら演奏するのがどれだけ大変なことなのかが、よくわかるというわけだ。
このバンドがいることで、本家の凄さが際立っている・・という意味での存在価値はあると思う。(笑)
あのビートルズもそっくりさんバンドがあって、確か日本にもあったはず。
今でもあるのかな?(笑)
だが日本ではアースのコピーバンドというか「クリソツバンド」は登場しないだろう。
というか作りたくてもできないと思う。
そもそもが、あのリードボーカルを、日本人の誰でもいいが、果たして真似できるだろうか?
アースの歌は何といってもフィリップのボーカルが魅力となっている。
あのファルセットボイスでの絶叫ができる歌手自体、探すことは至難の業だろう。
それと、あれくらいゴキゲンなリズムセクションと、4人のキレのよいホーンセクションも揃えなければならない。
あのファンキーなリズムを出せる日本人のリズムとホーンセクションを日本人で構成できるのか?
まず、不可能に近いといっていいだろう。
WOWWOW LIVE などで放映される日本人のライブや、野外の音楽フェスなどは全て見ている。
だが耳を覆いたくなる惨状だ。
何を隠そう、オレも昔、音楽を仕事として末席を汚した経験を持っている。
だが東京音楽祭で欧米のミュージシャンと共演し、音楽をやめる決心をして足を洗ったのだった。
とにかく音を出した瞬間から、全く別物という衝撃。
日本の社会は、農耕民族という文化的な背景から生まれる、他からは突出しない方がよいという価値観で培われたメンタリティーがベースとなっている。
だが音楽の世界は、まさに真逆。
ミュージシャンは、個性を打ち出し、人とどれだけ違っているかが、まず問われるのだ。
こうした社会的な環境の違いのもとで培われる、音楽に対する感性が、大人になるにつれ、大きく違ってくるのは当然のこと。
日本で一流と自負するあまたのミュージシャンが、世界へと羽ばたこうとした例は数多くあれど、ことごとく失敗している。
ジャズの世界ではまだしも、それ以外のジャンルではお話にならないレベルの違いが歴然とあるわけだ。
我々がよく耳にするアースの曲にしても、歌詞がわかって聴いている人は5%もいないはず。
つまりどんな歌詞かがわからず、ただメロディーとリズムとが織りなす、サウンドに惹かれて聴いているわけだ。
そのアーティストのファンでも何でもない、いわゆる一見さんに、メロディーとリズムとが織りなす、サウンドだけで、どんな内容の歌詞かがわからなくても、いいなあ・・と思わせることができなければ、世界では通用しないのだ。
一流というのは、そういうことなのではないだろうか。
日本人が作ったオリジナルのヒット曲で、たとえばアメリカで有名な曲と言えば、坂本九の「上を向いて歩こう」くらいだろう。
アメリカでは「スキヤキ」という名称で知られている。
日本人で名が売れているトップクラスのミュージシャンが、仮にアメリカンアイドルに挑戦しても、ほとんどが最後まで残れないだろう。
これほどの違いが歴然とある現状を考えると、アースのそっくりさんバンドが日本で出現して、本家と揉めるなんてことは、夢のまた夢。
という何だかなあ・・という結論に至るわけだが・・
というわけで、お口直しに、本家本元の比較的新しい演奏を・・
David Foster & Friends: Earth,Wind & Fire
September After - The Love Has Gone
おまけ
Earth, Wind & Fire - In the stone, Settember, After the love has gone
Earth, Wind & Fire - After The Love Has Gone (Live)
Brian McKnight- After the Love Has Gone (with David Foster)