いわゆるシステムトレードについては、何度かこのコラムでも取りあげている。
WIREDの記事でも取りあげられているが、ウォール・ストリート暴走するアルゴリズムで書いたような、実際に儲かるシステムというのは、ほとんどないと言っていいだろう。
コンピュータを負かす株式投資もそうだが、こうした記事を書いている人たちは、実際に我々のようなトレードの経験がないわけだ。
なぜなら、真のトレーダーなら、記事の内容を見れば、一目瞭然でわかるからだ。
例を挙げてみよう。
この手法で考えないといけないことがいくつかある。日経に書いてあった「注文データと株価の関係」に基づき、少し先の株価を予想する手法は、精緻なチャート分析と言える。しかし、この分析では株価の大きな流れは予想できない。
いわゆる我々のトレード手法は、少しだけ先の動きを予想することによって成立している。
つまりそこでのゲインを得るために、大きな流れを予想する必要は全くないのだ。
この分析では株価の大きな流れは予想できない。この分析のベースとなる「注文」は、あくまでも人間であり、ムードに左右されている可能性がある。ムードが変われば株価の方向性が一変する。また、機械的な予測による注文が増えたり、その予測手法に新しい流れが生まれたりすると、過去の分析が当てはまらなくなるかもしれない。機械的に機械的な分析を適用してしまうと、想定外の損失を被りかねないわけだ。
このパラメータで書かれていることは、矛盾だらけに見える。
大きな流れを作るのは、マーケットメーカーという、投資信託などで仕込む大量の保有株数によるものだ。
だからムードとは一切関係なく、手口が出来るだけわからないようにという目的で作られたプログラムで自動売買されている。
だがあらかじめ想定したシナリオと違う、政治的な要因があれば、さらに大きな流れが生まれ、呑み込まれることで、損失が生まれるのだ。
一方で、株式投資の本質はプラスサムゲームである(ゲームという言葉は不適切だが)。プラスサムゲームで儲けるには、どの企業がプラスサムになるのか、言い換えれば企業収益をきちんと計上するのかを判別しないといけない。この判別は細かな情報分析とは無関係に近く、大局的な判断が求められる。ということで、コンピュータの株価予測を羨む必要性は全くない。個人投資家が株式投資に楽しく参入できる可能性はまだまだ大きい。そう考える。
と結んでいるが、我々のトレード手法では、企業収益などを気にする必要は全くないことは、毎晩ナスダックでトレードされている方なら、常識ともいえる部分だ。
企業収益が悪くてマーケットメーカが手がけなければ、そもそもが我々の銘柄スクリーニングシステムには登場しないわけだからね。
それよりも、手法が制約を受ける要因としては、ポジションサイズの方が重要になるのだ。
3分足を使った我々のトレードでは、1000万株のエントリーとなると相手が居ないため、成立しないわけだ。
1000株、2000株単位だからこそ、成立するわけで、一定の時間内に、どれだけ相手がいるかなのだ。
これらは当然、NITE ECN ARCA などのルーティンーンによっても左右されることになる。
ここまで書けば、多くの記事が如何に的外れな部分を議論しているかが、おわかりになるはず。
いってみれば、机上の空論、シロウトの妄想というと、言い過ぎかも知れないが・・
どちらにしても、気にすべき部分が全く違うことは確かだ。(笑)