膨大に溜まってしまった放射能汚染水を、放射能62核種を除去するといわれる「多核種除去設備(アルプス)で処理し、海へ流そうとする東電。
だが水素の同位体で水として存在するトリチウムの分離は原理的に無理。
アルプスでは除去できないのだ。
しかも、福島第一の滞留水のトリチウム濃度は、何と法規制の20倍から80倍もある。
東京都と千葉県は3月から汚染を把握、水産庁は東京都と千葉県に連絡。
だが連絡を受けた側は「ウナギ漁は夏からで、漁期の前までは調査しない」などとして調査も公表もしなかったという。
京都大学の研究グループによると、2013年3月には局地的に泥1キログラム当たり4000ベクレルに達するというシミュレーション結果を発表している。
今回のウナギ汚染報道の手ぬるさ、感度の低さを知れば、「大本営発表」報道は依然健在だということがわかる。
東京都、基準値超セシウム検出で江戸川のウナギ出荷自粛要請 産経新聞 6月7日(金)19時48分配信
東京都は7日、千葉県が同県市川市の江戸川下流域で採取したウナギの放射性物質を検査したところ、食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える140ベクレルの放射性セシウムが検出されたことから、関係する2つの漁業協同組合に出荷自粛を要請したと発表した。
釣り客らにも注意を促す。
都がこれまでに行った検査では、30ベクレル以下で、基準値を超える放射性セシウムは検出されていなかった。
都によると、江戸川や荒川など周辺の計5河川では年間約11トンの水揚げがあるという。
いわゆる国側はある基準を決め、基準以下のものは安心しろと、言っている。
今、日本の政府が決めている基準は、1キログラムあたり100ベクレル。
じゃあ99ベクレルのものは安全なのかと、90ベクレルのものは安全なのかと言えば、もちろんそんなことはない。
もともと日本の米は、福島の事故が起きるまでは、1キログラムあたり0.1ベクレルしか汚れていなかったわけだ。
それを100まで許せば他も推して知るべし、意識の中で際限がなくなってゆくわけだ。
第38回全国公害被害者総行動デー [東京電力・政府合同交渉] 2013年6月6日
上記サイトから引用
あなた自分の子どもにね、たとえば100ベクレルない食べ物であって、50ベクレルか、あるいは簡易な検出器は10ベクレル以下は不検出になるんです、安いやつはね。
そんな高い精度の良いやつはなかなか揃えられない。
アルファ線もベータ線もガンマ線も全部測れるやつなんていうのはなかなか高くて手に入らない。
ガンマ線だけですよ。セシウム、普通は測るのは。
で、それで測って不検出なんていうものを、消費者は本当に信じて食べるか!?
食べないんですよ。そういっちゃなんだけど、分かっているんだから。
あなたもね、西田さんもおっしゃったあなたに聞きたい、それから文科省のあなたにも聞きたいが、自分の子どもに、たとえば10ベクレルから、100ベクレルよりもはるかに低いんだから、
「OKだよ」って言われて、それをすすんで食べさせたいと思いますか?食べたいと自分でも思います?
じゃあ、食べるんですか?「私は進んで食べる」!!!
あぁ、犠牲的な精神でとてもいい。
でも子どもには食べさせないでしょ?それが実体でしょ?
西田さんは私と同じか、ま、私と似たような歳ごろだから、
「もうしょうがないや 役目だから死んでみせよう」というのがあるかもしれないが、自分の子どもにはそれを食べさせたいと思わないでしょ?
放射能ってそういうものですよ。
須藤さんも呑気にそこに座って見せているけれど、自分の子どもには食わせたい、そこに住ませたいとは思わないでしょ?
これがね、国家きちっとやらなきゃならない本当の問題なんです。
それをきちっとやらない。
最低基準だと国が明言しているにもかかわらず、東電はそれのデータを取らない。
それを見て聞いて知っているにもかかわらず、権限を持っている、制限令を持っている国がそれに対して一言も言わない。
環境省発表によると、東京都水源の利根川上流ダム湖底でのセシウム汚染は750Bq/kg(八木沢ダム)
1690Bq/kg(赤谷湖)、4600Bq/kg(藤原ダム)など軒並み赤城大沼よりもひどい状態。
ちなみにアメリカの水道水の法令基準は米国環境保護庁(EPA)が定める、セシウム137については3pCi/kg(ピコキュリー毎kg)。
1ベクレル=27.1ピコキュリーなので、0.111ベクレル/kgとなる。
米国の調査では土壌セシウム137に対してストロンチウムはトータルで約20%が含まれている。
つまり魚介類は、ストロンチウムを計る必要があるのに、測定されていないのが現実。
さらに水素の同位体で、水として存在するトリチウムも測定されていない。
トリチウムは放射性の水素で、これが酸素原子と結合した場合、放射能を帯びた水分子が生成される。
水から水を濾過することはできないため、濾過作用浄水システムを使っても、トリチウムを汚染水から除去することはできないのだ。
そして、トリチウムは環境中に放出されて、あらゆる生き物の中に自由に入っていってしまう。
トリチウム(エネルギーの低いβ線を放射しながらβ崩壊する)は、100年以上、放射性を持ったままの強力な発ガン物質だ。
トリチウムは、(水に取り込まれると)藻類、海草、甲殻類、そして魚などの水生生物に集中して蓄積されてゆく。
敷地内でくみ上げた地下水(つまり高濃度放射能汚染水)を海に放出する「地下水バイパス計画」については、初の県民向け説明会を福島、いわきの両市で開かれている。
親潮と黒潮がぶつかる場所に、放射性物質は集中して沈澱する。
そのため、パイパス設置のための説明会は、福島県だけでなく、茨城県、千葉県で行う必要があるのだ。
このパイパスが完成すれば、東日本の太平洋岸の沖合いで獲れた魚介類は、さらに放射能まみれになる。
だが、今でもすでに、東日本の太平洋岸の沖合いで獲れた魚介類はそうなっているのだ。
だが、国と原発推進政党は、一切情報を出さない。
当然テレビなどのメジャーなメディアはダンマリ。
こういう状態で、東京の水道水は本当に安全だといえるだろうか?
関東圏の全てのレストランは、料理に水道水を使っている。
関東エリアでの外食は、東日本の太平洋岸の沖合いで獲れた魚介類は一切使っていないという確証がなければ、とてもハイリスクなものとなるわけだ。
こんなことは、普通の常識を持っていればわかりそうなものだが、当然メディアは一切ダンマリ。
このままではダメだ、だが自分は何もしていない・・となると、そこに矛盾が生まれる。
その矛盾を解決するため、自分に都合のよい言い訳を見つけるという心理状態になるわけだ。
放射能を吸い込んだってすぐに病気になるわけではない。
全員が死ぬわけでもない。
という風に、自分の心配を軽くするための都合の良い言葉を探すことになるわけだ。
そしてその言葉に「すがる」ことで矛盾を解決し、心の安らぎを得ようとする。
これを心理学では「認知不協和」と呼ぶが、とりあえず目先の不安を考えないようにするための方便を自らつくりだし、心のバランスをとることになる。
ではなぜ「優先すべき行動が、できなくなってしまう」のか?
それには、多数派同調バイアスと、正常性バイアスが作用しているからだ。
多数派同調バイアスというのは、経験したことのない場面に遭遇すると、自分の周囲の多数の人の行動に左右されてしまう「思い込み」「先入観」のようなもの。
どうして良いか分からない時、 まわりの人と同じ行動を取ることで、きっと乗り越えることができるだろう、と思い込んでしまうわけだ。
つまり、自分が迷ったときにまわり人の動きを見て、大多数の人たちと同じ行動をとることで、安全だと思い込んでしまうのだ。
これが「多数派同調バイア ス」(集団同調性バイアス)と呼ばれるもの。
東京のように人口が多い大都市では、この傾向が強くなり、多数派同調バイアスと正常性バイアスの相乗効果で、自分を「非常呪縛」で、がんじがらめにしてしまうことになる。
以後その状態で都合が良いような行動をとり続けることになるというわけだ。
これがいわゆる「安全の思い込み」という、常識のある第三者から見ると、いかにも脳天気な行動を取る仕組みなのだ。
この状態が長く続くと、対策を必死で考えようとなどとは、考えなくなるわけで、必要なアクションをとるなどということは夢のまた夢。(笑)
というわけで、こういうことを書いているのだが・・
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