ちょっと珍しい演奏を見つけたのでご紹介。
一般的にジャズの演奏で、みなさんはどういうところを聴かれているだろうか?
わかりやすいのは、たとえば3人ともが同じ楽器を演奏するなどといったシーンだ。
とてもわかりやすい例なので解説付きでご紹介。
エリックと他の二人のレベルがかなり違うのでとてもわかりやすいサンプルだ。
御堂筋フェスタ2012~エリック・マリエンサルSax競演!
1分6秒あたりから中央jの女性のソロが始まる。
フレージングのリズムがイマイチ。
繰り返すフレーズ自体、キャッチーなリフじゃないため、盛り上がりにイマイチ欠けるのだ。
2分6秒あたりから右の女性のソロだが、中央の彼女より音もフレーズのスピード感ももいい。
だがフレーズのリズムはバッキングのリズムを引っ張るほどのレベルには達していない。
繰り返しのリフも何だか盛り上がりに欠けるフレーズだ。
さらに途中でフレーズのリズムが切れたりするため、盛り上がりに欠けてしまっている。
3分8秒あたりからエリックマリエンサルのソロ。
何が違うのか?
まず反復フレーズの繰り出し方。
女性二人には、全くないパターンを繰り出している。
彼のフレーズを聴いたあとで、彼女たちの演奏をもう一度聴くと、とりあえずフレーズを繰り出しているだけ、ということが良くわかるだろう。
フレーズというのは、繰り返されることで盛り上がるわけだ。
エリックはこのアプローチが実にうまい。
さらにフレーズの緩急のつけ方の落差が大きい。
そのため演奏がダイナミックに聴こえるわけだ。
フレーズのラストのフレーズが投げ出すようなパターンになったりと、フレーズの終わりの処理の仕方も、彼女たちとはかなり違っている。
3分15秒からそうした典型的なフレーズがはじまる。
3分30秒あたりからが佳境。
そのあとの30秒間でだんだんと盛り上げてゆくわけだが・・
3人ともアドリブの時間的な長さは同じ。
だが何度も繰り返し聞いてみるとよくわけるが、エリックのの演奏はその時間内で、だんだんと盛り上げている。
だんだんヒートアップするようなフレーズを繰り出して加速してゆくわけだ。
4分ジャストあたりにかけてのスピード感は他の二人とは全く違う次元。
彼の盛り上げ方はまさに「プロ」。
ほとんどの日本人の演奏で欠けているのが、ここなのだ。
何故ノリが違うのか?
つまりは盛り上げ方。
って言い過ぎかもしれないけど、当たらずとも遠からず?^^;