街の遠景をあたかもミニチュア模型を撮影したもののように見えるエフェクトについて、どうしてそうなるのか?
というコメントをいただいたので、調べてみました。
こういった写真は、日本では写真家の本城直季氏がシフトレンズを使い「small planet」という写真集に掲載されたことがきっかけとなり、広まったようです。
余談ですが、欧米の有名な Marc Rader 氏やフィンランドの Miklos Gaal 氏などの先達は、本城直季氏より先に、すでにこの技法を発表されているようです。
Marc Rader
Marc Rader
Miklos Gaal
Miklos Gaal
前振りが長くなりました。(笑)
さて本題のどうすればミニチュアっぽく見えるかです。
カメラの特性でいえば、近い物を写真で撮るとピントの合う範囲が極端に狭くなります。
なのでピントが合ってる範囲を狭くする、つまり写真の上下をぼやけさせる。
さらにミニチュアだと細かい部分は、本物のようには作り込めないため、細部を塗りつぶしたような加工をする。
遠くを写すと空などが霞み、眠い写真になりがちですよね。
なので、コントラストを上げる等の処理をする。
あとはミニチュアを見るときは斜め下に見えますから、斜め下に見下ろすアングルの方が、それらしくなります。
X10で撮ったままでもいいのですが、上の条件をさらに強くするため、私の場合フォトショップのHDRトーンで、ティテールをマイナス側に大きく下げて、マットに処理をしています。
HDRトーンのエフェクトを掛けると、自動的にコントラストが強くなり、彩度も高くなります。
これは、X10のアドバンスフィルターの「ミニチュア」エフェクトで撮ったままのショット。
写真の周囲に影をつけた以外の画像処理はしていません。
これはフォトショップCS6のHDRトーンディテールの効果をプラスサイドに極端に掛けています。
こうすると、細部のディテールがわかるため、あまりミニチュアっぽくなりません。
これはディテールの効果をマイナスサイドに極端に掛けたもの。
細部のディテールが潰れ、マットに仕上がっているため、上の写真よりミニチュアっぽくなります。
比較がわかりやすいようにと、かなり極端な効果を掛けていますが、普通ここまで強くはしませんけどね。
というわけで、試してガッテン。(笑)