余りジャズに馴染みのない方にもお勧めしたいのがこのアルバム。
アメリカのいわゆるスタンダードソングのよさをじっくりと味わうことができる。
そういうアルバムだ。
オリジナルのメロディーを丁寧に演奏しながら、ほんの少しだけ彼女らしさを加える。
そういったサジ加減がとてもエレガントな演奏の魅力は、ちょっと類を見ないテイストといっていいだろう。
5歳になる前からピアノを弾き始め、ウェスタン・ケンタッキー大学でピアノと音楽教育を専攻。
その後ナッシュビルでセッション・ミュージシャンとして活動。
チェット・アトキンス、ドリー・パートン、ダイナ・ショア、ベギー・リーなどとも共演。
だが彼女の作品が注目され始めたのは15年前の1997年にレーベルを移籍してから。
彼女が60歳代半ばになってからのこと。
静かな秋の夜、心に染み渡る美しいピアノの音色は、心の奥まで癒してくれるはず。
72歳という人生の深みが音にあらわれているかのようだ。
手元にぜひ置いておきたいアルバムの、一枚ではないだろうか。