2012年09月21日 のCoolに過ごそう
ドイツ・ケルン市で開催されている、世界最大の写真機材見本市「フォトキナ2012」は今日で3日目。
各カメラメーカーからは、新製品が続々発表されている。
特にミラーレスのジャンルでは、多くの製品が発表されているが、ミラーレスってそれほど魅力的なのだろうか?
フォトキナが開催されているヨーロッパでは、ミラーレスの人気は意外にも低い。
ミラーレスの市場シェアは日本の25%程度で、人気の中心はEVF搭載のミラーレスだという。
背面ディスプレイ専用機の人気はかなり低いわけだが、当然だろう。
写真を撮るときは、フレーミングという構図を決める最も重要なプロセルがモノを言う。
実際に撮ってみればわかるが、何といっても肉眼でファインダーを覗くのが一番。
瞬時に構図を決めるには、人間の目の方が遙かに速く、しかも正確に見極めることができるのだ。
ミラーレスのEVFは、ファインダーを覗くと、精細な液晶画面が見える仕組みだ。
当然フレームに写る明るさによって、カメラは輝度を調節しなければならない。
つまり、精細感・階調・色再現性などは、デバイスの表示品質に依存することになる。
だが現状のEVFの品質は、良くできた光学ファインダーに比べるべくもない。
背面の液晶画面を見るよりはましだが、所詮小さなTV画面を見ながら撮るようなものだ。
表示方式によっては視線を動かすと色ズレが目につくなど、光学ファインダーにはない問題が存在する。
さらにに、電気的なタイムラグは仕組み上、必ず生じることになる。
量販店で覗いてみればわかるが、EVFは電源を入れないとファインダーが真っ暗で何も見えない。
「電源が入らないと覗けないファインダー」というわけだ。
さらに、ミラーレスは、ファインダーを覗いている間、常にバッテリーを消耗し続けるのだ。
起動時間は遅く、絞りやシャッター速度や露出補正などを変えた場合の反応時間も遅い。
高速連写の場合は、EVF追従速度の遅さがネックとなり、追従性(書き換え速度の問題)の点で光学ファインダーにはかなわない。
暗い場所ではゲインアップするため明るくはなるが、ノイズでザラザラになってしまう。
車と同じで、インプレッションでは、スポンサーでもありカメラを貸して貰っている手前、こうしたネガに触れるライターはまずいないのが現実だ。
じゃあメリットはどこにあるのか?
簡単に視野率約100%が達成できるうえ、露出やホワイトバランスがほぼリアルタイムで反映されるわけだ。
光学式ファインダーでは、撮影画像を見ることはできない。
画像を確認するにはファインダーから一度目を離して背面液晶を見なければならない。
だがEVFなら、撮った次の瞬間には画像を確認することができるため、ファインダーを覗きながら、撮影している姿勢を保ったまま、撮影画像を確認できるというわけだ。
つまり、撮影した画像というフィードバックを受けながら、次の撮影が可能になるのだ。
さらにEVFの場合、光学ファインダーを肉眼で見るよりも、美しく見えるという効果が期待できるだろう。
撮った写真をPCのディスプレイで見たイメージと、ほとんど同じように見えるわけで、撮影のモチベーションアップに繋がるかも知れない。
では、EVFのミラーレスカメラを買えば、撮影したいという気分が高まり、良い写真が沢山撮れるようになるのだろうか?
私はEVFのカメラは持っていないので、何とも言えないわけだが、お持ちの方の感想をぜひ聞きたいものだ。