クーパーSでディーラーへ到着し、フィットで帰宅したわけですが、フィットへ乗り込むと、ミニより広々感あり。
走行距離からするとフィットは古いモデルのようですが、インテリアには、それほど安物感がないのは良い点です。
運転席のシートも、座り心地は悪くなかったですね。
さて走り出して、ステアリングを切ってゆくと、何故かあるところから反応するゲインがググっと高くなるんですねえ。
国産車では良くある、あのパターンかあ。
というわけです・・(笑)
フィット
というのは、切り初めでこのくらいだろうと決めた角度を、途中で調整しなくてはならないのです。
つまりハンドルを切り始めると、ある時点から急に手応えが増え、切れすぎるので、慌てて角度を戻す、ということが起こるわけです。
それは大きなコーナーではなく、日常よく遭遇するハンドルの操作領域で起こるので、かなり気になるのですよ。
で、緩めると後半に足りなくなって、慌てて切り増す、という事態に遭遇することになります。
普通ハンドルを切ってゆくと、ステアリングを握る手に返ってくる手応えで前輪の横力ゲインの推移を、無意識のうちに判断するわけです。
それがリニアではなくて、途中から変化するわけなので、どうも違和感があるんですね。
何となく気持ち悪い感じがするわけです。
ミニもC6も、ハンドルを切れば、ハンドルを切ったら切った分だけ、自然に曲がるわけで、まあ当たり前のこと。
これに慣れていると、フィットのように変化すると、イチイチ反応しなければならず、何だか落ち着かないわけです。(笑)
そういえば沢村慎太朗FMOのメルマガで2週ほど前に、今のベンツの日本仕様Eクラスについて、同じようなことを書かれていたことを思い出しました。
街でもかなり見かけるようになったEクラスですが、Eクラスは全てのモデルに電制の可変ギア比ステアリングを装備しているんですね。
だけど、これがひどい代物らしいのです。(笑)
電制可変ギア比といえば、思い出すのがBMWの5シリーズ。
E60系先代5シリーズで物議を醸したデバイスですが、ベンツも負けては居られないとばかり、このデバイスに手を出したわけです。
ベンツの自社開発かZFから買ったのかはわかりませんが、どうやら慌てて装着したらしく煮詰めが足りないままで出してしまったと言う顛末。
E300の場合はフィットと逆で切り初めでこのくらいだろうと決めた舵角ではコーナー後半に足りなくなり、慌てて切り増すと言うパターン。
これはBMWのアクティブステアリングの初期型に見られた現象と似ていますね。
自動車雑誌でも、かなり書かれましたからね。
で、沢村さんの記述を一部引用すると・・
こっちはフロントの横力ゲインを品よく出そうとして、丁寧にリムを回す。
しかし、コンピュータは、ここぞ電制可変ギア比の出番とばかり張り切って、前輪舵角を威勢よくつけて、いかにもスポーティなノーズの動きを現出させようとする。
ところが、それを察したこちらは操舵スピードをさらに緩める。
コンピュータ、慌てて前輪舵角増加の手を緩める。
すると、こちらは思っていたように曲がらないので焦って切り増す。
そういうドタバタ系コントのようなやりとりが先代5シリーズや先代6シリーズのステアリングを切る際にいちいち発生していた。
それと笑ってしまうほど似た症状。
勘所が掴めていないときの典型的な症状である。
このE300のステアリングの不自然さは、雑なドライバーがそうするように一気にスパッと切る下品な操作だと目立ちにくくなり、曲がる手前から少しづつ丁寧に切っていくような優しい操舵だと余計に分かってしまう。
聞けば、先般のマイチェンで、その制御はだいぶ改善されたようだが、まだまだ人間の感覚に沿うものになっているとは全く言い難い。
そんな風にベンツが、遅れて泡食っている間にBMWは、その電制操舵システムに後輪操舵まで加えて、不自然さをかなりの割合で払拭している。
後輪トー角を変えることで踏ん張りは自由に変えられるから、前輪舵角をそれほど極端にいじらずとも、ステアリングホイールの角速度変化から読み取ったドライバーの意思を、ヨー運動づくりに反映させることができるようになったのだ。
その結果、手に伝わるフィールと前輪横力ゲインの乖離も少なくなった。
固定ギア比+油圧アシストの頃に比べれば、とりわけ低速でまだ不自然な感じは残るが、声を荒げて指摘するような不始末はしなくなっている。
彼我の差は相当に開いているのである。
しかも、かつてBMWが先代5シリーズでそうしたように、ベンツも日本のEクラスのお客にそれを無理矢理買わせるような設定にしてきた。
いいものを作って高いカネ取るのはボッタクリとは言わないが、これはボッタクリを越えた日本人をナメた商売である。
いやあこの方も、やはり有料メルマガだと、切れ味が俄然鋭くなりますね。
雑誌のスポンサーの見えない圧力がいかに強いかという証でもあるわけですが。(笑)
ちょっと話はそれましたが、フィットはもう一点、私にとっては非常に気になる点があって、それは乗り心地というか、走り心地。
段差を乗り越えたとき、特別にハーシュネスが強く返るとか、そういう部分的な問題ではないのですが・・
何てことはないちょっと舗装状態の悪いところを通るときのハナシ。
音と手応えと振動とがあいまった、モロ「安物」という手応えがステアリングを通じて伝わってくるのです。
これって、少し前にフィットハイブリッドの新車を試乗したときも、経験したのですが、この一点で欲しいと思わなくなってしまうほどのインパクトがあったわけです。
これはたとえばC3なんかでも起こるわけで、さすがにCセグメントや、C5のようなDやEセグメントになると、影を潜めるわけです。
遮音材とか足回りへのお金のかけ方がモロ影響する部分なので、まあ仕方ないといえば仕方ないのかなと。
ですが同じBセグメントであっても、ミニはさすがプレミアムBセグメントと、自他共に認めるだけあって、こういうところはしっかり対策されています。
フィットを買うんだったら、同じ予算で中古のミニを買った方が遙かに幸せになれるでしょうね。
ステアリングの件も含めてですからね。
ミニは一番ベーシックな「ミニ・ワン」でもこうした足回りからの音や振動を含めたフィールは、上のモデルと差をつけることなく、全く問題ないレベルに仕上げられています。
依然代車で借りたときに、確認済み。
さすがBMW。
とはいえ、気にならない人は、気にならないのでしょう。
あれだけフィットが売れているのですから。(笑)
ああいうモノだと思っている人には、全く気にならないはず。
一度マトモもなのに乗って体験してしまうと、わかってしまうたぐいのものですからね。
知らない方が幸せなこともある、というわけです。(笑)
とにかく、車は乗ってみないとわからない。
ということを、実感した次第。
ベタなエンディングですみません。(笑)
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