変化する仕事の形態

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今や安定した仕事を続けるためには、知識集約型のスキルが必須のものとなってきています。

そうじゃない類の仕事は、発展途上国へ投げた方がずっと安くできるからです。

それだけにとどまらず、日本でも単価の安い仕事は、日本人以外のアジア人がシェアを伸ばしています。

スーパーのレジは、パートタイムの主婦が握り、倉庫でも商品を持ってくる作業はロボットに任せる時代になってきているのです。

    

高度な技術が身についていなくてもできる仕事というのは、これからも、どんどん減ってゆくはずです。

さらに問題なのは、特に非製造業、特に建設不動産、農業などの生産性がいまだに低いままで放置されているという問題です。

不動産仲介屋の世界では、Eメールではなく、いまだにファクスでのやりとりが中心なのです。

そして日本の農業も多くの問題を抱えています。

 

日本の農業は生産性が低いと、指摘され続けてきました。

環太平洋経済連携協定(TPP)への参加問題の際に、この点が大きく取り上げられたため、皆さんもご存じのはず。

TPPへ参加して、保護を撤廃し、国際競争に晒されたりしたら、日本の農業は崩壊し、日本の食糧の大半を外国に頼らなければならなくなる、という議論があっったことは、皆さんもよくご存じのはずです。

 

ですが、生産性が低い産業を保護したらどうなるでしょうか?

保護されるために競争から取り残され、生産性が伸びないまま放置されてきたというのが、現実なのです。

切磋琢磨で成長しない産業は、早かれ遅かれ駆逐されてしまうのは、世の常なのです。

  

たとえば日本の牛肉とオレンジ。

80年代に米国から強い圧力がかかった際に、牛肉輸入とオレンジが自由化されれば、日本の牛肉産業は崩壊し、みかん農家は廃業に追い込まれると騒がれました。

しかし現状を見ると、牛肉は世界に誇るブランド和牛が人気で、おいしい様々なミカン類が店頭を彩っています。

 

80年以前は、こんなにたくさんのブランド和牛はありませんでした。

柑橘類も、国際競争が技術革新を迫った結果、米国にはない新しい品種がたくさん生まれたのです。

国際競争で、崩壊どころか大きく発展することになったわけです。

 

もちろん淘汰された農家も、たくさんあったでしょうが、産業の品質としては、大きく進化したのです。

環太平洋経済連携協定(TPP)に参加すれば、同じことが起こるはずです。

規制改革も競争を促します。

 

こうしてみると、競争による切磋琢磨は、人間であれ産業であれ必要なことなのではないでしょうか。

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