商用日本語

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将来書くことのなんらかのプロになりたいと思っています。スラスラと読みやすい「はっちさん」のようなスタイルの文章を書きたいのですが、何か秘訣のようなものがあるのでしょうか?

というご質問をいただきました。 

文を書くときに気をつけているのは、誰がどのようなときに読んでも、意味がよくわかるように書く、ということでしょうか。

読む人が疲れて頭が回らないようなときに読んでも、すんなりと意味がわかる。

これこそが、私の目指す文章です。

 

CharmWritingB.jpg

 

わかりやすくいえば「商用日本語」で書かれたものということになるでしょうか。

なぜなら文章を「商用日本語」で書くことができれば、読み手の多くは「また読んでもいい」と思ってくれる可能性が高くなるからです。

私たちが普段目にする、お金を払って読む多くの本や雑誌は、基本的に「商用日本語」で書かれています。

 

ですから読み手は知らず知らずのうちに、こうしたレベルの文章が「普通」だという感覚を持っています。

つまり読み手はこのレベルを「普通」だと感じているわけです。

そのため、この「普通」というレベルに達していれさえすれば、表現上はその文章に対して違和感を持つことがないことになります。

  

最初は「個性的な文章を書こう」などということを意識する必要は、ないと思います。

というか、最初からそういうことは、できないはずです。

まずは誰が読んでも、すんなりと意味がよくわかる日記が書けるか?がスタートになると思います。

こう書くと「文章に個性は要らないのか?」という声が聞こえてきそうですが、もちろん、魅力的な文章にはハッキリとした個性が感じられるものです。

 

ですがその前にまずは「商用日本語」を書けるようになることが先決です。

そのうえでの、個性だと思います。

ここで書いている日記は、私なりの「商用日本語」で書いています。

書くときに目標としているのは、正しい「商用日本語」を特に意識することなく、自然に使えるようになるということでしょうか。

 

ということで「商用日本語」を書くためのポイントを、いくつか挙げておきましょう。

  

 

一つのセンテンスを短くする

私の日記を例に挙げると、ほとんどのセンテンスは2行以内で、ときおり、3行のときもあり、3行の後のセンテンスは、1行になったりしているはず。

短いセンテンスを積み重ねることで、主語と述語の関係や修飾句の係り方などが明確になるのです。

ですが、短い方がいいからといって、センテンスをすべて一行にしてしまうと、かえって読みにくくなります。

言葉にリズムがあるように、文章にもリズムがあった方が、スラスラと読めるからです。

1行、2行、3行を混在させるのは、文章にリズムを持たせるためなのです。

内容によっては、行数が多めになることがあります。

行数が多目の段落のあとには、行数が短い段落を書くと、文章の単調な感じがなくなり、リズムが生まれます。

  

 

センテンスや段落の長さに変化をつける

つまり、同じような字数の段落が続くのは避けたほうがいい、ということなのです。

少し字数が多いセンテンスの後には、短いセンテンスを書く。

短いセンテンスが続くときには、少し長い一文を書いてみることです。

こうした点に気をつけるだけで、全体が一読してわかりやすいものとなり、随所から個性を感じ取ってもらえることに繋がるはずです。

つまり「誰が読んでもわかる文章を書く」という制約の中から、個性というのは自然に生まれるものなのだと思います。

プロの作家には、一定の読者がついていますから、一つのセンテンスが少々長く、難解であっても問題はありません。

ですが私たちアマチュアは、著名な作家のように難解な文章をいきなり書くというのは、 避けた方がいいでしょうね。

  

  

複数の同じ意味のセンテンスを一つの段落に書かない

一つの段落の中に、同じような意味をもつセンテンスを書くと、スピード感がなくなってしまいます。

読み手は、早く先を知りたがるものです。

複数の重複したセンテンスは、読み手にまどろっこしいイメージを与えてしまう恐れがあります。
  

 

 
一つの段落やセンテンスの中で同じ言葉や表現を使わない

私の日記の文末を見ると、それぞれの文末の表現が違うはずです。

たとえば、ある文では「・・です。」と書かれ、その次は「・・でしょう。」となり、その後は「.・・だと思います。」と変化をつけています。

これは、読む人が飽きないように、私なりに工夫をしているからです。

ほとんどの文末が「・・です。」という表現だったらどうでしょう。

単調に感じてしまうはずです。

書くときはどうしても内容にだけ意識が集中することになるため、語尾というのはどうしても、同じような表現になりがちです。

ですから、文末はできるだけ変化球を投げるよう、心がけてください。

  

 

だからといって、特殊な「癖」のような言い回しを文末に使って個性を出そうとすると、「変人っぽく」なってしまいます。

文字や文体そのもので個性を出すのではなく、考え方や文章を使って、考え方を読み手に意識してもらえるような努力をすることです。

書き終わったら、少し時間をおいてから見直すといいでしょう。

そうすれば、語尾の変化のバランスがよくわかるはずです。

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