世界のビール市場シェアをご存じだろうか?
1位がベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)(バドワイザー)
2位が英SABミラー
3位がハイネケン
4位がデンマークのカールスバーグ
5位は中国の青島ビール。
日本のアサヒやキリンは、ランキングの9位・10位あたり。
ハイネケンインターナショナル 設立 1864年
連結:約219億64百万ユーロ(2007年) 2兆1200億円
総資産 約1345億ユーロ(2007年) 13兆円
従業員数 59000人(2007年現在)
アサヒグループホールディングス
連結1兆4724億円
(2009年12月期)
総資産連結1兆4336億円
(2009年12月)
従業員数 約240人(2011年7月1日現在)
アルコール飲料業界では、M&Aが活発だ。
2008年には、売上高世界第2位のインベブ(ベルギー)が、4位のバドワイザーで知られるアンハイザー・ブッシュ(アメリカ)を約5兆5千億円で買収。
この合併で(新社名:アンハイザー・ブッシュ・インベブ)は、世界のビールシェア約25%を占める、売上高世界1位の会社となったわけだ。
キリンビールとサントリーの経営統合が実現した場合、同社に次いで世界第2位(2007年の売上高単純合算)の企業となる予定だったが、2010年に決裂。
何故今回ビールネタなのかというと、CSのナショナルジオグラフィックチャンネルで世界の巨大企業としてハイネケンを取り上げていたからだ。
ハイネケンは運送のために港を作るほどの巨大企業。
陸路を使ったトラックによる運搬だと、渋滞でビールの運送に時間がかかり、鮮度が落ちることになるからだという。
そのお陰で陸路のクルマによる輸送量が大幅に減り、渋滞緩和にも役立ったというわけだ。
ビールは基本的に酵母が味を決めるため、ハイネケンは創業のときの酵母をクローン技術で何代にも引き継ぎ、独特の味を保っているのだという。
ビール独特の複雑な味を生み出すのが酵母。
ビールの旨さというのは、雑味も含まれるわけだが、日本の「生ビール」は真夏の常温管理で腐らないよう、酵母菌を高性能フィルターで濾過してしまうのだ。
その際に旨みまで同時に除去されてしてしまうため、味わいの浅い、水っぽいものになってしまう。
ハイネケンは基本的に緑のあのボトル1種類だけで、それだけの売り上げを上げているわけだが、その秘密は味にあるというわけだ。
現在の国産ビール大手4社は、国産ビールの「生」は加熱処理をしないものと定義している。
コトの始まりはサントリーが1967年に「純生」(ビン詰め)の発売から始まる。
これが爆発的な人気となり、シェアがアップしたわけだ。
ウリはNASAの技術による「ミクロフィルター」を使い、で熱処理をしないで酵母を取り除くことに成功したというものだった。
このサントリーの純生がきっかけとなり、業界で「生」論争が勃発した。
アサヒビールは、翌年の1968年に「アサヒビール本生」を発売。
「本当の生です。酵母が生きています。」との触れ込みで、工場周辺にだけ瓶詰めで出荷。
生きた酵母こそ「生」という主張で冷蔵保存必須、賞味期限は2週間という、いわゆる本物だったわけだ。
だがサントリーは「熱処理しないビールが生だ」と主張。
1979年、公正取引委員会が、「生ビール、ドラフトビール=熱処理をしないビール」と公示。
サントリーの主張が認められたというわけだ。
それ以後、ミニ樽、生樽、ビア樽に入った、いかにも新鮮そうな「生」ビールが市場に登場したというわけだ。
サントリーはまずいウイスキーで世界的に有名だが(笑)、日本のビールの味を悪くするきっかけを作った張本人でもあるわけだ。
ウチではサントリーのプレミアムモルツというビールは、カミサンも私もまずいという評価なので飲まない。
サントリーは、NASAのフィルターで旨みをごっそり濾過するわけだからね。
つまりキンキンに冷やさないと、おいしく飲めないというのは一理あるわけだ。(笑)
日本のメーカーは何種類ものビールを次々と造り出し、ビールもどきの発泡酒まで出しているが、何だか進む道が違うような気がする。
ビール系飲料の税金は主に麦芽の量で決まるわけだが、ビールは原料に占める麦芽の割合が3分の2以上。
税率の低い発泡酒は3分の2未満。
第3のビールは大豆やエンドウ豆を原料にして麦芽を使わないか、発泡酒に麦焼酎など別のアルコールを加えるため、発泡酒よりさらに税率が低い。
そのため安くできるというわけだ。
安さと多品種で勝負する日本のメーカー VS 味で勝負する世界のビール会社。
これって、何となくクルマ産業の構図と似ている気がするのは、私だけだろうか。(笑)
知識としては為になるのに嗜好品特有の個人の好みのフィルターがかかりすぎていてとても残念です。悪口がいいたい為の文章ってせっかく「そうなんだー」って言葉が織り交ぜられていても最後にはもやもやした気分になります。。。