昨夜はカミサンが有馬温泉に宿泊していたので、夜はF1ドイツGPの予選を堪能。(笑)
F1の公式予選は、多くの方が想像される以上に面白い。
公式予選では、コース1周のタイムを計測しタイム順に決勝のスタートポジションを決定するわけだ。
予選は「ノックアウト方式」で行われる。
◆予選第1ラウンドは Q1 と呼ばれる。
全車に出走資格が与えられ、制限時間は20分。
自由にコースを走り、タイム計測をするわけだ。
そして1位から15位のドライバーが第2ラウンド(Q2)へ進むことができる。
16位から20位のドライバーはノックアウトされてしまい、次のラウンドに進むことができないというわけだ。
◆予選第2ラウンド(Q2)
Q2は、Q1で勝ち残った15人のドライバーで争われる。
Q1とQ2のインターバルは7分30秒。
制限時間は15分。
ここでノックアウトされるのは5人。
つまり1位から10位のドライバが最終ラウンド(Q3)へ進むことができる。
Q2は、Q1でのタイムをリセットして行われるので15人は、タイムを計測し直すわけだ。
◆予選最終ラウンド(Q3)
Q1,Q2で勝ち残った10人でポールポジションという決勝の1番グリッドを目指し、タイムアタック合戦が繰り広げられるわけだ。
最終ラウンドは制限時間10分。
今回のドイツグランプリは、Q2の後半からだんだんと雨が強くなり、終わることにはズルズルの状態。(笑)
雨が降るとインターミディエイトという小雨用のタイアと、ウエットという深い溝が刻まれた、アクアプレーニングが起こりにくいタイアを選択することができる。
ウエットを履いてコースへ出ても、雨が止んで、路面がドライになってくると、このタイアの寿命はすぐになくなって、グリップしなくなるわけだ。
逆に晴れてくるだろうという読みで、そのチームがインターミディエイトを履いてコースに出て、雨が強くなれば、ズルズルに滑るためタイムが出なくなる。
というわけで、どのタイアを選ぶかという、ドライバーの意見と、チームの決断との組み合わせで、様々なドラマが生まれるわけだ。
今回はQ3になると、雨が強くなり、コース上では川のような流れが、数本コースを横切る状態。
こういう場所では、速度とアクセルワークの組み合わせが悪いと、ハイドロプレーニングが起こりコースアウトすることになる。
つまり大雨の時ほど、ドライバーの総合的な実力がハッキリ出るわけだ。
こうした大雨のQ3で、まさに神業のようなドライビングで、トップタイムをマークしたのがフェラーリのアロンソ。
二位が、レッドブルのベッテル。
小林可夢偉はQ2で敗退。
彼は歴代の日本人ドライバーでは最も腕のいいドライバーだろう。
では、日本人のレーシングドライバーは世界でどれくらいの位置にいるのか?
これを推し量るのはかなり難しいわけだが、私の独断と偏見では、こういうことになる。
現在フォーミュラニッポンという、日本独自のクルマとルールで行われている、日本でのF1に相当するレースが行われている。
現時点でのトップは、アンドレロッテラー。
今までの実績を見ても、彼がトップであることは間違いない。
中島一貴という中嶋悟の息子が一時F1に参戦していたことがある。
残念ながら、F1時代の彼のドライビングには全く冴えない、光るシーンがないままで、シートを失ってしまった。
どんな選手でも、何戦も闘っていると、様々な条件が重なると、素晴らしい追い越しのテクとかが見られるのだが、彼は全くダメだった。
といっても世界最高のドライバーが集まっている「F1の世界」に限っていえば、というハナシだからね。
中島一貴はフォーミュラニッポンでは、ロッテラーに次ぐ2位のポジションだといっていいだろう。
わかりやすく言えば、日本で2位でも、世界だと13位から16位くらいになってしまうということだ。
F1になると、ドライビンの腕だけではなく、車のセッティング能力や、メカニック達とのコミュニケーション能力、そしてレース本番での瞬時の判断など、トータルの能力がモノを言う世界だ。
もちろんクルマ事態の性能にもよるが、1チーム2台のシートのどれかを獲得するには、結果を出す必要があるわけだ。
当然フェラーリや、マクラーレン、レッドブルの首脳陣は、すべてのドライバーの腕はしっかりチェックしている。
だが日本人ドライバーで、Q3の常連になったドライバーは誰一人としていないのだ。
というわけで、Q3こそが、日本人ドライバーの実力を計るまず最初のバロメーターなのではないだろうか?
そして次は表彰台への常連となれるかどうかだ。
次に表彰台の中央に立てるかどうか。
最後はワールドドライバースチャンピオンになれるかどうかなのだ。
壁はまだ4つもあるのだ。
さて今夜のドイツGPはどうなるだろうか?
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