WIRED で自転車とビジネスに関する考察が掲載されている。
台湾の小さな下請け会社から、瞬く間に世界最強の自転車メーカーに上り詰めたGIANT。
そういえば私が最初に東急ハンズで買った自転車が、GIANTだった。
記事ではGIANTの成功の理由を分析。
記事から、ポイントを箇条書きすると・・
大事なのは10年20年年単位でこだわり続け、マーケットを掴む。
ひとつの物事を成し遂げるためには、短期的な収益だけに目を向けない。
絶え間ないイノヴェイションへの意欲
企業としての生き残りへの危機感
トップによる長期的判断に基づく大胆な決断
日本では環境に企業経営が適応し過ぎ、日本だけでも十分やっていけるマーケットがあると、安住してしまうケースが多い。
GIANTは製品が世界で売れなければ生きてゆけないと考え、グローバルスタンダードとなるようなモデルを必死になって作ってきたという。
日本の自転車メーカーは1980年代以降、世界をリードする自転車がない状態に陥ってしまっている。
日本の市場で売れる自転車の9割がママチャリ。
そのためママチャリさえ作り続けていれば経営規模としては安定してきたことが仇となったわけだ。
こうして日本のメーカーは厳しいグローバルマーケットでの競争に打ち勝つ体質を、失ってしまう。
中国が質のいい自転車を作れるようになると、安い中国製のママチャリが洪水のように日本に押し寄せ、日本製のママチャリは売れなくなってしまったわけだ。
だからといってハイクオリティな自転車は、常に世界と激しく争っていないと作れないのだ。
こうして開発力がなくなった日本の自転車メーカーは、ことごとく倒産に追い込まれてしまう。
現在何とか生き残っているパナソニックなどの日本メーカーは、電動サイクル自転車が主体。
というわけで、日本は完全に台湾勢に敗北してしまったわけだ。
また日本は業績が悪いと社長が短期で変わってしまうため、長期的な戦略をもって経営に望めないことがその背景としてあるという。
どんなビジネスにも、失敗はつきもの。
GIANTでも作ったモデルが全然売れないことがあるわけだ。
だがそういった失敗は、社内ではほとんど問題にならないという。
それよりもどんどん新しいアイデアを出し、新しい商品を作り出すことに、重きが置かれている。
さらに日本の産業構造として、物事に取り組む社員の行動に対し、マイナス評価で考える傾向が、だんだん強まっているという。
ケータイと一緒で、日本のガラパゴス化は、自転車業界ですでに起こってしまっているのだ。
世界の評価はこうだ。
「日本はほんとにいい国なんだけど、自転車だけは言っちゃ悪いけど世界の三流だな」