極度というほどのアガリ症ではなくても、人前で話す段になると、どうもうまく話せない。
という方は少なくないはず。
これはすべて緊張によるものなのです。
では緊張をぬぐい去り、あなたのペースに持ち込むにはどうすればいいのでしょうか?
一般的に「聴衆(相手)が自分のことをよく知ってくれている」場合で、さらに話す内容が頭にしっかり入っている状態だと、緊張しにくいのです。
たとえば、カミサンと話すときに緊張する、なんていうのは心の病気か、何かやましいことがある場合のはず。(笑)
逆にこちらが相手のことを知りすぎている場合、そして相手が自分のことをよく知らないと思われるケースでは、緊張しがちになるもの。
といっても、適度な緊張状態であれば、それはそれで悪いことではなく、かえってテンションを上げてくれる効果があったりするものです。
私の場合セミナーを通じて、10年近く人の前で話しをしてきた経験から、アガルと言うことはありません。
なぜなら自分の言いたいこと、興味のあることにテーマを絞って話しているからです。
話の中身に集中することができれば、緊張などしている暇というか、そういう余地がなくなるというわけです。
セミナーや、複数の相手と話すときは、何らかの「得意分野」あるいは「話したい話題やテーマ」について話すわけです。
ですがそうした「目論見み」は、ちょっとした工夫を加えることで、見違えるような効果を生むことになります。
特にセミナーでは、テーマとおおよその時間を書いた進行表などのメモを作っておくのは必須条件です。
メモをテーブルの上に置き、チラチラと見ながら話すことで、まず話のヌケがなくなります。
そしていつもとペースが違ってきた場合ても、押して時間がなくなって慌てる、などという失敗も防ぐことができます。
セミナーはカンペキでなくても、テーマさえ面白ければ、感心して聞いてくれるもの。
ですから内容については「パーフェクトを目指さない」というのも大事です。
というよりも、少しくらいわからない点が残っていた方がいいくらいなのです。
その場をうまく切り抜けられればOK程度に考えることです。
というのはそれよりも遙かに大事なことがあるからです。
それは、自分のペースに持ち込むということです。
つまり、一撃で人心掌握できるかどうか。 (笑)
以前どこかの予備校の名物先生の講義で、生徒の心をグイグイと掴むサマを見て感心したことがあります。
そのときに「なるほどねえ」と感心したワザをここでご紹介。
まず最初から、いきなりテーマへ入らない。
これは大事。
会場のある土地について知っている点や印象、または朝起きてから今日会場まで来た際の心境など、ちょっとした世間話的な前フリを話すのです。
これはお互いの緊張を解くためには、もの凄く効く方法です。
そして頃合いを見計らい、意表を突くタイミングで、あらかじめ3つにまとめたポイントを、相手に質問として投げかけるのです。
気をつけなければならないのは、その3つをうっかり忘れしまうと、余計にアガりますから、気をつけてください。(笑)
短く箇条書きにしたメモを置いておくことで、そうした事故を防ぐことができます。
「今日のテーマについて、3つの大きなポイントがあるのですが、みなさんおわかりになるでしょうか?」
とゆっくり会場を見回しながら、数秒間「マ」を置くのです。
ココが大事。
一瞬の沈黙が必要なのです。
聞いている人は、その一言で条件反射的に考えます。
ですが、普通疑問を投げかけられたって、あらかじめ考えていたことではないので、すぐにはわからないのが普通。
わからないのが当たり前なのです。
私だって何かのテーマでいきなり3つの大事なポイントって聞かれたって、すぐにはわかりません。(笑)
そんなものです。
このようにタイミングのよい「投げかけ」は、聞く人の心を一瞬のうちに「無の状態」へ誘導する効果があるのです。
さらに、ここが大事な点なのですが「その場の空気を一変させることができたかのような錯覚」を、話し手にも抱かせてくれるのです。
これは非常に大事なポイントです。
こうして一瞬のうちに自分に自信を刻み込み、同時に聴き手をあなたのペースに巻き込むことができるのです。
一粒で二度美味しいアーモンドグリコ効果。(笑)
自信から生まれる話し手の確信は、あなたを落ち着かせ、さらには聴衆の心を掴むのです。
これはセミナーだけではなく、友人同士の集まりなど、幅広いケースで応用が効きます。
お試しアレ。