皆さんはコンパクトデジタルカメラを購入するとき、何を重視されるだろうか?
すべてをAUTOで撮るだけというなら、今時のコンデジなら何でもOK、といっても過言ではないだろう。
それなりに写るからね。
だが、ゆくゆくは楽しみながら写真を撮りたいという場合、いずれ何かの機能をマニュアルで変更することになるわけだ。
では、マニュアルで変更する場合、どの機能を変更することが多いのだろうか?
私の場合次の3点だ。
◆ホワイトバランス
室内か屋外か電球あるいは蛍光灯かかによって設定を変えた方が、見たままの写真のイメージに近づけることができるわけだ。
◆フォーカスモード
X10の場合は マルチ・アベレージ・スポット と3種類を選択できるが、どのカメラも大体同じような選択肢のはず。
シャープにピントが合った写真を撮りたいときには、ピンポイントを狙えるスポットモードが最適なのだ。
◆ISO
暗い場所や夜に撮影する場合は1600とか3200に変更した方が、早いシャッター速度で撮影できるため、イコール、ブレる恐れが激減するというわけだ。
コンデジでは、以上の3つの変更をしたい場合、メニュー画面の中の項目を選択し、変更するタイプのものがほとんどだ。
すると メニュー画面 > ホワイトバランス > 選択 と3回ボタンを押さなくてはならない。
だが機能がボタンに割り付けられていれば、 ホワイトバランスボタン > 選択 と2アクション。
この一回の違いは実際に使ってみると、実に大きいのだ。
デジタル一眼レフカメラに沢山ボタンが付いているのは、このように一発で機能選択画面を呼び出したいからだ。
では個別に説明してみよう。
◆ホワイトバランス
電球色照明下でホワイトバランスが、オートのままだと上のような色味になる。
下は、ホワイトバランスのカスタム設定で白い皿の色を基準にしたたホワイトバランスで撮影したショット。
器が真っ白で気持ちいい。(笑)
X10は独立したホワイトバランス設定のためのボタンがあり、ホワイトバランスの設定は一発でOK。
左側の一番下の WB を押すとホワイトバランス設定画面を一発で呼び出すことができる。
◆フォーカスモード
フォーカスモードをスポットで撮影。
ピントをピンポイントで合わせるには、何と言ってもスポットモードだ。
上は器の手前のエッジを狙ってピントを合わせ、撮影している。
下の写真と比べると手前にピントが合っていることがわかるだろう。
これは奥にピントが合っている。
X10では液晶画面に表示される +印が、グリーンだとピントが合っていることを示し、赤だと外れていることがわかる仕様。
GR DIGITALⅣ はこうした仕掛けがないからだろうか、とにかくピンボケ写真が量産されたのでヤフオクで売却。(笑)
X10では、カメラの裏面左側の上から2番目にある AE ボタンでフォーカスモードを変更することができる。
マルチ・アベレージ・スポット の3つが選択できるわけだが、ジャストでピントを合わせたい場合はスポット。
食べ物だけではなく普段の撮影もスポットを使うことが多い。
◆ISO
カメラ上面の右角にある Fn ボタン(ファンクション・ボタン)の初期設定はISOが設定されている。
暗いところでは上限1600あるいは3200に変更して撮影すると、早いシャッター速度が使えるため、ブレによるボケの恐れが激減するのだ。
もちろんこのボタンに他の機能を割り付けることもできる。
キヤノンのデジタル一眼レフカメラには、シャッターボタンのすぐそばに、ISO設定ボタンが設置されているが、あれと同じ考えで、X10では、この位置に設定されているのだろう。
たぶん。
今人気のある、ソニーサイバーショットDSC-RX100だが、このカメラはファンクションボタン以外にボタンが全くないカメラだ。
そのため、どこかの設定を変えたいと思ったら、あらかじめファンクションボタンに設定を登録し、メニュー画面から呼び出す必要があるのだ。
GR DIGITALもそうだったが、こういう設定を組み合わせて記憶をさせる場合、このモードだとこの組み合わせはできないなどという、「そりゃあないだろう」という仕様になっていることが意外に多いのだ。
だがカメラを買う前にそんなことはわからないから、こういうカメラは、量販店で徹底的に試用してみてから買わないと、買ってから大変な思いをすることになるだろう。
その大変さは支払う金額に比例するからね。(笑)
登録をした設定を呼び出して使うといっても、プロカメラマンとして毎日使うわけではないわけだから、いざというときに、あれ?これはファンクションの何番に登録してあったっけ?
となるわけだ。
このソニーの新型カメラは、ファンクションキーへたくさん登録できるようだが、呼び出すにはメニューボタンを使うか、仕様レポートにあるように、モードボタンを押して割り付けた機能を呼び出すとかするわけだが、メカに弱い人なら、登録するときに、すでにお手上げになるはず。
私は GR DIGITAL で懲りたクチだからね。(笑)
ほとんどの人は、ファンクションの何番に何を登録したかなんて、翌日にはすっかり忘れているはずだ。
しかも、いくら多くの組み合わせが登録できるといっても、数が多くなればなるほど、覚えている確率は低くなる。
この手のカメラには、カメラの裏にこうした登録リスト一覧表を貼っておく場所が必要なのではないだろうか。(笑)
X10はボタンの多いカメラだが、こうして考えると、写真を撮影する人の立場になって、実によく考えられ、設計されたカメラだといえるだろう。
状況に応じて、こうしたモードを素早く変更できるカメラは、使えば使うほど、使い勝手がいいと感じるようになるはず。
写真を撮るためには、シャッターチャンスや、構図などを、一瞬のウチに判断しなければならないわけだ。
その寸前に、機能を呼び出し、あれこれ設定をしなければならない、などという面倒なことをしなければならないカメラは、ゴメンだ。
カメラは、いくら凄い機能を備えていても、ユーザーインターフェイスが悪いと、使うのが面倒になり、一切使わなくなってしまうものなのだ。
ドピーカンの晴天の屋外では、メニューボタンを押し、ほとんど何も見えない液晶画面を見ながら、深い階層を辿って設定を変更しなければならないのだ。
ボタンが少なければ少ないほど、ジリジリと照りつける太陽の下で、長い時間、こうした状況に直面することになるわけだ。
これこそ、白昼の悪夢と呼んでいいのではないだろうか。(笑)