車の世界では、フランス車一般の乗り心地を「ネコ足」と呼んでいます。
特にシトロエンのハイドロニューマチックサスペンションは、空気と油圧の力で路面の凸凹をしなやかに受け流す仕組みとなっています。
そのため、たっぷりしたストロークで、あたかもネコが体を上下させず、足だけでひたひたと歩くように、路面からのショックをいなすため、そう呼ばれているようです。
さらにエンジンを止めると車高が下がり、その姿はまるで、ネコがうずくまった様を連想させるというのも、理由の一つかも知れません。
高速道路での乗り心地は秀逸で、路面の継ぎ目を何事もなかったように過ぎたり、路面のうねりを周期の大きいうねりに変えてしまったりと、言葉で説明するのが難しい乗り心地です。
「身体が憶えてしまう」乗り心地と表現され、ハイドロでないと禁断症状が出るようになるという都市伝説もあるほど。(笑)
シトロエン C6 エクスクルーシブ MOTOR DAYS
高い静粛性と抜群の乗り心地、抜群の高速安定性、および高速コーナリング性能は絶賛してもいい。高速走行ではどこまで速度を上げてもまったく緊張感を感じさせない。
高速コーナーでの圧倒的スタビリティも健在だ。下手なスポーツカー(あるいは下手が乗ったスポーツカー)ならアウトから一気にブチ抜ける、と確信できる。
シトロエン C6 エクスクルーシブ Uカー試乗記
しかし幹線道路に出て100メートルも行かないうちに、そのスムーズな走りには改めて驚かされた。
「滑るように走る」とはまさにこのことで、足まわりが硬いとか、乗り心地がフワフワするとか、そんな表現がまるで遠い過去の言葉に思えてしまうほど、このC6はべらぼうにスムーズかつフラットに疾走する。
これまでオートプラネットのUカーを140台近く実際に試乗してきたが、いつもの試乗コースをこれほどスムーズに走ったクルマはこれまで一台も無かったと断言できる。
というか、最新の高級車でも(全部乗っているわけではないが)、ここまでのものはそうそうないのではないか。
また感覚的なものだが、2006年末に乗った新車のC6より、今回乗った車両の方がスムーズさは増しているように思えた。
ファンの間では一種の都市伝説のように、「ハイドロ車は当たりがついてからが本領」と言われるが、この最新のハイドラクティブIIIプラスでも同じことが言えるようだ。
静粛性も非常に高く、特にロードノイズや風切り音は、何度も比較に出して申し訳ないが、1000万円クラスのドイツ車に比べても静かに思える。
フロントサスペンションのロアアームのブッシュを交換し、乗り心地が良くなったC6。
乗り心地が悪くなったことを実感した「ある場所」でテストしてみました。
下の写真の右側に出っ張った凸部分があります。
下がその部分。
ここへ車輪を乗り上げると、かなりきついハーシュネスが伝わるわけです。
これだけの段差があります。
ここへ30キロから40キロの速度で片輪を乗り上げると、かなりの段差なので、ショックが来るわけです。
バネとショックとのバランスが悪いと、モロにキツいハーシュネスとなって、伝わってくるのです。
今回は「タンっ・・」という音がしただけで、ハイドロがうまく衝撃をいなしてくれました。
シトロエンのディーラーの方は、ロアアームのブッシュ交換は乗り心地には余り関係ないだろうとおっしゃってましたが・・
交換前とは月とすっぽん。
ロアアームのブッシュ交換は効きますぜ!(笑)
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