一冊だけ車の本を買うとしたら何がいいか?と友人に聞かれたとき、あなたなら何を薦めるだろうか?
私なら迷わず「AUTOCAR JAPAN」とキッパリ。
ENGINEは車か腕時計やファッションの雑誌かが、わからなくなってきている。
腕時計やファッションの広告がないと、成り立たないのだろう。
ということなので、車の記事が読みたくてENGINEを買うと「もっと車のこと書けよ!」ってツッコミたくなるわけだ。
CGも最近は、目線が広告のスポンサーの方を向いているためだろうか、当たらず障らずの記事ばかり。
一方で「AUTOCAR JAPAN」は、アメリカやドイツなど複数の国のライターが書いた記事の翻訳が混在している。
つまり、他の雑誌のようにスポンサーばかりを向いた目線とは違う切り口だということが、紙面全体から漂っているのが魅力だといっていいだろう。
たとえば、ヨーロッパではハイブリッド車は人気がない。
という記事が掲載されていたことがある。
トヨタの顔色を見ながらは書けない内容だ。(笑)
ヨーロッパでは、ハイブリッド車は超マイナーな存在だということがデータと共に明確に書かれていた。
ヨーロッパの街中では、ハイブリッド車を見かけることは非常に少ないという。
何故か?
ヨーロッパ車メーカーの開発拠点では、次のような理由を挙げている。
アウトバーンで燃費が良くないため、長距離移動ではディーゼルが有利。
ハイブリッドはストップアンドゴーが多くないと効果がない。
車両価格と燃費とのバランスではディーゼル車の有利さを覆すほどのインパクトはない。
ではなぜ欧州のメーカーはハイブリッド車をラインナップするのか ?
ヨーロッパのメーカーにとってハイブリッド車は、プレミアム商品であるということ。
そしてCO2ガスの排出量規制へ対応していますよという、地球環境に対する企業イメージを構築するためのものなのだ。
そのため、ヨーロッパの大衆車のほとんどはディーゼル。
ヨーロッパでの乗用車ディーゼル比率は約50パーセント、国によっては70%にも及んでいる。
ヨーロッパの消費者たちは、自動車の購入費や燃費にはきわめてシビアなため、結局ディーゼル車を選択しているというわけだ。
では北米ではどうなのか?
大手調査会社によると、2011年の米国乗用車のうちのハイブリッド車のシェアは2.21%!
今後5年ほどでハイブリッド車は2倍以上になるが、それでも2018年のハイブリッド車のシェアは7.69 %に過ぎないという。
その後カリフォルニア州のゼロエミッション規制が強化されるため、ハイブリッド車は頭打ちになるという。
そして、プラグインハイブリッド車とEVの販売が急速に伸びるだろうと予測している。
ヨーロッパではエコノミーな車というのはディーゼル車を指すわけで、お金をたくさん持っている人がハイブリッド車を買うという図式だ。
日本人はハイブリッド車をイメージだけで買うが、欧米ではイメージだけではハイブリッド車を選ばない。
欧米人は日本人が想像するよりも現実主義なのだ。
ということは、日本人は理想主義?(笑)
とまあ、こうした類の記事がしっかり網羅されている。
というわけで、クルマのことを知りたければ、AUTOCAR一冊で十分というわけだ。
WEB版では 5ドアのプリウスアルファの試乗記が掲載されている。
エコ・モードで、しかも荷物を積んだプリウス+は、決して速さを感じるモデルではない。スロットルを踏み込むと、CVTが、魅力に乏しいうなりを伴って鋭く連続した加速をもたらしてくれる。しかし、クルージングになってしまえばその静かさは復活する。そして、その駆動が完全に電気モーターだけになれば、完全な沈黙が楽しめることとなる。
とはいうものの、そのパワー・フィールはディーゼルのほうが上だ。
買いか? 総じて快適で装備もよいクルマだが、そのグレーのキャビンは価格に相応しく無い重苦しいニュアンスだ。そして、ロー・エミッションであろうがなかろうが、このクラスにしては価格が高すぎるのだ。(リチャード・ブレンナー)
ただし、エンスージャストが選ぶクルマではないことも確かだ。プリウスはオーリス・ハイブリッドと同様、あたなの脳はこのクルマを買ったことに賛成するかもしれないが、そのハートはお礼を言うことはないだろう。(マーク・ティショー)
新しいAクラスは、BMWとアウディが示したコンパクトカーのベンチマークを追っているだけのクルマだ。確かに、いくつかの点でライバルを上回っている。しかし、それは同じライン上での戦いをしているだけだ。良くも悪くもA250 AMGは、メルセデスの平凡なアプローチを象徴するクルマ、ということができるだろう。(リチャード・ブレンナー)
ポルシェ・ボクスター
「買い」か?
もちろん買うべきだ。但し、パフォーマンスに重点を置くのであれば、ボクスターSを買うために追加投資をすべきだ。ポルシェの不思議な能力ではあるが、クルマが高価になるのに比例して、キチンと能力も高くなるという法則がある。しかし、ランニング・コストもそうであるし、それ以外の面においても、スタンダードなボクスターも十二分に値打ちがある。乗り心地、上品さ、増大された外観の魅力、そして素晴らしいシャシーなど、コスト・パフォーマンスを考えれば最も素晴らしいロードスターの1台であることに間違いはない。(ニック・カケット)
ポルシェ・ボクスターは、世界で最も面白いクルマの1台だ。贅沢なルックス、高級なインテリア、向上したパフォーマンス、魅力的なハンドリングと改善された快適性など。911ファンの軍団を敵にまわすことになるのだろうが、ポルシェが生産する最も完璧なモデルとも言ってもよいだろう。(グレック・ケーブル)
ポルシェ911 徹底試乗 では雑誌の誌面と同じものがPDFで読むことができる。
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