ドイツの若手トランぺッター、ティル・ブレナーは、9才からトランペットを始め、ベルリン・ドイツ交響楽団に籍を置いていたという実力派。
以前ティルブレナーの「オセアーナ」という日記でも紹介したが、彼の最大の魅力は、パット・メセニーが絶賛したという、彼ならではの音色だろう 。
灼熱のアスファルトに描かれた、木々の影と太陽の光が織りなす木漏れ日模様が、 Till Bronner のトランペットのサウンドと交錯すると、そこは別世界。
バラードを集めた、アルバム Love の2曲目、Till のオリジナルナンバー「What Stays」は、フェンダーローズのバッキングと、ゆったりとした4ビートのリズムでもって、こういうシーンで最高の舞台を演出してくれる。
ストレートなトランペットのメロディーに、フェンダーローズのエレピのサウンドが溶け合い、リラックスした至福の一時を味わうことができる。
2コーラス目には、コントロールされたフレージングによるTill のアドリブが展開され、短いエレピのサウンドが、アクセントの光を放つコンビネーションが素晴らしい。
この1曲のために、このアルバムを買ってもいいと思うほど、気に入ったナンバーだ。
午後の日差しが持つメローでアンニュイなトロけるような雰囲気が、さらに際だつ4曲目の Brazil は、ゆったりと流れるスローボサのリズムが絶妙。
鋭すぎないミュートトランペットの音色は、彼ならではのものだということがよくわかるナンバーだ。
スローミディアムのボサのリズムをバックに、この名曲は彼のスタイルに生まれ変わるのだが、途中のアクースティックギターのアドリブに続く、Till のアドリブのバッキングコードの色合いの変化によって、デリケートにアレンジされていることを知ることになる。
エンディングにかけては、フェンダーローズがテーマをソロで演奏するのだが、そこからのリズムの入りが、ちょっとヒネってあり、その案配がお洒落だ。
7曲目は「I thought about you」。これもスローなナンバーで、Till びストレートなトランペットのサウンドが堪能できる。生ピアノのソロも落ち着いた中にも、リリカルなエモーションが感じられ、Till のソロへの受け渡し部分も、しっかりと味付けされている。
甘さを抑えたジャズのフレーバーがたっぷり堪能できるはず。
Till Bronner-Where Do You Start
ストリングスと彼のハスキーなミュートトランペットのサウンドが実によく溶けあっている。
Till Bronner bei Arte TV "Le Deserteur"
TV番組でも彼のバラードはリリカルでエモーショナル・・
Till Bronner - How Long Has This Been Going On (George Gershwin) - My Secret Love 10
ライブではないが、スタジオ録音ならではの彼の音色とストリングスが絡み合い、夢見心地の世界へ誘ってくれる・・
Till Bronner - Ballad for a friend
豪華なブラスセクションを従えたライブ演奏。
フリュ-ゲルホーンを奏でるティルのバラードが存分に楽しめる。
Till Broenner Teaser "Rio" (original Version)
So Dance Samba では、彼独特の音色でのアドリブが炸裂!
ポップなリズムで軽快にスイングする彼の唄を聴くことができる!
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