まどろんだ夢の中を漂うように舞うトランペットのフレーズと、とろけるように甘く切ないメロディーラインが心に染み入る。
バラード・アルバム Till Bronner / Oceana オセアーナ をご紹介。
1曲目はスローな3連系のリズムがいきなり少しジャージーな雰囲気を醸し出す。
そして素直にティムのメロがクールに響き渡るのだが、もし試聴していればこの一曲目のフレーズを聴いただけで即買いを決断できるだろう。
後半のオルガンソロがお洒落。
2曲目は、Jerry Goldsmith の曲で、Love the from Chinatown。
さらにスローな雰囲気でリリカルなピアノによるイントロに続き、ティルがテーマを吹き始める。
後に続くゲイリー・フォスターのサックスがまたいい。
ちょっと独特の音色と吹き方だ。
二曲続けてこう来られると、もうお手上げ 。
しかしこうして聴くと美しい曲だ・・
3曲目では、In my Secret Life では、カーラ・ブルーニのハスキーボイスが堪能できる。
カーラ・ブルーニはイタリア・トリノ出身のモデル・歌手で、スーパーモデルからシンガーソングライターへ転進したという経歴の持ち主。
パリで育ち父親は作曲家、母親はピアニストという家庭に生まれる。
姉は女優のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
1990年代にはスーパーモデルの一人として活躍し、シャネル、ディオール、セリーヌなどのモデルを務め、様々な雑誌のカバーを飾ったという。
2004年にリリースされたデビューアルバムはフランス国内だけで100万枚を突破したというが、かすれた低めの声が個性的で、なおかつとても魅力的だ。
4曲目の The Peacocks は少しモードっぽい雰囲気で超スローなリズムで、ブルージーなトーンでメロディーを切々と奏でるティル。
5曲目は、ドラムがスローなテンポで3拍子系しっとりとしたリズムを刻み、ジャズシンガーのマデリン・ペルーがカントリー風の歌を聴かせてくれる。
7曲目は、スローボサで、ブラジルで生まれのニューヨークで活躍しているルチアナ・スザーナのボーカルをフューチャーしているが、間奏ではティルの素晴らしいソロを楽しめる。
これだけのアタリ曲が網羅されているアルバムというというのは、「稀有」といっていいだろう。
問答無用で買い。
そう言い切ることのできる、珍しいアルバムだ。
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