ご質問をいただきました。
はっちさんの写真付きの日記は、写真と日記のバランスがよくて、ついつい読んでしまいます。面白く書く何かコツのようなものがあったら教えてください。
ありがとうございます。
日記が面白いのは写真との相乗効果だと思いますが、それはさておいて、日記を毎日書き続けていると、さまざまな応用を効かせることができるようになります。
その一つは、文章を読むときに、書き手の側に立って読むことができるようになる、という点です。
この人はどうしてここで、こういう表現をするのだろう?
自分ならこういうときはどう書くだろうか?
などと、書き手の考え方により近づいた位置から、書かれたものを読み解くことが、できるようになります。
毎日沢山の量を書いていると、書き手の文章や考え方の質を高める、という作用が生まれます。
それは短いフレーズにまず、端的に表れてきます。
私は写真へつけるキャプションというかコメントは、できるだけ短くするように心がけています。
写真というのは、言葉以上に、そこでのシーンを雄弁に物語ってくれるからです。
ただ、それを見た人が何を汲み取りどう解釈するかは人それぞれ。
そこで短い言葉を付け加えます。
そうすることで、ある方向へ誘導するわけです。
つまり文章によってその写真を「自分はこう見ています」という方向へバイアスをかけるのです。
ただし意図したとおりに、読む人に汲み取って貰えるかどうかは分かりません。
が、少なくとも「そう読んで貰える可能性」は高くなるはずです。
「思考のチューンナップ」という日記では、3つから5つのパラグラフで構成されています。
切れ目にはテンを付け、文が終わったらマルをつけるというのが文の基本です。
その文章を重ね、まとめるための段落という単位を、パラグラフと呼びます。、
パラグラフがしっかりと構成されている文章と、そうでない文章との違いは、どこにあるのでしょうか?
文章の書き方を教えている人でも、ある程度の長さになったから、そろそろ改行しておくか、という程度の認識しかない人が多いのです。
「思考のチューンナップ」という日記では、写真より前の部分はすべて3行づつで構成されています。
ですがその中で、4行になっているものが一つだけあります。
それはあえて1行を2行にして、4行になっているだけなので、基本的には3行といっていいでしょう。
この4行はリズムを変えるため、あえてこういう風にしたわけです。
コミュニケーションの能力というのは大きく2つに分けることができる。
一つは話す能力。
もう一つは文章を書く能力。
この2つの能力のどちらかでも、普通のレベルを卓越している人は、盤石な経済的基盤を確立されていることが多い。
このように、文章を短くすると、どのような効果があるのか?
このような短いセンテンスの文には、思考を緻密にする効果があるのです。
最初のパラグラフというイントロが終わったところで、あえてリズムを変えたわけです。
こうした日記を書くとき、私は大きなサイズの写真を見ながら書くことがあります。
なぜなら写真がそのときの状況を思い出すための、手助けをしてくれるからです。
そうすると文章を書いているうちに、付け加えたいことが、どんどん浮かんできます。
ですから、はじめはできるだけ、一緒に掲載する写真を見ながら、文章を短めに書くと、書きやすくなるでしょう。
センテンスが短い文章での表現や記述では、そこで言いたいことは、一つだけにしておく、というのがきまりです。
このルールで書かれている文章は、あれこれ考える必要がないため、読み手は書かれている言葉を「ありのまま」に受け取ってくれるのです。
トータルでは長い日記でも、最後まで抵抗なく「読ませてくれる日記」というのは、基本的に短いフレーズの組み合わせで、構成されています。
そういう目で、知り合いの人の日記を読んでみてください。
このことがよく、おわかりになるはずです。
ただ気をつけなくてはならないのは、複数の言葉から生まれるリズムを切らないようにすることです。
文章はカンマや句読点でリズムをつけるためのもの、と考えればいいでしょう。
ですから本来、カンマで息継ぎをするところを改行し、余りにも短くしすぎてしまうと、そこで流れが途切れてしまうのです。
そういう文章は「短いのに読みにくい」ものになってしまいがちです。
これはアフリエイトなどのブログで非常に多く見られます。
多分書かれているご本人は、そのことについては全く意識されていないのでしょう。
逆に固定した考え方だけではなく、いろいろな風に考えてほしいときは、文章を接続詞で繋ぎ、ある一定の振幅で「振る」という手があります。
その「揺れ」に翻弄されるため、その文章がきっかけになって「考える」ことに繋がるというわけです。
ですがこれは慣れないと少し難しいので、まずはじめは、短く書くように意識するだけで、十分だと思います。
流れを途切れさせないように気をつける。
読む人に快いリズムで読んで貰えるかどうかを意識する。
このちょっとした意識で、文章はうんとイキイキしたものになるはずです。