先ほどのコラムで書いた「想像力そのもの」は、目で見ることはできない。
だが、それがもたらす結果は、想像力さえあれば、その実態がどうなるかを知ることができるだろう。
だが、想像力がなければ、違った現象にしか見えないのだ。
では実例を挙げて説明してみよう。
わかりやすいのは大飯原発の再稼働問題だ。
日本のトップは福島原発が致命的な事故起こし、いまだに収束できていないというのに、また同じ事が起こるかも知れない状態へ持ち込もうとしている。
福島の4つのうちの一つが、収束できる確率を50%として計算してみよう。
2つだと25%、3つだと13%、4つになると6%。
つまり収束できる可能性は6%しかないのだ。
一つだけにでも近づけない状態になれば、一蓮托生で4つともダメになり、東日本に人は住めなくなるのだ。
大飯原発を再稼働させて、このような状況が、もう一度起こったらどうなるのか?
想像するだに恐ろしいことになるわけだ。
このように誰でもが想像できる範囲の物事なのに、どうして再稼働させるのだろう。
日本の指導者達は想像力を働かせた結果、もうダメなことがわかってしまったのだ。
たぶん。(笑)
そうなるとヤケクソだ。
一度も二度も同じ事と開き直り、いずれそれがみんなにわかるまでは、何事もないように振る舞おう。
余計な想像力を働かされるまえに、目の前の現実だけに目を向けさせるためには、再稼働させるのが一番。
国民が余計な想像力を発揮しないよう、封印してしまおうという作戦だ。
その間にしこたま稼ごうという魂胆なのかもしれない。(笑)
じゃあ日本以外の国はどう見ているのか?
東京の株式市場を見れば一目瞭然。
東京マーケットを動かしているメジャヤーな外人機関投資家は日本の企業をどう値踏みしているのか?
想像力ではなく、現実を見ると、原発の再稼働が、いかに日本の国益を損ねているのかがわかるだろう。
ナスダックは上昇して高値更新
ダウも高値に向かってのアップトレンドが継続している
日経平均はダウントレンドで下げ続けている。
上がナスダックで下がダウだが、赤いマークで原発事故が発生。
米国市場は事故の後も、赤い移動平均線の上で推移している。
上が日経平均で、下がトピックス。
事故のあと赤い移動平均線の下で推移している。
ダウントレンドが継続しているわけだ。
菅直人前政権は2011年7月6日に突如、原発のストレステスト(耐性試験)の実施を発表。
テストをパスさせて原発を再稼働させるための準備を始めたわけだ。
アップトレンドになろうとしていた株価は、この発表を機に大きく下落している。
つまり外人機関投資家達のマーケッからの答えはノーだったわけだ。
そして大飯3、4号機が2012年3月23日に1次評価をパスしたとたんに、再び株価は下落。
まんまと大飯原発再稼動にこぎつけた「原子力ムラ」。
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上はパナソニック・下はソニーの株価
さてこの先どうなるかを、想像できるだろうか?
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