おいしい牛乳

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カミサンが女子バレーを見ているときに、ふと目に入ったコマーシャルが「明治おいしい牛乳」 。

美味しそうというイメージを制作され、冷蔵庫から牛が出てくるシーンもあって、いかにも飲みたくなるようなCMだった。

「明治おいしい牛乳」は結構頻繁にTVCMをやっているようだ。

「おいしい」を商品名にしているのは、明治だけではなく、森永からも販売されている。

 

 

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私は牛乳は飲まない。

理由は乳製品と常識で書いたが、牛乳がどうやって作られて、売られているか、ご存じだろうか?

 

日本で市販されているほとんどの牛乳は、高温殺菌処理が行われている。

昭和30年ごろまでは、62度から65度くらいで30分間湯煎し、ビン詰めにしていたわけだ。

だが、今の牛乳は120℃以上の高温殺菌(ほとんどが130℃・2秒間殺菌)の牛乳が90%以上のシェアを占めている。

 

その背景には「森永ヒ素中毒事件」があるようだ。

この事件後「乳等省令」(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)が一部改正され、それまで使っていた乳質安定剤を使うことができなくなってしまったのだ。

森永は安定した商品を開発するため、最新式の牛乳殺菌機をイギリスから輸入。

120℃数秒の高温殺菌することにしたわけだが、この方法だと多少劣悪な牛乳でも商品化が可能になるのだ。

当然他社もこれに追従することになる。
 


高温殺菌では、ステンレス製の板(プレート)の間に超高温の蒸気と牛乳を交互に通し、瞬時に120℃以上で殺菌するわけだ。

このように120℃以上で原乳を殺菌すると、牛乳の脂肪球(牛乳の脂肪は球状で平均4ミクロン)がプレートにこびりつき、商品化できなくなってしまうのだ。

そのこびりつきを防ぐためのものが「ホモナイズ(均一化)」という方法。

この方法では、牛乳をホモゲナイザーという機械に通し、高圧ピストンで牛乳の脂肪球を破壊し、細かくしてプレートへのこびりつきをなくすわけだ。

牛乳の中にある脂肪球の大きさは本来バラバラなのだが、ホモナイズでは脂肪球を小さく砕き、大きさを揃えることができるのだ。

この工程生まれたのが「ホモ牛乳」という商品名というわけだ。

 

1952年に、森永乳業が「森永ホモ牛乳」を売り出すやすぐに大ヒット。

当然田のメーカーも追従し、UHTの滅菌機とあわせてホモゲナイザーを導入し、日本では牛乳のほとんどが120℃以上で滅菌されるようになったというわけだ。

高温殺菌ではホモジナイズしないと殺菌時に殺菌機にこげがつくため、必ずこの工程を経ることになる。

低温殺菌の場合、この工程を経た(ホモ牛乳)と、経ていない(ノンホモ)がある。

ホモジナイズした乳脂肪分は、機械にこびりつかないため簡単に大量生産ができるわけだ。

 

我々が飲んでいるのは、大量生産が可能な「ホモ牛乳」が大半だということだ。

そのホモ牛乳は、風味が均一になるとも言われている一方、細かくした脂肪球は表面積が大きくなり酸化しやすくなるのだ。

酸化臭がつき、腐敗しやすくなるというデメリットがあるのだ。

 

つまり酸化が進むと、過酸化脂質という有害物質になり、酸化と同時に細菌が激増、腐敗が促進されるわけだ。

言い方を変えれば、それを補うために超高温で殺菌しているとも言えるのだ。

そうすると有害菌も死滅するが、同時に有益菌も死ぬことになる。

今は自作の生きた乳酸菌を使う時代になっているのに、牛乳では、いまだに逆のことが行われているというわけだ。

 

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