各メーカーから続々と発表されるデジカメ。
ということは、カメラメーカーって結構儲かっているのか?
というわけで調べてみた。
昨日から「日経Wプランお試しキャンペーン」で、購読できるようになったため、早速日経の記事をもとに、まとめてみた。
まず2011年度の各社出荷台数を見てみると・・
キヤノン 2590万台 ・ ニコン 2170万台 ・ ソニー 2200万台
富士フイルム 1300万台 ・ パナソニック 1300万台 ・ オリンパス 880万台
カシオ 300万台 ・ リコー 200万台
というように3つのグループに分かれる。
で肝心のカメラ事業の営業損益だが・・
キヤノン 2112億円 ・ ニコン 520億円
ソニー 黒字 ・ 富士フイルム 黒字 ・ パナソニック 黒字
オリンパス 赤字 ・ カシオ 赤字 ・ リコー 赤字
とこれも3つのグループに分かれるのが面白い。
カメラで利益を出すには1社で1000万台の販売が必要だったそうだ。
過去形に注目。(笑)
そのため2008年秋のリーマン・ショック前までは、各社カメラの増産投資を加速し、デジタル家電の主力として収益に貢献してきたという。
だが歴史的な円高や値下げ競争、高画質撮影可能なスマートフォンの登場などで採算性は悪化。
1000万台なら安泰という時代は過去のものになったという。
2強を除けば「カメラは台数増でも株価のプラス材料になりにくいという難しい局面を迎えている。
2011年度の1000万台越えメーカーでの利益増は富士フイルムだけという有り様。
カメラは2強が主力の一眼レフなどの高機能機種と、汎用性の高いコンパクトの2種類に分かれる。
富士フイルムの主力はコンパクトだが、市場平均価格は年率1割程度のペースで下落し、円高も響いてリーマン以降、採算性が悪化しているという。
そのため値下げで台数を確保し、何とか固定費を回収するという悪循環に陥らざるをえないわけだ。
そこで富士フイルムは一気に売れ筋から10万円程度という規格外の価格引き上げ戦略に打って出たのだ。
だがこのバクチ(笑)は成功し、米国などでは受注に供給が追いつかないほどの人気で、一般消費者だけでなくプロ向けにも売り上げが伸び、赤字続きだったとみられるカメラ事業は前期に黒字転換を果たしたという。
「X100」の投入は抜本的なカメラ戦略転換の試金石だったというが、これに成功したことで次へ繋がる可能性が出てきたというわけだ。
今年2月に発売したレンズ交換式ミラーレス一眼デジタルカメラ「X―Pro1」は「X100」で自信をつけたこともあって、値段は15万円前後と超強気。
一眼レフの価格に近い値段だが、足元の受注は好調だという。
13年3月期は、昨年秋に参入しミラーレスで欧米シェア1位を奪取したニコンと並び、投入初年度でいきなり黒字を確保できる見通しだという。
販売台数がキヤノンに次いで2位のソニーは12年3月期にタイの洪水影響で収益が悪化。
今期は高価格のミラーレスなどの品ぞろえを強化する方針だという。
だがコンパクトタイプが年間販売台数(2200万台前後)の9割以上を占めるだけに、価格下落の影響が懸念されるという。
リコーやオリンパスなども巻き返しを狙うが、人員削減や工場再編などのリストラ段階にあり販売面で真っ向勝負できる態勢は整っていないらしい。
というわけで、カメラ業界は、好採算の一眼レフが引き続き好調なキヤノンとニコンによる2強の世界シェア計7-8割という高い壁を破るのは、簡単ではない状態なのだ。
日経によると、今のところ一眼レフ並みのコンパクトで稼ぐという、他社にない新機軸を打ち出して成果を上げている富士フイルムだけがこの2強の牙城を突き崩す可能性を秘めているという。
そうかなあ・・突き崩すのはいくらなんでも無理だろう。(笑)
ソニーという強敵を相手に、3位の地位を固めるのがやっとではないだろうか?