【ニューヨーク=伴百江】米国で株式の電子取引専門の私設取引所を運営するBATSグローバル・マーケッツが23日、システム障害に見舞われた。同社は株式の新規公開(IPO)を同日に予定していたが値が付かず中止に追い込まれ、アップル株が急落する余波が広がった。
この日、一部米紙が「米証券取引委員会(SEC)が高速取引の不正についてBATSなどの調査に乗り出した」と伝えた。同社株に投資家の売り注文が殺到したのがトラブルの引き金となったとみられている。
余波をかぶったのはアップル株。米メディアなどによるとBATSの取引システムでアップル株は600ドル前後の水準から一時、542.80ドルまで急落。BATSは「証券コードがAからBF台までの銘柄でシステム障害が発生した」と発表、入力ミスの可能性がとりざたされた。
アップルが上場するナスダックは値動きが「明らかな誤り」としてサーキットブレーカーを発動、取引を一時停止した。アップル株はまもなく売買を再開し、急落前の水準にほぼ戻した。
BATSは投資家の高速電子取引に対応した最先端のシステムと売買手数料の安さを売り物に急成長。現在では米国の現物株の売買の1割強を手掛ける。2月下旬にIPOの目論見書でSECから高速取引専門のトレーディング会社との関係について情報提供を要請されたことを明らかにしていた。不正疑惑やIPOの見送りは、同社に打撃となりそうだ。
日経WEB より
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