ある出版社の編集の方に直接伺った話では、出版不況はとどまるところを知らず、依然ジリジリと右下がりのトレンドを描いているそうです。
今日は活字離れの原因はどこにあるのか?という考察であります。
もちろん、独断と偏見での方向からの検証です。^^
ただし、裏づけは取っていないので、そのつもりで読んでください。
本というのはどのような効用があるのででしょうか?
大きく分けると3つに分類できると思います。
まず第一に、小説も含まれますが、本を通じてさまざまなことを「知る」ことができます。
フィクションであっても、本の中では現実にはない世界に出会い、今まで知らなかった世界を「知る」ことが可能になります。
二番目に「考える」ための手立てを入手するために、本は大いに役立ちます。
その世界のトップクラスの人の考え方を、活字を通して触れることができるのは、本の持つ大きな魅力ではないでしょうか。
そして3つ目は「調べる」ためのものです。
最近ではネット+パソコンがこの分野に進出してきていますが、信頼性の高い情報は「本」で確認するという押さえとして、一般的にはまだまだ有用なのです。
自分の考え方を高めたり、その世界をより広くするために、我々は対価を払い本を購入するのですが、こうした行為は、どの仕事の分野でも共通して役立つことに変わりはありません。
この役立てる方法を分析すると、3つの過程が必要になります。
トレードを例に挙げると、まず第一に過去のパターンという事例をまず調べる必要があります。
次にリスクと利益を天秤にかけて分類します。
そして3番目に大事なことは、はその分類されたパターンに優先順位をつけておき、必要なときにいつでも最適のものを選択できるようにするという作業です。
つまり勝てるトレード方法を知りそれを実行するためには、こうした3つのプロセスを経た思考パターンがまず必要になります。
ですがトレードの世界では、こうした情報は、本ではなく、すべてネットを使ってダイレクトにそのソースを入手できるのです。
というよりも、本ではそれは不可能だからです。
もちろんそれを実行するには、実際のマーケットでの一定の訓練という、経験もまた大きな比重を占めます。
こうした過程で、儲かる方法という「答え」を記録しておくためには、書くという作業が必要になります。
セミナーでは話すという方法で、第三者に広く問いかけ、真摯に取り組んだ第三者による検証の結果をも知ることができます。
このように、インプットした情報をもとに考えた結果は「書く」か「話す」かという手段でアウトプットすることで、効率よくその結果を確実なものにできるのです。
では「書く」と「話す」の大きな違いというのは何でしょうか?
「書く」という手段においては、それを読む側にとって「理解する速度」を自分で調節できるという大きなメリットがあります。
「話す」という手段は、録音をしておかないと、次々と流れ消え去ってしまうため、必ず「書く」という手段と併用する必要があるのです。
こうして考えると、「書くチカラ」というのは非常に大事だということになります。
言い換えると、書くチカラが低下すると、読む必要性が減り、結果として読むチカラも低下するのです。
これは活字離れとは決して無関係ではないと睨んでいます。
ということでここでいきなり独断と偏見をカマシますが、活字離れは「インプットをしても、アウトプットができない人が増えてきている」という原因が少なからず影響しているのではないでしょうか。
トレードの場合を例に挙げると、結果がすぐに検証できるため、とても明白な事実として、断言できるのですが、トレードの本を読んで、勝てる方法を知識として頭の中に残せても、それを実行して「実」が収穫できるかどうかは全く別問題なのです。
多くの人は、読んだだけで実行できたものと錯覚をしてしまいがちです。
知識を得て「目から鱗が落ちた感動」だけで満足をしてしまい、その知識をもとにして収穫をするには、その後の「実行のための訓練」が必要で、また非常に重要だということに気がつかない、あるいはおろそかにしてしまう人は意外と多いのです。
これは普通の仕事では、実感として知ることが、なかなかできない部分かもしれません。
トレードという仕事では、これをダイレクトに訓練し、その結果を数字として確実にフィードバックすることができるという大きなメリットがあります。
頭でっかちで、実行力がないと、いくら素晴らしい本を読んでも、それは知識として埋もれてしまい、次から次へと詰め込まれる知識に埋もれてしまい、やがて忘れられてしまうのです。
そのため、本の魅力を生かしきれず、結局はだんだん本を読まなくなる、あるいは受け取り方がぞんざいになってゆく、という悪循環が生まれつつあるのかもしれません。
こうした理由もあって、トレードの仕事をするようになってからは、いわゆるノウハウ本は全く読まなくなりました。
基本的なことに限れば、今やすべてネットから得ることができるのです。
難しいいことをやる前に、基本的なことさえ身につけておけば、ほとんどのケースで困ることはないはずなのではないでしょうか。
基本を身につけるという努力をおろそかにして、ダメなのは情報が不足しているのだと考えてしまうのです。
自分の知らない世界を知りたいときだけは、その世界についての本は読みますが、それも年とともに減ってきている気がします。
新しい世界へチャレンジをするというモチベーションの強弱は、体力の減少と共に、残された時間がだんだんと少なくなってくることと、関係があるのではないかと思います。
つまり自分にとって何が大事なのかという選択は、残り時間の少なさに比例して、シビアにならざるをえないからです。
ということで、最近読むのはクルマ関係、それも主に月刊誌ばかりで、それ以外の本は立ち読みで十分にコトが足りてしまうのです。
って出版不況の原因はオレ? (笑)