よく 「JBL サウンド」などいう言い方をするが、これは音に一貫した独特のフレーバーがあり、他のスピーカーと聞き比べるとわかる レベルのある種独特のバランスを持っていると言い換えることができるだろう。
面白いことに、これはあらゆるものに共通していることのようで、たとえば「人」の場合、大げさで大雑把な物言いになるが、精神と肉体のバランス をとって生きていることになる。
さらにそこから細かく分けると、精神というのはいわゆる脳のバランス、具体的にはたとえば、右脳と左脳のバランスで成り立っているという考え方もできるだろう。
ちょっと乱暴に区分すると、我々は右脳寄りのタイプと左脳が勝っているタイプの二つに分けることができる。
左右両脳の機能や役割の研究は、それほど歴史があるわけでは なく、1981年にアメリカのスペリー博士がノーベル賞を受賞したのを契機に、まだ研究が始まったばかりだ。
まだまだ脳の働きのすべてが解明されているわけではないが、それでも、左右の脳には、はっきりとした役割の違いがあって、現時点では脳の3%しか使われていない、などといったことがわかってきている。
その3%の内訳はというと、そのほとんどが左脳の働きによるものだという。
つまり残りの97%の脳をどのようにすれば働かせることができるのか?という観点から、ノウハウの模索などが積極的に行われているというわけだ。
では、左と右の脳の一番大きな違いは何だろうか?
左脳は言語と論理をつかさどる顕在意識脳で、一方の右脳はイメージで認識する潜在意識脳だという点だ。
左脳は、論理的に分析や判断をする脳のため、じっくりと計算し記憶することに向いているのだが、記憶容量が小さいため、短期の記憶は得意な反面、どんどん忘れてゆくという特性を持っている。
わかりやすく言えば、左脳はいわゆる「読み書きソロバン」を行う部分で、日本の学校教育はこの部分を重要視してきたわけだ。
一方右脳は、言語で認識するのではなくイメージで瞬間的に記憶認識するため、記憶も計算も大量かつ高速で行うことができる。
要するに、写真を撮るように一瞬にイメージで記憶してしまうわけだ。
いいかえれば、見たり聴いたり体験するなどの印象が、鮮やかで強烈であればあるほど、右脳はイメージの記憶として長く潜在意識内に保存することができるというわけだ。
そして、必要な時には瞬時に記憶を蘇らせ、ひらめきや直感力を引き出すことができるのだ。
左脳が未発達な幼児は右脳のイメージ記憶だけを使って、母国語をマスターするという。
その後徐々に発達する左脳によって、少しずつ論理的に言語を認識するようになるのだが、そのために小学生以上になると、ほぼ完全に左脳優先の生活パターンが定着し、右脳学習はむしろ苦手な作業になってゆくわけだ。
大脳の左半球と右半球をつなぐ「脳梁」は、中に2億本もの神経繊維が左右をつないでいるので白く見えるのだがこの「脳梁」の大きさは、男より女のほうが20パーセントほど広い。
とりわけ脳の後方の、五感情報が飛び交う部分が膨らんでいるのだという。
女性の感性の良さ、まろやかな、コーディネートの巧みさは、こうした天性の「脳梁」の形態差によるものだと考えられている 。
一方で右脳は、無意識的に直感するところで、「読み書きソロバン」では表現できない、生命の尊さ、自然への畏敬、人へのやさしさ、などといった部分を演出してくれるところで もある。
この左脳と右脳を巧みに使い分けられるのは男性よりむしろ女性。
物事を処理するのに男はもっぱら左脳を使うのに対して、女は左脳と右脳をバランスよく使うことができるのだ。
つまり女性の鋭い観察力は、こういった脳の働きの影響が大きいと考えられている。
右脳が人へのやさしさを演出してくれるといってもいいだろう。
人付き合いがうまいというのは、人を許せるということだ - ロバート・フロスト
男性は基本的に言語を左脳だけで処理するので、論理的に考えながら話をする傾向があり、女性は同時に右脳を使うので言語に情緒的、直感的 にコミュニケーションをとるというわけだ。
その結果、論理的だけれど単純な男の言葉より、情緒的でありながら明確な言葉を女性は使うことになる。
つまり脳の構造上からいえば、女性の言語能力のほうが男性よりうんと優れているということになる。
言葉を人とのコミュニケーションするために使う女たちに対し、男たちがいくら口で対抗してもかなうわけがない、というのは納得できる話ではないだろうか。
以上の点から、特に男性は右脳を活性化させることが、非常に重要だということが言えるだろう。
とくに女性とのコミュニケーションでは、右脳を使うというのが大きなポイントになるのではないだろうか?
男がどんな理屈を並べても、女の涙一滴にはかなわない - ボルテール
以上の点から脳を活性化するには、右脳を働かせるようにすればいいということになるだろう。
では右脳を効果的に働かせるためにはどうすればいいのだろうか?
右脳は耳から送られる刺激によって開かれるのだと考えられている。
つまり右脳の窓口である耳を刺激してやると、眠っていた右脳は再び活動をスタートさせることができるわけで、耳というは右脳の窓口だといえるのだ。
耳に聞こえる周波音、とりわけ高周波音(人間の可聴帯域)は脳に必要な脳内エネルギーを生み出し、脳を活性化させることができるのだという。
波長の合う音楽のから感じる心地よさや、病み付き度の高さ?もこうした点から考えると、なるほどと思える部分が多い。
音楽の伝達という点から見ると、空気を振動させて伝える気導音よりも、自分自身の骨を振動させて伝える体内振動音のほうが、より高周波を伝えることができる。
つまりこの骨導音をうまく利用すると、自分の脳をさらに活性化させることができるということになる。
実験によると、片耳を手でふさいで声を出した り、両手を左右の耳の後ろにあて、自分の声がよく聴こえるようて声を出すと記憶力を高めることができるという。
また、タイル張りの浴室や反響の良い狭い部屋で大声を出し ながら勉強すると、より効果的だということもわかっている。
このことからも話す時には、歌手のように声を響かせ、できるだけ骨を振動させることによって、脳に対して非常にいい効果が生まれるだろうということは、容易に想像できるだろう。
よく通る快い声というのは、人の心によく響き、また自分の脳にもよい影響を与えることができるというわけだ。
君が考えること、語ること、すること、その3つが調和しているとき、そのときこそ幸福はきみのものだ - マハトマ・ガンジー