2012年03月10日 のCoolに過ごそう
世界侵略:ロサンゼルス決戦 原題:Battle: Los Angeles
フェイク・ドキュメンタリー映画の要素が含まれているだけあってリアルな映像で構成されている。
最初は、イマイチかなという、ちょっとばかりイライラする感じだが、だんだん良くなる法華の太鼓。(笑)
これは確信犯的にそういう作りになっていることが、見終わってからわかるという仕掛け。
映画の詳細はこちら。
7千万ドル(56億円)の制作費をかけた作品で、興行収入は2億1千万ドル(160億円)と、なかなかの成績。
戦闘シーンなどの見所は「ハイドラックス(Hydraulx)」と呼ばれる視覚効果チームが担当している。
この視覚効果は、300(スリーハンドレッド)やX-MENファイナル ディシジョン、ファンタスティック・フォー、ターミネーター3、デイ・アフター・トゥモローなどの大作で使われているだけあって、よくできている。
この映画の良い点は、メインの海兵隊員たちの人間関係や、心理的葛藤の部分が、端折らず丁寧に描かれているという部分ではないだろうか。
この手の日本映画に最も欠けている部分でもあるわけだ。
登場人物の背景をしっかりと描くことで、、観客側はその心情に同化することになり、戦闘シーンで「やられるなよ!」という気分にさせられるというわけだ。
このあたりは、実にソツなく作られている。
ストーリーはエイリアンの圧倒的無敵な兵器に対し、アメリカ軍はマシンガンや爆薬といった通常兵器で対抗するという「勝目の薄い」状況のもと、民間人を救出するという大義名分で戦うという設定。
ドロ臭い地上戦のため、全員が這いずりまわって戦うことになり、それが原因で多少イライラさせられるわけだ。
ここでヘリが来たらなあ・・とか戦闘機で援護爆撃してくれたら・・などと頭に浮かんでも、アメリカ軍が制空権を徐々に失ってゆくという要素が巧みに交ぜられているため、見ている側もだんだん追い詰められる心理状態になってゆく。
そのため、ますます目が離せなくなるという、なかなかよく考えられた作戦だ。(笑)
とにかく飽きかけた頃に、ちょうどよいタイミングで金のかかったバトルシーンを挟むという、緻密な作りのため、だんだん目が離せなくなってゆくという寸法。
そういう意味では、2時間弱をしっかり楽しませてくれる戦争モノ映画だ。
しかしよく考えると、見終わってとこの手の満足感を味わえるアメリカ人に対し、我々日本人には、こういう映画がないんだよなあ。
擬似アメリカ人になったつもりでしか楽しめない我々は、果たして幸せなのか、それとも不幸なのか?
と、見終わったあとで、しばし考えさせられる映画だった。(笑)
2011年アメリカ映画
1時間56分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリス・バートリニー
出演:アーロン・エッカート ミシェル・ロドリゲス ラモン・ロドリゲス ブリジット・モイナハン