2012年02月19日 のCoolに過ごそう

妄想で拡大する不信と不安

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信頼と安心を保証しているものに、ルイビトンなどに代表されるいわゆる「ブランド」があります。

ブランドとは、評判がよく名声を勝ち得たもののことですね。

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ですから日本の会社は、今までは仕事の世界での、ブランド品だったといっていいでしょう。

「前よりも今の方が良くなる生活」を一生懸命にさえ働けば保障してくれていたからです。

 


ところが、今の日本は、会社というシステムが崩壊し始めています。

良い評判を得る、つまり信頼を勝ち取るには時間が必要ですが、日本ハムや雪印の不祥事でわかるように失うのは一瞬です。

ですから既に安定した職というものは、今のように価値観が多様で、変化の早い時代では、「なくなっている」と考えた方がいいでしょう。

ですから、ご自分で少しでも「価値感がないのでは?」と感じていらっしゃるのなら、情熱を持てなくなり、その職業で成功することは無理でしょう。

 

いま日本で起きている「消費不況」は、モノが溢れているのに、そして未だ購買力もあるはずなのに、消費が落ち込んでいるという現象です。

ですが、あらゆる分野で消費が落ち込んでいるわけではありません。


「女性や子供に関する分野」の消費はそれほど冷え込んではいません。

ある技術を身につけるためには、まず「目利きになる」必要があります。

「ショッピングに関して目利きなりたい人たち」にとっては、簡単に見分けることができるブランド品を選択します。

「目利きになった証として求めたブランド品」の性能がよければ、それが自分の「目利き度」の証のように感じられるからです。

ブランド品がはもてはやされ、女性が自腹を切ってまで、高いブランド品を購入するのは「自分への目利き」に対するこだわりなのです。


 
これだけブランド品もどきが多いと高い選択眼が必要になります。

ですが、あらゆるものを自力で目利きをしながら決めようとしたり、実際に買って比較をしようとすれば、いくらお金があっても足りません。

他のことをする時間がなくなってしまいます。

ですが、ブランドさえ知っていれば、こうした問題は一挙に解決するわけです。

ポルシェやティファニーなどに代表される高級ブランドの魅力は、速い・壊れない・軽いなどといった性能の良さです。

それを実現するためには、それなりに高価になります。

ですが高いものであっても、ブランド品がどんどん売れるのは、「目利きになった証として購入するからなのです。

ですが「男ども」は一般に、こうしたものには、目が利きません。

そのため「ブランド品」を誤解したり敬遠することになるわけです。
 


膨大な貯蓄高を誇る日本での消費の落ち込みの最大要因は「不安」です。

世界最高の生命保険加入率と貯蓄残高、おまけに高い持ち家比率を支えているのは、日本人の将来に対する「不安感」からです。

具体的な不安ではなく、妄想で拡大する不信と不安です。

ですが、冷静に考えれば、そもそも、あらゆるリスクに対処することなど不可能なのです。


「心の余裕」のために必要な小遣いなどが最低額になるのは、日本では男女ともに「40代」です。

十分な社会経験を経て、自分に最も贅沢な行為である投資が大事だということがわかっている40代に、何故自分への投資ができないのでしょうか?

 

それは「子どもの教育」と「家のローン」があるからです。

なぜそうするのかと言えば、またしても「不安」からなのです。

このように、将来に対する見えない不安は、いつも底なし沼でキリがなく、子供に教育費をかけて、家を購入したとしても、消えるものではありません。

「男ども」にとっては「前よりも今の方が良くなる生活」を実現するための手段は、「モノ」ではなく、自分への投資や教育なのです。

不安を蹴散らす最良の処方箋は、リスクとゲインに関する「目利き」になるための技を身につけることです。


 
リスクとゲインを真剣に考えたことのない人は、ギャンブルに走ります。

何もラスベガスのゲームだけがギャンブルではありません。

若死にするだろうという確率に賭ける生命保険もギャンブル。

現在の生活を犠牲にする貯蓄も、見方を変えればギャンブルなのです。

将来の保証がない子どもへの過剰な教育投資は最も典型的なギャンブル形の発想から生まれます。

こうしたリスクを下げることができるのは唯一、「自分への投資」なのではないでしょうか?

 

Audi A4 Avant

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無駄な光り物を一切排除したアウディA4アバント。

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光り物は A4 というバッジのみという潔さ。

1972年デビューの「アウディ80」を祖とし、7代目へと進化した「A4」

2005年くらいにデビューした、いわゆるマイナーチェンジ版

 

A4アバント(アウディ) 2.0 平成17年(2005年) だと160万円前後から

 

Audi A4 Sedan 2.0TFSI quattro(2006年モデル)

 

Audi A4 1.8 TFSI (2008年式) 315万円(消費税込み)

ヤレ感がなく、むしろ当たりが付いた分、全体にスムーズ。
静粛性も高い。また乗り心地にもドイツ車にありがちな硬さはまったくなし。
総じて日常的な領域では、まったくケチの付けようがないクルマ。

レクサスの勘違い

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東灘に「あんかけうどん」がメインの饂飩屋があるのだが、道路を挟んだ真向かいに、レクサスの東住吉店が位置している。

窓際に座るたびに、イヤでもレクサスの店が目に入るのだが、店内に客の姿を見ることはほとんどない。

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大丈夫なのか?(笑)

 

と余計なお世話を焼きたくなるわけだが、クルマ好きの間で、レクサス車のハナシが話題に登ることはまずない。

なぜか?
 

アメリカでレクサスが成功したのは、日本のハイテク技術による静粛性と振動の少なさを売り物にした高品質を、ドイツ勢より割安で売ったからだ。

さらにアメリカでレクサスを買う層というのは、当時ウオール街の金融マンなどのユダヤ系が多かった。

彼らは本質的にドイツ車は好まない。なぜなら旧ドイツ軍に全面協力したメルセデスやBMWには拒否反応を示すからだ。

 

だからといって、ジャガーのようなイギリスの貴族趣味には興味を持たない連中なのだ。

こうしたニッチな隙間へ、時代という追い風を背に受け、レクサスは運良く「ハマッた」のだ。

機能と価格のバランスの合理的判断という価値観が、非常に高いアメリカだからこそ売れ、成功したのだった。

 

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その余勢を駆って、日本でもレクサスブランドを始めたわけだが、何よりもタマがないのが痛かった。

トヨタで売っている車種のバッジをレクサスに付け替えただけで、高く売ると言うやり方を見て、クルマ好きはそっぽを向いてしまった。

最近でこそ、トヨタにはないレクサスLS600という最高ブランドの車種を出すようになったが、時すでに遅し。

 

セルシオや法人の客が流れただけで、ドイツ御三家のシェアを崩すことはできなかったのだ。

エッジの立たないデザインや、蘊蓄やブランドの歴史のないレクサスブランドは、欧州や日本で売れないことは、トヨタ自身もよく知っていたのだろう。

ディーラーの「ホスピタリティのよさを謳う」ことを売り物にしたわけだが、壊れない日本車ゆえ購入後、それほど頻繁にディーラーへ出向く機会はないわけだ。

 

おまけに日本で「レクサス=トヨタの高級車」と打ち出したところで、トヨタなのだから高品質は当たり前。

「おもてなし」を売り物にするのはヤナセの方が一枚上なのだから、トヨタの社員を教育するのではなく、ヤナセの腕利きセールスをヘッドハンティングすべきだったのだ。

ドイツ御三家を買う富裕層やクルマ好きは、リーズナブルな値段よりも、官能的なエンジンフィールとかシビれるデザイン、ドライビングプレジャーという特別なものに惹かれるのだ。

  

   

ブランドに疎いトヨタはネーミングでも大きな失敗を犯している。

ドイツ御三家はグレードがわかりやすいネーミングで車種を構成している。

高いのを買う層は、一度買った車は簡単にグレードダウンできないのだ。

 

そのためベンツはS、E、Cクラス、BMWは7、5、3、1シリーズがあり、一発で車のグレードがわかるようになっている。

  

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だがレクサスのグレードを聞いてもほとんどの人は、どれが上かはわからないだろう。

下は現行のレクサスシリーズの一例だが、それぞれの車の顔がパッと浮かぶだろうか?

レクサスGS ・ IS250 ・ RX270 ・ CT200 ・ HS250 ・ RX350 ・ RX450 ・ LS460  

 

各系列ディーラーに兄弟車を展開させていた経緯もあって、スターレット>カローラ>コロナ>クラウンというネーミングでのグレードアップは知っていても、いまだにこうした心理にアタマがついて行っていないのだ。

アメリカでは「レクサスに乗っている」だけで巧く事が運んだため、今でも「レクサス内のグレード」は曖昧なまま。

トヨタのように大衆車から上級車へ上がってきたメーカーと、ドイツ御三家のように高級車イメージを利用して小型・低価格車へ降りてきたメーカーでは、車種構成の考え方ひとつにおいてさえ、こうも違うのだ。

 

トヨタ本社のレクサス担当はたぶん「アメリカで成功したのだから、日本で成功しないはずはない。 日本人は賢いから、いいものはいいとわかって必ず買うはず」と本気で思っているのかも知れない。

東北や山陰の田舎と六本木や麻布とでは価値観が違うように、金持ちの「見せびらかしたい」という心理は、日本人とアメリカ人では違うのだ。

  

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 IS-F

 

不思議なのは、ハイブリッドという新しい価値観を持つ高い値付けができるクルマを、何故トヨタブランドで売るのかということ。

プリウスあるいはその高級版を、まずレクサスで売るべきだったと思う。

私ならそうする。

   

 

ホンダも、アキュラブランドでハイブリッドを高級車種として売り出し、高い利益を生み出すべきなのだ。

日産だってインフィニティーがあるではないか。

ポルシェ、メルセデス、BMWともに、ハイブリッドは高い車種の最高クラスとして位置づけているのを見れば、わかりそうなものなのだが。

 

カタチが目に見えないシステム作りは全くダメな日本人という図式が、ブランドの確立という場でも再び展開されているようだ。

 

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