信頼と安心を保証しているものに、ルイビトンなどに代表されるいわゆる「ブランド」があります。
ブランドとは、評判がよく名声を勝ち得たもののことですね。
ですから日本の会社は、今までは仕事の世界での、ブランド品だったといっていいでしょう。
「前よりも今の方が良くなる生活」を一生懸命にさえ働けば保障してくれていたからです。
ところが、今の日本は、会社というシステムが崩壊し始めています。
良い評判を得る、つまり信頼を勝ち取るには時間が必要ですが、日本ハムや雪印の不祥事でわかるように失うのは一瞬です。
ですから既に安定した職というものは、今のように価値観が多様で、変化の早い時代では、「なくなっている」と考えた方がいいでしょう。
ですから、ご自分で少しでも「価値感がないのでは?」と感じていらっしゃるのなら、情熱を持てなくなり、その職業で成功することは無理でしょう。
いま日本で起きている「消費不況」は、モノが溢れているのに、そして未だ購買力もあるはずなのに、消費が落ち込んでいるという現象です。
ですが、あらゆる分野で消費が落ち込んでいるわけではありません。
「女性や子供に関する分野」の消費はそれほど冷え込んではいません。
ある技術を身につけるためには、まず「目利きになる」必要があります。
「ショッピングに関して目利きなりたい人たち」にとっては、簡単に見分けることができるブランド品を選択します。
「目利きになった証として求めたブランド品」の性能がよければ、それが自分の「目利き度」の証のように感じられるからです。
ブランド品がはもてはやされ、女性が自腹を切ってまで、高いブランド品を購入するのは「自分への目利き」に対するこだわりなのです。
これだけブランド品もどきが多いと高い選択眼が必要になります。
ですが、あらゆるものを自力で目利きをしながら決めようとしたり、実際に買って比較をしようとすれば、いくらお金があっても足りません。
他のことをする時間がなくなってしまいます。
ですが、ブランドさえ知っていれば、こうした問題は一挙に解決するわけです。
ポルシェやティファニーなどに代表される高級ブランドの魅力は、速い・壊れない・軽いなどといった性能の良さです。
それを実現するためには、それなりに高価になります。
ですが高いものであっても、ブランド品がどんどん売れるのは、「目利きになった証として購入するからなのです。
ですが「男ども」は一般に、こうしたものには、目が利きません。
そのため「ブランド品」を誤解したり敬遠することになるわけです。
膨大な貯蓄高を誇る日本での消費の落ち込みの最大要因は「不安」です。
世界最高の生命保険加入率と貯蓄残高、おまけに高い持ち家比率を支えているのは、日本人の将来に対する「不安感」からです。
具体的な不安ではなく、妄想で拡大する不信と不安です。
ですが、冷静に考えれば、そもそも、あらゆるリスクに対処することなど不可能なのです。
「心の余裕」のために必要な小遣いなどが最低額になるのは、日本では男女ともに「40代」です。
十分な社会経験を経て、自分に最も贅沢な行為である投資が大事だということがわかっている40代に、何故自分への投資ができないのでしょうか?
それは「子どもの教育」と「家のローン」があるからです。
なぜそうするのかと言えば、またしても「不安」からなのです。
このように、将来に対する見えない不安は、いつも底なし沼でキリがなく、子供に教育費をかけて、家を購入したとしても、消えるものではありません。
「男ども」にとっては「前よりも今の方が良くなる生活」を実現するための手段は、「モノ」ではなく、自分への投資や教育なのです。
不安を蹴散らす最良の処方箋は、リスクとゲインに関する「目利き」になるための技を身につけることです。
リスクとゲインを真剣に考えたことのない人は、ギャンブルに走ります。
何もラスベガスのゲームだけがギャンブルではありません。
若死にするだろうという確率に賭ける生命保険もギャンブル。
現在の生活を犠牲にする貯蓄も、見方を変えればギャンブルなのです。
将来の保証がない子どもへの過剰な教育投資は最も典型的なギャンブル形の発想から生まれます。
こうしたリスクを下げることができるのは唯一、「自分への投資」なのではないでしょうか?