視線

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自分のことは、意外にわからないものだ。

という言い方に語弊があるのなら、こう言い換えてはどうだろう。

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自分を客観視することは、意外に難しいもの。

 

日本の貿易収支は31年ぶりに赤字へ転落。

我々は、この事実から何を学ぶべきなのか?

今まで、日本人による巨額の貯蓄は膨れ上がる債務の穴埋めに利用されてきた。

だがこれからは貿易赤字対策にも使われるかもしれないのだ。

 

これは決して良いニュースではない。

どちらかといえば不吉な兆候だといっていいだろう。

日本政府が早急に手を打つべき問題は少なくない。

 

膨大な債務・低過ぎる成長・多過ぎる高齢者・少な過ぎる新生児。

だが失われた数十年の経済はは未だに回復せず、経済を衰退させる膨大な負債。

永久に続くゼロ金利、混乱した金融運営、国民を支配する刹那的な諦めの感情。

  

一方で世界に誇る点も少なくない。

信じられないほど安全で清潔で、しかも効率的に確実な平等を実現した社会。

生活水準は世界最高水準のうえ、平均寿命も世界一。

整ったインフラと、世界一の日本料理。

 

犯罪は急増することなく、ホームレスが街にあふれることはない。

アラブのような社会の不安定化は決して起こらなない。

一方で勤労者と企業はただ適応するだけ。

貯蓄で食いつなぎ「どうにかやっていく」という概念に全く新しい意味を与えた日本。(笑)
 

 

1990年の資産バブル破裂以来、政策当局者らは生きながらえるだけのためにエネルギーを使い果たしてきた。

日本経済はゾンビのような基本戦略で、日本の成長は世界最大の政府の借金と中央銀行が供給するコストゼロのマネーだけ。

活力そのものではなく、ステロイドの大量投与で保っている日本経済。

 

 

本当に必要なのは大規模な規制緩和や女性労働力の活用、移民の受け入れなどだが、変化を嫌う風潮は依然として根強い。

オリンパスの不祥事で明らかになったいまだに生き残っている仲間内の関係に守られた縁故主義。

福島第一原発事故での東京電力の対応は世界経済の常識から外れた日本の危険な上意下達ぶりを露呈。

放射能レベルなど政府や大企業が好まない質問をする記者を排除する風潮が蔓延。

借りてきた猫のようにおとなしい弱腰のジャーナリズム。

 

外なる視線は日本の「アキレス腱」を的確に見据えている。

我々はこのことを決して忘れてはならない。

 

 

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