将棋のプロ棋士とコンピューターソフトが戦う「第1回電王戦」(ドワンゴ、中央公論新社など主催)が14日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、米長邦雄元名人(68)が将棋ソフト「ボンクラーズ」に敗れた。
公式の対局でプロ棋士がソフトに敗れたのは初めて。
元名人は2003年に引退した永世棋聖の称号も持つ元トッププロ。
ボンクラーズは昨年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝。毎秒最大1800万手を読むという。
対局は、後手の元名人が2手目△6二玉という前例のほとんどない手で力戦に誘導。
序盤は互いに手を出しにくい状況が続いたが、ボンクラーズが隙をついて攻め始め、そのまま113手で押し切ったという。
持ち時間は一部の公式戦と同じ各3時間。対局はニコニコ生放送で中継された。
米長将棋連盟連盟会長の現役時代は、粘っこい指し回しで「泥沼流」と呼ばれたというが、68歳の彼は、あえて前例の少ない手から始めることで、コンピューターの思考回路を混乱させようとしたようだ。
セオリーにはない指し方による奇襲戦法は成功し、序盤は優勢に展開したが、正確かつ冷静なコンピューターの受けを攻め切れず次第に劣勢に。
逆に攻め込まれてからの終盤は一方的な展開となり、対極後米長将棋連盟連盟会長は「万里の長城を築いたが、穴が開いて攻め込まれてしまった。私が弱かった」と語った。
コンピューターの実力を「大山康晴と指した感じです」と評している。
◆ボンクラーズ 東京都の会社員・伊藤英紀さんが開発した将棋ソフト。1秒間に1800万手を読む。昨年5月の第21回世界コンピュータ将棋選手権で優勝した。2007年に渡辺明竜王を追いつめた「ボナンザ」を基礎とした複数のコンピューターを並列につないだもの。名前は「ボナンザ」と「房」を意味する「クラスター」から。トップ棋士と同等の棋力があるとされる。
◆米長 邦雄(よねなが・くにお)1943年6月10日、山梨県生まれ。68歳。63年、棋士に。「泥沼流」と呼ばれる棋風で活躍し、73年には初タイトルとなる棋聖を獲得。93年、史上最年長の49歳11か月で名人に。2003年引退。05年に日本将棋連盟会長に。通算タイトル獲得期数19は歴代5位。永世棋聖。
ネットで探してみると、週刊新潮の平成24年1月19日号に、関連した記事が掲載されている。
米長会長はいわゆる将棋連盟の暴君。
その愛弟子の常務理事も逃げ出した。
という内容だ。
米長邦雄・永世棋聖(68)は05年以来、ワンマン会長として将棋連盟に君臨。
その愛弟子で、常務理事として「暴君」に仕えて来た中川大輔八段が、昨年末、連盟から逃げ出すように突然辞任したという。
辞任理由は、師匠とはいえ「これ以上ついていけない」というもの。(笑)
あるプロ棋士の言によると、中川大輔八段は彼は07年に理事に就任したが性格は古武士のように一本気だったという。
米長将棋連盟会長は、連盟から独立した日本女子プロ将棋連盟(LPSA)に対する異様な嫌がらせの先棒を、「米長のポチ」と呼ばれるほど師に忠実に従ってきた中川大輔八段に担がせてきたのだという。
禍根はそれだけではなく、連盟では近年携帯サイト「日本将棋連盟モバイル」開設など電子事業を積極的に推進、それを巡って執行部への疑念・批判が渦巻いていたらしい。
将棋界の有名ブロガー「寅金」さんこと茂山俊一氏によると、数年前、米長将棋連盟会長とサクセスという会社が将棋ソフトの著作権侵害で訴えられ、結局、謝罪して800万円を支払うことになったという。
米長会長は全額をサクセス社に支払わせたが、その後が問題で、連盟が携帯サイトの立上を3000万円というかなりの高額で発注した先がこのサクセス社。
しかも米長会長は息子をサクセス関連の仕事に就かせ、疑惑は棋士総会でも追及されたが、その矢面に立たされたのが中川理事で、こうした疑惑や不満に晒され続けていたのだという。
今回の対局ではドワンゴ社から1000万円が支払われるというが、連盟は設営費などを含む金額で米長会長に渡る対局料が1000万円というわけではないと説明している。