原発事故への日本政府の対応には「思いやり」という暖かさが感じられない、と思うのは私だけだろうか?
困っている人を助けたいという「思いやり」は、精神的な支えとなり、やがて本人のやる気を奮い立たせるチカラとなるのにだ。
自殺率の国際比較(2011年) を見ると、日本はいわゆる先進国・経済大国の中では群を抜いて高い自殺率となっている。
日本人は年間約3万人が自らの命を絶っているのだ。
自殺率の高さは、リトアニア、韓国、ロシア、ベラルーシ、ガイアナ、カザフスタン、ハンガリーに次ぐ世界第8位。
国内の混乱が続く体制移行中の国と同じように高い日本の自殺率は、異常な値だといっていいだろう。
現在も日本の自殺者数は史上最多を更新中なのだ。
では失業率と自殺者数は比例しているだろうのか?
失業者数と自殺者数の月次推移や自殺者数の年次推移を見ると、2003年から2007年にかけては景気が上向いている。
そのため失業者数は減少しているにもかかわらず、自殺者数はいっこうに減っていないことがわかる。
つまり自殺を減らすには、景気や貧困や長時間労働への対処だけでは、効果は上がりにくいことになる。
年齢別では、2004年以降は50歳代は減少。
一方で30歳代の若い世代と70歳代の高齢者が増加している。
2008年には30歳代が最大値を更新、高齢者は60歳代が増加している。
つまりリストラなどによる50歳代中心の構造から、若者の雇用や高齢者の社会保障不安に伴う年齢構造へと変化していることが伺える。
原因はどこにあるのだろうか?
自殺の直接の原因は、過労・失業・倒産・いじめなど。
自殺により名誉を守り責任を取るという考え方。
日本社会の仕組みが、失敗や破産から立ち直りにくい風潮を持っている。
明確に自殺を禁じているアブラハム系信仰と異なり、宗教面からも仏教や神道という日本の中心となる宗教は自殺に対して比較的中立的。
日本で車を運転していると、「譲ってくれる人」の少なさに愕然とすることがある。
それどころか、イケズの態度を露骨に示すドライバーが多く、呆れてしまう。
それほど急いで、一体どこへ行くのだろうか?
アメリカでは、合流しようとすると、必ず入れてくれるだけではなく、譲り合いでモタモタすることがあるほどなのにだ。
ちなみに米国の自殺率は日本の半分以下。
「頑張ろう東日本」などという言葉だけはやたら氾濫している日本。
たった一度の失敗を一生の恥などと思わせず、チャレンジする者を暖かく受け入れる優しさが、我々日本人には欠けているのではないだろうか。
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