SONY MDR-EX1000 のフィット感と遮音性がイマイチだったため、白羽の矢を立てたのがこれ。
SHURE SE535LTD-J 価格ドットコム価格 43,600円 ・ メーカー希望小売価格:オープン
一言でいえば、音楽的なまとまりのあるサウンド。
装着性が良好なことに加えて遮音性が非常に高い。
とにかく耳へのフィット感がナイスで、装着しやすいのだ。
ヘッドホン本体と、コードはEX1000のように固定されず、360度回転するようになっている。
そのため、装着がとても手早く、スムースにできる。
コードの長さがちょうどいい案配。
これも EX1000 と同じように、コードが交換できるようになっている。
遮音性は非常に高く、オフィスユースだと、電話がかかってきてもわからない。
といえば遮音性の高さが、おわかりいただけるはず。
耳の穴に当たる部分のイヤーピースが、収縮性の高い素材のため、とにかく耳の穴への密着度は最高。
通常はシリコン製だがこれは、耳栓と似た低反発素材が使われている。
イヤーピースが何種類か付属しているので、 EX1000へ流用しようとしたが、本体側の受けの太さが違うためダメだった。ORZ
屋外で使う頻度が高ければ、EX1000 よりこれがお勧め。
とにかく周囲が相当うるさくくてもOK。
この遮音性ならノイズキャンセリングのヘッドフォン替わりに使えるだろう。
大体においてノイズキャンセリングのヘッドフォンって、音楽を聴く場合、凄く違和感がある。
仕組み自体がマイクで集音した周囲の騒音をもとに、逆相の波形を生成して再生するわけだからね。
とにかく音楽を聴く用途としては、ノイズキャンセリング付ヘッドフォンは私の場合全くダメ。
耳が受け付けないようなのだ。(笑)
みんな気にならないのだろうか?
この写真からも、耳へのフィット性の高さが伺い知れるはず。
上の写真のようにコードが邪魔にならず、耳に掛けやすいよう、細工をしている。
アルミの細い針金を耳に沿ったカタチにしてコードに沿わせ、園芸用ビニールタイ(結束ヒモ)で巻いてフレキシブルに半固定。
同じボリューム位置だと EX1000 より圧倒的に音圧が高く、いわゆる能率がいいヘッドホンということになる。
曲によっては、録音年度が古く周波数レンジの狭いものもあるわけで、SURE はこうした曲を、いわゆる「音楽的」にまとめて聴かせてくれる。
だから録音の周波数レンジが狭くても気にならない。
一方で EX1000 は、最新の周波数レンジが広い録音ものと、古い録音との差が比較的モロに出やすいという、いわゆるスタジオモニター的な音作り。
とにかく、どんな曲であろうと、SURE流のスパイスを効かせ、魅力的に聴かせてくれる。
不思議なことに、それぞれの楽器の音色が実に良い音で鳴る。
特に女性ボーカルなどの、歌モノは際だって魅力的。
周波数レンジを欲張らず、音楽的なまとまりを重視する方向で、製品の「音決め」がされているようだ。
これに比べると、 EX1000 はとにかく、それぞれの帯域のレンジを伸ばそうとしているかのように聴こえる。
そのため音空間というか音場は広く開放的だ。
ただ、時としてそれが仇となり、曲によっては楽器がバラバラに鳴っているように聴こえることがある。
音楽の鳴る空間は SONY より SURE の方が明らかに狭く感じる。
楽器の音はバラけず、比較的狭い音場に集まるため、空間に散らばる音の密度が高く、まとまって聴こえるのかもしれない。
音の分解能、と解像度はSONYほどではないがかなり高いレベルのため、 EX1000 と比較試聴しない限り、音場の狭さは意外に気にならない。
音楽の鳴る空間の広さは、ほどほどにするかわりに、音色の魅力と「まとまり」具合を重視した方向性でまとめるというのは、なかなか巧いやり方だ。
太めの線で描く SURE に対し、細身の繊細なタッチの SONY。
アンプでいえば SURE はマッキントッシュ風の音で、 SONYは国産アンプ的サウンド。
どちらか一つを選べと言われたら、迷うことなく SURE だ。
「何だやっぱり値段相応なんだ」とツッコまれそうだが、悔しいことに、高いだけのことはあるのだから仕方ない。
この製品は、素晴らしい装着感に加え、室内屋外を問わず、あらゆるシーンで使える、高い遮音性と使い勝手のよさを兼ね備えている。
どんな曲であろうと、独特の味わいあるサウンドで聴き慣れた曲から感動を蘇らせ、音楽好きのあなたを虜にするはず。
決して安くはないが、お気に入りの曲を持参して試聴すれば、聴き慣れた曲が織りなす異次元の音空間と、独特のサウンドに聴き惚れ 値段など気にならなくなってしまうかもしれない。
ご注意あれ。
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