実トレードへの道

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トレーダーなら誰でも直面する問題について、ご質問をいただきました。

 

2009年12月基礎セミナーを受講させて頂いた**と申します。

今年8月より、実資金を使用してデイトレードを始めました。

しかし、デモトレードではそれなりの利益が出せるのに、実際の資金を投入してトレードをすると、どうしても緊張してしまい、エントリーのタイミングを逃してしまいます。

また、一つの銘柄へエントリーすると、他の銘柄へのエントリーどころではなくなり、複数銘柄の同時ホールドがなかなかできません。

当然のことながら、徐々に資金が減ってしまい、何度かマージンコールを受けてしまいました。

先生をはじめ、トレードチームのメンバーの皆さんは、実トレードの際の緊張をどのように乗り越えておられるのかお教え頂ければ幸いです。

何卒、よろしくお願いいたします。

 

私は若い頃、音楽を演奏する仕事をしていたことがあります。

練習だと全くストレスなしで演奏できるのに、聴衆を前にした本番になると間違ってしまう。

こうした経験は、アマチュアなら誰もが経験することなのですが、解決方法はただ一つ。

練習あるのみ。

人前であがって間違えるのは、練習が不足しているからです。

トレードでもこれと似た原因で、実トレードへの移行がうまくゆかないケースがあります。

一つの銘柄へエントリーすると、他の銘柄へのエントリーどころではなくなってしまう。

複数銘柄の同時ホールドがなかなかできない。

こうした問題が起こるのは、シミュレーション不足によるものなのです。

不安感が少しでもあると、実トレードになると心理的なプレッシャーによって、不安が増幅され、簡単に心理的パニックを起こしてしまうのです。

 

トレードフロアでのトレーニングでは、シミュレーショントレードで、同時ホールドが少なくとも3銘柄はできるよう、徹底して訓練します。

翌日の記録を見れば、どの時間帯に何銘柄保有しているのかはすぐにわかります。

ですから単独エントリーをすれば、何故一銘柄だけでトレードをするのかと、厳しく指摘されるのです。

こうして逃げ場をなくし、問題に正面から向き合わせることを繰り返し、複数銘柄が保有できるようになるのです。

一人だと、自分に対する甘えから、このように自らを追い込むことは、非常に難しいのが現実です。 

 

その日の成績が悪い場合、トレード終了後、チェックシートをつける事ができたかどうかを、まずチェックします。

なぜなら、その日一時間のトレーディングがトータルで負けるときというのは、例外なく、なんらかの理由でチェックシートがつけられていないからです。

理由は様々ですが、とにかくチェックシートをつけながら、銘柄を入れ替えることができるまで、私から指摘され続けるわけです。

出来なければ、何故チェックシートをつける練習をしないのかと、追求されますからね。

時には、「じゃあ昨日は何時間練習したのか?」と追求され、練習では出来ている、という言い訳をすれば、即全員の目の前で実演させられるハメになります。

結局は、早かれ遅かれ、やらざるを得なくなってしまうのです。

根比べですね。(笑)

 

実トレードによるプレッシャーの影響は、誰でも大なり小なりあるのですが、それがどの程度なのかは、実際に実トレードをやってみないとわかりません。

本人が実トレードで勝てる自信ができた時点で、実トレードへ移行します。

ストップロスは、大体3000ドルくらいを目安にします。

つまりトータルの累積損益がマイナス3000ドルになるまでは、実トレードを続けることができます。 

こうしたロスは実トレードへの移行コストと考え、計画に行うわけです。

 

ある大事なスキルが身についていないと、5日間から10日くらいで、やめざるを得なくなります。

というのも、多くのケースで、本人の想像以上の早さで簡単に負けてしまうからです。

シミュレーションでは、あれだけ勝てたのにです。

ですがそうなっても、本人はほとんどのケースで、実トレードをさらに続けようとします。

一人だと、たぶん同じ事を繰り返し、マージンコールを受けることになります。

一人でのトレーディングの場合、こうした部分に歯止めをかけることが、非常に難しいのです。

 

トレーニングでは、何故勝てないのかを説明し、納得のうえで再びシミュレーションへ戻ってもらうわけです。

こういう体験をすることで、シミュレーションであっても、以前とは違い、目の色が変わってくるのです。 

トレーディングは、強いプレッシャーを受けようが、シミュレーションと同じ事がスムースにできるようにならないと、勝てないのです。

勝てない90%以上の理由は、チェックシートがつけられなくなるからですが、トレーディングの経験をある程度積むと、暗算でもある程度は勝てるようになります。

ただしそれはマーケットの動きが比較的単調なときだけ。

揉み合うケースでは、チェックシートをつけていないと、絶対に勝てないのです。

  

私の場合、資金は5万ドルで始めたのですが、無謀にも1ヶ月ほどのシミュレーションで実トレードへ移行しました。

誰もその危険度を指摘してくれる人はいなかったからです。

一日に勝ったり負けたりの幅は、平均5000ドルくらい。

慣れとは恐ろしいもので、これくらいの幅の勝ち負けでは動揺しなくなるのです。

ただ、資金はジリジリ減ってゆきます。

 

悪いことは重なるもので、あるとき塩漬けになってしまい、3ヶ月ほどトレードができなくなってしまったのです。

これがきっかけで、3ヶ月間シミュレーションをせざるをえなくなったのです。

この時のシミュレーションがきっかけで、クイックマジックプレイ、30分ギャッププレイ、神風ギャッププレイなどの代表的なトレーディングメソッドが生まれたのです。 

   

心理的なプレッシャーを、どうやれば減らすことができるのか?

私の自らの経験から、その答えを、チームによるトレーディングに求めたのです。

エグゼキューショナートレーニングを通じての2年半にわたる検証で、チームトレーディングは、心理面のストレス対策として絶大な効果があることが実証されたのです。

コマンダーは銘柄探し。

エグゼキューショナーコマンダーはタイミングを指示。

エグゼキューショナーは執行を担当。

アクションのプロセスを分けることで、ストレスを分担させる仕組みです。

執行部分をエグゼキューショナーへゆだねることで、エグゼキューショナーコマンダーは、執行に関するストレスから解放されるのです。

 

脱出のあとの銘柄探しは、コマンダー任せ。

私はそれぞれのチームのやりとりを聞きながら、両サイドの銘柄を一望の下で監視しています。

そのため手仕舞いのあとの候補銘柄探を、ジャストのタイミングで出せるわけです。

一人のトレードでは、不可能なレベルで、入れ替えが出来るのはこういう仕組みがあるからです。

 

このようにして、そのチームがノーポジションとなった時点で、次のアクションのタイミングについてのアドバイスがコマンダーから指示されるというわけです。

どちらサイドのどの銘柄に入ればいいのか?

両サイドに分けてエントリーした方がいいのか?

経済指標が発表された場合、どちらに動いてもいいように、脱出とエントリーの銘柄を特定できているか?

エグゼキューショナーコマンダーがこうした点をうっかり忘れないよう、コマンダーは常に注意を払い、指示を出し続けるのですが、これは非常に効果があります。

こうした連係プレイによって、エグゼキューショナーコマンダーは、エントリータイミングの指示と脱出ポイントの判定だけに集中することができるのです。

この心理的なストレスを分散させる仕組みは、素晴らしい効果をあげています。

  

参考までに1つの運用チームの27日(木)の記録です。

1000ドルくらいのマイナスなら、1ユニットで確実に取り戻すことができる訓練の成果が、よく現れています。 

1027compexe.gif

最初のユニットで負けても動じないのは、訓練で培われたモチベーションの高さゆえ。

47分台の4銘柄ホールドの第二ユニットで、一気にプラスへ転換。

1000ドル前後のマイナスは、一気に取り戻せるという確信があるからこそ。

10時の経済指標の発表前には、すべて手仕舞っているのは、発表時の乱高下に巻き込まれないため。

前半30分で+720ドル。

後半戦最初の5銘柄ユニットで1000ドル台のゲインをさらに上乗せ。

次のユニットで、トータルの利益が伸びていないと見るや、APKTを狙い1分少々の保有で500ドル以上を稼いでいます。

最後のトレードは、3000ドルの大台を確定するためのもの。(笑)

 

  

下は昨夜28日(金)の記録。

1028compexe1.gif 

最初のTEVAをカットロスしたあとの素早いエントリーは、チームトレードだからできるワザ。

最初のユニットは、5銘柄を同時ホールドすることでリスクを分散。

このユニットの保有時間は最長で4分。

ここで一気に1000ドルオーバーのトータル利益を叩き出しています。

次のユニットまでは、少し間があいて44分台にエントリー。

そのあとはゲインを減らさないよう慎重なトレードに終始し、この日も3000ドル台で終了。

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