オリンパスの社長解職劇報道を見ると、企業と新聞との癒着は、原発問題と全く同じだということがよくわかる。
スポンサーに媚びを売るため、都合の悪い情報は隠蔽して企業側の言い分を記事として垂れ流すという、お得意の手抜き報道がここでも繰り返されている。
日本の大手新聞各社は、英国人社長が就任からわずか半年経たずに解任された原因を「文化的摩擦」として報じている。
30年もオリンパスで務めてきた人物が社長に抜擢され、わずか半年で日欧の文化的摩擦という理由でもって、解任されたというわけだ。
誰がどう考えても不可解な話だ。
日本の新聞は単にオリンパスの発表の垂れ流しに終始、だが海外メディアでは違った報道だ。
ファイナンシャルタイムズ紙の東京特派員(Jonathan Soble)によるウッドフォード前社長へのインタビューに基づく記事がこちらにある。
記事の内容を箇条書きにすると・・
ファイナンシャルタイムズの記事では、ウッドフォード前社長が半年前に社長就任。
過去のオリンパスによる企業買収で「消えてしまった大金」があることを知ったウッドフォード前社長が取締役会に説明を求め、解任の2日前に菊川会長に問題についての書面を出している。
FTの記事では、オリンパスの企業買収に関する支払い関係の内部書類も調べているため、信憑性は高いといえるだろう。
問題を追及しようとしたウッドフォード前社長が突然解雇されたのは、問題追及を阻止したい菊川会長をはじめとする取締役会との対立が理由だったわけだ。
だが、日本の大手新聞はウッドフォード前社長がオリンパス勤務30年の経歴を持ち、日本企業で勤めた経験が長い人物だということには一切触れていない。
対立の真相に迫ろうとするのではなく、単に「和を尊ぶ日本の会社と、そうしたことがわかならない外国人社長」という、オリンパス側が主張している図式そのままの記事を垂れ流しているのだ。
オリンパス株価の暴落についても、理由は簡単で、オリンパスは問題隠蔽のため、ウッドフォード前社長を追放し守旧派が実権を奪回。
そうなると株主の利益が阻害されることになるため、株価が下がってしまったというわけだ。
だが日本の大手新聞はこれにも触れず。
オリンパス(7733) の日足チャート
14日に長い陰線。
あとは奈落へまっしぐら。
なんの これしき 猫屋敷で、どんどんと、お粗末になってゆく大手新聞社。
合掌・・
コメントする