1960年代と同水準、米ソ中が核実験「健康被害なし」 東京の放射性物質降下量
上の産経の記事を読み、内容が擦り込まれ、いまだに本当だと信じている方は少なくないことを実感しています。
確かにグラフでは当時多くの放射性物質が降ってきていたことが分かります。
では検証を・・
3月21日9時から22日9時までの24時間で、東京(新宿区)へ降ったセシウム137の量は5300メガベクレル/平方キロ。
メガベクレルは100万ベクレルですから、530億ベクレル/平方キロ。
分かりやすく単位を直すと、5300ベクレル/平方米。
一方、気象研究所地球化学研究部による「環境における人工放射能50年90Sr、137Cs及びプルトニウム降下物」は、部分核実験停止条約の発効前に行われた米ソの大規模実験の影響を受け、1963年の6月に最大の降下量となり(90Sr 約170Bq/m2、137Cs 約550 Bq/m2)、その後徐々に低下した。と発表されています。
記事ではセシウム137が1か月間で約550ベクレル/平方米降下したのが過去の最高値だと書かれています。
3月21日9時からの24時間で東京都新宿区に降ったセシウム137は5300ベクレル/平米。
ですから、東京都新宿区に降ったセシウム137は、「1日で過去最高時の1か月の約10倍」ということになります。
過去最高だった1963年6月期の月間約550ベクレル/平方米を30日で割ると18.3ベクレル/平米。
2011年3月21日の5300ベクレル/平米はその289倍です。
これだけを見ても「1960年代と同水準」という産経新聞の記事は、単純な誤りだと分かるはず。
原発周辺地域の高濃度汚染地帯では過去最高だった1960年代の軽く1万倍から10万倍というレベルの降下量を記録。
これを2000年代、福島原発事故前の数値と比べれば、1万倍のさらに1万倍以上ですから「平常時」の軽く10億倍以上の降下量になったわけです。
1960年代から日本では癌の発生率が大きく伸びています。
利害が絡む原発推進派は原因を肉やバターなど洋食普及を理由として、それで議論は終わり。
放射能の影響という見地からの研究がなされていなければ、健康被害が生じたことを示すデータはないわけで、イコール問題ないということになる仕組み。
現実に目を閉ざすものは、未来に盲目である。