19日(金)と20日(土)の関東地方は要注意。
こちらで書いたように、ドイツ気象庁のシミュレーションはなくなってしまいました。
ですが、我々にはスイス気象庁放射能拡散シミュレーションがあります。
上は8月19日金曜日の午後2時時点での予想。
スイスの時差はドイツと同じで、夏時間の場合は日本時間からマイナス7時間です。
肝心の日本での独自の放射能予測装置スピーディーはこの程度のレベル。
一目瞭然でわかる、ドイツやスイスのようなアニメーションで公開してほしいいものです。
128億円もの税金を投入して開発された「SPEEDI」なのですから。
ですが業務委託を受けていたのは、国の天下り法人「財団法人原子力安全技術センター」。
フランスのCRIIRADのサイトには日本語のPDFが公開されています。
福島第一発電所の事故の日本での影響・持続し非常に広範囲に拡散している汚染
ここでは関東地方の汚染についても書かれています。
日本の法律を守ろうとすると、福島県全域に匹敵するぐらいの土地を放射線管理区域にして、無人にしなければなりません。
放射線は見えないため、リスクを下げるためには、生活を放棄しなければならないのですが、対象となる地域はあまりにも広大なのです。
そのため当然のことながら、法律通りにやろうとすると、膨大な費用がかかることになります。
たとえば原発の敷地を除染するには約2兆から4兆円程度が必要です。
1基のクリーンな原子炉を廃炉にするコストは通常約800億円程度。
しかし福島の場合どの原子炉にも、融けた燃料の塊が底に落ちているわけです。
そういう状況でどれくらい費用がかかるのかを試算した人など、今まではいなかったのです。
しかもこれは原発の敷地だけの話。
東電だけで払えるとは思えない金額なので、国の負担になるわけです。
加えて内陸部を除染しようとしたら少なくとも8兆円はかかるでしょう。
こうしたコストの問題から、日本の国家は、住民を被ばくさせるしかないという、選択をしたのだという現実を受け入れ、自分で考えた対策をするのが現時点での最良の選択なのです。
ホットスポットの周辺なら、危ないというのはすぐにわかります。
ですが、「危なくないだろう」というのは、すべてのポイントで計ったわけではない限り証明できないのです。
ホットスポットは手のひら程度の範囲のため、測定時にそこをはずしてしまえば、全く問題ないようにしか見えないのです。
5センチ四方で計測でもしない限り、行政が行っている測定方法では、荒すぎて現状を把握することはできないのです。
地上1mの値であっても、測定する密度が荒ければ、信頼できないことになるわけで、結局は自分の周りを、自分で計るしかないのです。
あなたの健康が損なわれたとき、健康な状態へ取り戻すために、あなたはいくらまでなら払ってもいいと考えているでしょうか?
測定器購入の費用をケチってはなりません。
現在はこうした空中への飛散に加え、すでに放出された放射能が雨で地表へ蓄積しているわけです。
放射性の粒子を吸い込んで、人体の組織内で放射線を出してしまうと大きな問題が起きます。
たとえば10ミクロン程度の放射性粒子でも、それは肺の絨毛に入り込み、そこに付着する可能性があるのです。
そして粒子のまわりのごくごく狭い領域を攻撃し続けるのですが、攻撃は放射性が失われるまで、あるいは体外に排出されるまで続くのです。
都内や北関東の人はマスクをすることはもちろん、雨にも濡れないことが大事。
濡れると皮膚を通して内部被ばくを起こすからです。
こどもを砂場などで遊ばせない、風の強い日の不必要な外出を控える、なども有効です。
最近のマスクは高機能で性能も高くなっているのですが、ノーズフィッターという金属またはプラスチックの棒が鼻の上の方、目の下あたりにくっついています。
その棒はマスクを付けた際に鼻をかむときのように、ぐっと指で押さえて鼻の盛り上がりにぴったりとフィットするように取り付けるのが正解。
このように毎日のちょっとした行動でも、よい方向へ変化を与えることで、影響を少なくすることができるのです。
大事なことは、あきらめないこと。
普段マスクをしてこなかったな・・などという失敗があっても、そこであきらめないことです。
多少失敗したところで、強烈な内部被ばくを起こさない限り、無頓着な人に比べれば影響は少ないのですから。
都内で仕事してる人は必ずマスクをして、食べるもの選び生活をしないと、5年後には大変なことになります。
福島の小学生の姿は、将来の我々の姿なのだということを、忘れないことです。