8月2日(ブルームバーグ)
細野豪志原発担当相は2日の閣議後の会見で、東京電力・福島第一原子力発電所で毎時10シーベルトの放射線量が計測されたことについて
「これまでの濃度とは違う濃いもの。炉の中がどうなっているのか解明できていない」との認識を示した。
先日の地震が原因なのか?
10シーベルトは、10000ミリシーベルトと同じ。
7シーベルトから10シーベルトの被曝をすると、通常2週間ほどで人間は死に至る。
(内容のテキスト)
水野「小出さんこんばんわ」
小出「こんばんわ」
水野「どうぞよろしくお願いします」
平野「よろしくお願いします」
小出「よろしくお願いします」
水野「まず今、千葉アナウンサーがお伝えいたしました福島第一原発1号機2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒の下の部分で、おそらくこれは高いと申し上げるのがいいと思います、高い放射線量が測定されたという話です。1時間あたり10シーベルト以上の放射線量が測定されたという発表を東京電力が行ないました。ちなみにこれは計測器の限界を超えておりますので少なくとも10シーベルトということだと思います。この値をどんなふうにご覧になりますか。」
小出「想像を絶する強さですね」
水野「今までミリシーベルトの単位でわたくし色々なお話を小出先生から伺ってきたことが多かったと思うんですね。」
小出「そうです」
水野「この10シーベルト。ミリがつかないということは、10000ミリシーベルトと同じですね」
小出「そうです」
水野「これはどれくらいを意味する数字でしょうか」
小出「えー、千葉さんがさっき説明してくださったけれども。7シーベルトから10シーベルトの被曝をしてしまうと、人間は死んでしまいます」
小出「死ぬとおっしゃいますのはどれくらいの時間をもって死亡に至るという」
小出「えー、通常は2週間で死にます。以内で。で、1999年の9月の30日に茨城県の東海村のJCOというところで被曝の事故がありました。その時には10シーベルトあるいは18シーベルトというような被爆をした2人の労働者が、え…、生じてしまいまして、日本の医学会が総出で彼等を助けようとしました。えーその結果一番沢山被曝をしたのは大内さんという方でしたけれども。83日間、延命された挙句に亡くなりました。どんなことをしてもやはり助からないということです」
水野「はあ…、これ10シーベルト以上の放射線量が測定されたということの原因は、小出先生は何か思い当たられることはありますでしょうか」
小出「通常は考えられない強さですので、私は燃料、使用済みの燃料そのものがどこかそこらに転がっている以外にはありえないと思います。」
水野「使用済みの燃料が転がるとはどういう意味ですか?」
小出「私が今可能性があるのは、あるとおもうのは1号機あるいは3号機で水素爆発が起きたときに使用済燃料済プールの1部がかなり破損されてるはずだと思いますけれども、中にあった使用済みの核燃料が吹き飛ばされてそこに飛んできたのかなと今は思いました。わかりません。私の単なる推測です」
水野「はあ…今の、プールが壊れたことによって使用済み核燃料が吹き飛ばされて、おっしゃるのは使用済み核燃料からじかに放射能がでているということでないとこのような高い放射線量はなかなか出ないんじゃないかということでよろしいですか?」
小出「はい。猛烈な放射性物質がそこにない限りは1時間あたり10シーベルトというような放射線量にはなりません」
水野「はあー。それは確認は容易に出来ることなんでしょうか」
小出「出来ません」
水野「できないんですか」
小出「はい、今例えばその作業者のかたがそこの場所で測定をしたと言っているのですね。で、その人達が4、ミリシーベルトと言った。」
水野「測定した作業員の被ばく量は4ミリシーベルトとだったという発表です」
小出「でも、1時間あたり10シーベルトの、ような放射線量のあるところで作業者の人が4ミリシーベルトしか被ばくしていなかったとすれば、せいぜいその場に1秒とか2秒しかいられなかったということです」
水野「ほんの一瞬のことですね、1秒か2秒しかいられないくらいの放射線量なんですね。これはあのー、ちゃんと防護服をきたりマスクを付けたり、色んなことをしていたら防げるものなんでしょうか」
小出「防げません。はい。あの防護服やマスクというものは放射性物質が体に付着するあるいは放射性物質を体に吸い込んでしまうと、いうことは防げますけれども。そこにある、放射性物質があるところから飛んでくるガンマー線を遮るということにはなんの意味もありませんので。」
水野「ガンマー線というのは、あの、服なんかは通すんですか」
小出「そうです。鉛のスーツのようなものを着ると、なにがしかは防げますけれども。えーそれでも、今問題になっているのはセシウムという放射性物質ですけれども。鉛のスーツを着たとしてもほとんど防げないというほどのガンマー線ですので」
水野「鉛のスーツでも防げないほどなんですね」
小出「はい。あのものすごい分厚い鉛のスーツなら別ですけれども。そんなモノを着たら人間は動けませんので。」
水野「作業できませんものね」
小出「はい。実質的にはいかなる手段をとっても防げないと思わなければいけません」
水野「はあ……。これはじゃあ10シーベルト以上の放射線が測定されたという場所には、これ以上調査で立ち入ることはしないほうがいいんですね。」
小出「えー、1秒2秒で4ミリシーベルトになってしまうということですから、まずは近づくことすらが出来ないと思います。」
水野「はあ……。これ近づかないと水を入れ続けるという作業もできないと思うんです。あるいは汚染水を除去するという作業にも色々関わってくるかと思うんですが。位置関係としてはどうでしょう」
小出「その場所は何のために近寄ったんですかねえ」
千葉「これはあの、瓦礫を撤去したあとの放射線量の変化を測定していたということなんです」
水野「瓦礫を撤去したあとの放射線量。」
千葉「排気筒という設備の下の部分を、まあ計測していたということです」
小出「しかし瓦礫っていうのはそこにあったのを、じゃあ誰かが撤去したのですか、そこの場所で」
水野「そうですよね」
千葉「そうですよね。こちらに入ってる情報によりますとそういう事になりますねえ」
小出「そう、まあ遠隔装置で瓦礫を撤去したのであればまだいいですけれども。そこに人が行ったのであればその人達はものすごい被曝をしたことになると思います」
水野「じゃあどういう作業をどういう形で、人的作業だったのかロボットだったのかという作業内容もこれは、できるだけ早く私たちは知る必要がありますね。作業員の方を守るためにも」
小出「そうです。作業員のかたの被曝が私は心配です」
水野「なるほど。これは小出先生10シーベルト以上と聞かれたとき正直どのようなお気持ち抱かれましたか」
小出「言葉を失いました」
水野「それほどの、被曝、まあ放射線量だということなんですね」
小出「はい。1シーベルトと言っても、恐ろしいと思いました。」
水野「ああ、1シーベルトでも」
小出「1時間あたりの。1シーベルトというような現場があるとすれば、とても近づけないなと私は思っていたのですけれども。今は10シーベルトという数字が出てきたわけで、これはもうとうてい人間が行かれるような場所ではありませんし、このままではなんの作業もできないと思います、その場所では」
水野「この件に関して、すぐにこのデータを知りたいと思われるような、ここの事実を確かめたいというようなことはなにかございますか?」
小出「えー、まあ、どういう作業ができるかわかりませんが、遠隔操作でできるのであればその場所にどんな物体があるのかを知りたいです」
水野「はい。なるほど。はい。ありがとうございました。京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」