皆さんもご承知のように日本の空間線量の基準は20ミリシーベルトで世界の20倍。
水の基準は300ベクレルで世界の300倍。
食べ物の基準は2000ベクレルで世界の200倍。
というトンデモな基準になっている日本では、どの食べ物が安全なのかがわからない。
なので測定器を購入。
このまま放射能漏れが止まらなければ、早かれ遅かれ、いずれ必要になるわけだから。
買ったのは・・
食品放射能汚染検査測定 NaIシンチレーションサーベイメータ 携帯放射線測定器
Model3&Model44-2
結構な値段だった。
高かったが、 自分のまわりがどうなのかを知っておくためには必要なものだからね。
こういうところをケチってはねえ。
客観的なデータを提供することで、家族への責任がある程度果たせるわけだし。
家族4人と猫二匹でこれからずっと使えるわけで、食べ物に対して安心できれば、これくらいの値段は知れたもの。
きちんと計ろうとすると、100万円クラスの機械が必要で、計測する対象物の量もある程度必要。
さらに前処理などの手間も、個人が片手間でできる代物ではないため、個人ができる限界はこのあたりではないかと。
というわけで、とりあえずは・・というわけです。
以下の説明は四苦八苦して調べた情報をもとにしているため、細かいところは間違いがあるかもしれない。
が、ま大体は合ってるはずですが、間違いがあれば、遠慮なく突っ込んでください。(笑)
シンチレーションサーベイメータは非常に感度が高く、バックグラウンドレベルから測定することができるのが特徴らしい。
原理は放射線でシンチレータが発光、その光を光電子倍増管が電流パルスに変え、波高分析または計数回路で測定できるというもの。
空間放射線量の測定のほかに、医療用放射性廃棄物や食品放射能汚染の簡易検査に使われているという。
感度が高いため、食品や水の放射能を計ることができるというわけだ。
感度は5段階に切り替えられる。
×1でも、凄い高感度で、空中へ向けて計測するとメータの右端側に振れてしまう。
×0.1だと、極微量でも反応するようだが、どういうときに使うのだろうか?
放射能には種類があり、アルファ線は、ヘリウム原子核で + の電荷を持つ粒子。
紙でも遮蔽できるうえ、空気中をほとんど進まないため、線量測定では無視してもかまわないという。
ベータ線は電子の流れ、プラスチック板やアルミ箔で止められ、空気中の進行距離は数十センチメートル位。
だが地表面近くではベータ線の影響は無視できず、空中高くになればベータ線は減ることになる。
というわけで、放射能漏れの場所に近いと、ベータ線とガンマ線、遠いとガンマ線が問題になるというわけだ。
赤い光や青い光より波長が短くなると紫外線。さらに短くなってX線。
ガンマ線はさらに波長が短く、電磁波のエネルギーは波長の逆数に比例するため、非常に強いエネルギーを持っている。
正確にはX線とγ線の波長領域は一部重なっているが、発生方法が違うだけ。
で、このガンマ線が何本あるかを測定するのが放射線測定の基本となるらしい。
◆ 空間放射線量の測定について
http://113.35.73.180/monitoring/sokutei/sokutei.html
上のURLでは・・
Q1 モニタリングポストとはなんですか?
Q2 空間放射線量の測定結果は、使用する測定機器により違いはありますか?
Q3 国内でも地域によって、身の回りの自然放射線量の違いがあるのですか?
Q4 測定された数値は、測定場所による違いはありますか?
などが、わかりやすく説明されている。
シンチレーション式サーベイメータの原理はモニタリングポストとほぼ同じで、主にγ(ガンマ)線を測定。
ガンマ線が何本あるか、という cps/sec という秒あたりのカウント数値で表示される。
これが、簡易計測における基礎。
cpm の数値が大きいとガンマ線が多い、つまりは放射線量が多い、ということになる。
単一バッテリーは同梱されていた
ただし、γ(ガンマ)線を放射性物質のエネルギーごとに補正する機能がモニタリングポストより劣るため、測定値の正確さもそれなり。
もちろんモニタリングポストに似た使い方はできるが、ガンマ線が分離できるのではなく、広い山になってしまい、分解が悪くなるという。
だが個人で使う分には、自分の居住地域内での、線量が多い少ないという相対的な大小比較や時間変化を調べることができるので、これでもOKなわけだ。
そのため数値の絶対値で、モニタリングポストの数値と比べても意味はない。
そういう測定には別の測定器の方が向いているというわけだ。
電池を入れる向きがあるのだが、ものすごくわかりにくい仕様。(笑)
この向きが正解。
こうしたカウンターというのは、エネルギーの違いを区別する能力はないため注意が必要。
10人の総体重は?という時に、赤ちゃんが10人と、相撲取り10人とでは、総体重は10倍以上違ってくることになる。
だがとりあえず細かいことはさておき、平均体重を掛けとけばいいのでは?
というわけで計算したのが、いわゆる我々がよく使っている単位のマイクロシーベルト(μSv/h)で表示されている数値。
つまり計測器が何μSv/hとそれらしき数値を出しても、それは、エネルギーを適当な核種と仮定し、計算しているだけ。
そのため、様々なエネルギーを持つガンマ線を計測している場合、エネルギーの差の積算分だけ、実際の吸収線量との値がずれてくるわけだ。
なので、結局計測器でもって何を計り、それを何のために使うのか、というのが大事になるわけだ。
線量計測定のようにμSv/hの値を計算する機械と、シンチレーションサーベイメータのように律儀にcpmまでで止めてしまう機械の、どちらがより優れているのか?
というと、計測機能に関しては同じ。
ただ、μSv/hまで計算する機械の方が便利で親切。
だが誤解を招きやすいということで、どっちもどっち。(笑)
というわけで、μSv/hまで計算し、累積線量なども計ることができる、いわゆる空間線量計も注文したのだけれど・・
よいものは、品薄のため順番待ち。
で私が注文したものは、6月に入らないと入手できないため現在待機中。
これとシンチレーション式サーベイメータを相対的に比較すれば、まず大体のことはわかるだろう、というわけです。
で、使い方の注意点
電離箱チャンバー部に触れると正しい測定値が得られないため、手で持つときはハンドルグリップなどを持つ。
腕をやや伸ばし、サーベイメータを体から離して測定する。
電源をオンオフするときはレンジ切り替えスイッチがRESETなど 0 点調整位置にあることを確認する。
レンジ切り替えスイッチが測定位置のままで電源を操作すると電気的衝撃で故障の原因になるそうだ。
というように、取り扱いには注意が必要で、ガサツな人には向かない機械だね。(笑)
これはバッテリーチェックモードでの表示。
操作上の注意点
①ウォーミングアップをする
②アナログ指示針は水平(標準状態)を保つ
③応答時間(時定数)を意識する
④温度変化ゼロ点ドリフト
⑤線量率レンジと積算レンジを使い分ける
測定を開始する前には十分にウォーミングアップが必要。
0 点やバックグラウンドの指示値の落ち着きで判断。
0 点はウォーミングアップの経過や気温の変化などで微妙に移動する。
0 点はチャンバーからの電離電流回路から切り離し、暗電流を調整。
放射線の応答とは異なるので、0 点が移動しても感度が変化しているわけではない。
測定するときには本体の水平を維持。
アナログ式の指示針は腕時計に使われているような微細なバネで保持されているという。
そのため重力・加速度で簡単に動いてしまう。
傾けたり速く動かしたりすると正確な指示値を示さないから注意が必要。
このあたりは慣れですけどね。
手前のスイッチをオフにしておくと音が出ないので、バッテリーの節約になる。
奥のスイッチが上向きなのは、早く計るモードだから。
スイッチ下向き方向に「亀」のマークがあるが、時間をかけて正確に計測するときに使う。
連続照射の線量率を測定する場合、応答時定数を考慮した測定時間が必要。
低線量率など指示値の変動が大きい場合には複数回の読み取りを行う。
その場合も応答時定数の1.5倍から 3 倍の間隔をおいて読み取らないと統計処理上の意味が亡くなるので注意。
ちなみに一般的な電離箱サーベイメータの最低レンジの応答時定数は6 秒程度。
6 秒の 3 倍という18秒はとても時間がかかると感じるかもしれないが、空間線量率の測定にはある程度の測定時間を要するのだ。
忘れてはならないのは、サーベイメータの指示値から、バックグラウンド指示値(環境にある放射能値)を差し引くこと。
とりあえず、あれこれ計ってみたが、神戸は問題ないようだ。
外のベランダの床に堆積していたチリなどを計っても、空間計測の値と変わらず。
計測することで、「わからない不安」が払拭できたわけで、家族全員かなりり安心した模様。
自分の身の回りの環境や、食べ物・水などに関する放射能の影響が明確になるため、心理面でのメリットも非常に大きく、まずは買って良かったかなと。