日本政府は年間1ミリシーベルトを限度としてきた住民の被ばく限度量を引き上げるようです。
その理由は、屋内退避指示エリアの20から30キロ圏の外側で、大気中の放射線量の積算値が10ミリを超えた地域があるため、原発事故の長期化を前提に、健康に影響が及ばない範囲で被ばく限度の基準を緩める必要があるというのです。
我々の放射線に対する防御能力が上がったわけではないのに、何故上げるのでしょうか?
というわけで、専門家の意見を総合して、まとめてみました。
日本政府は最初「一部の専門家は1年に1ミリなどと言って危険を煽るが100ミリまでは健康に影響がない」と言ったわけです。
にもかかわらず、その後「1ミリが限度」と公式に認めたと思ったら、今度は「20ミリでどうだ?」というのです。
20ミリに上げれば、住民の被曝は確実に増えるのです。
一方で原子力安全委員会や、政府などの行政側は、仕事は楽になるわけです。
国民の安全を守るという観点から言えば「正気」とは思えない発想です。
さらに東電は格納容器に窒素を入れ始めました。
理由は格納容器に水素と酸素があって、爆発する可能性があるからだというのです。
そのかわり窒素を入れた分、強い放射線をもつガスが放出されることになります。
放射性物質を含んだ汚染水を海に流した際に、漁業組合が「俺たちの海を汚すのに、断りがない」とクレームをつけ、東電は謝りました。
しかしまた「空気を汚す窒素投入に対して、住民や自治体に了解を取らず」勝手に放出したわけです。
東電はまた謝って済ませるつもりなのでしょう。
東電発表の矛盾・・
水素が発生するのは、破損した燃料棒のジルコニウムと水の反応、高い放射線による水の分解によるものです。
ジルコニウムと水の反応では水素しか出ません。
放射線による水の分解では、水素2モル酸素1モルの比率で出るわけです。
水素の爆発下限は水素4%酸素5%なので、比率を考えると爆発の危険性はないはずなのです。
格納容器の水素濃度は測定してないと考えられるのに、なぜこのような推定をしたのでしょうか?
何故爆発を恐れているのでしょうか?
別の要素があってのことではないのではないか?と勘ぐられても仕方ないわけです。
原子炉の爆発には、核爆発、水素爆発、水蒸気爆発の3種類があります。
最も危険なのは、「圧力容器内の核爆発」で、これを止めるには「ホウ素の投入」が必要なので、「ホウ素」をどうのと言い始めたら、逃げる準備が必要になります。