TVという強力な広報システムを通じて、御用学者たちの広報活動が広範囲に行われています。
御用学者たちは「この程度の放射線量は大騒ぎする量ではないのだ」という主張をしています。
何故、反御用学者の意見と対比させながら放送しないのでしょうか。
「これくらいの量は直ちに健康に影響をもたらす数値ではない」という耳タコフレーズは本当なのでしょうか?
一人当たりの自然放射線の世界平均(年間)は2.4ミリシーベルト、日本全体の実績値は 0.99ミリシーベルト。
アバウトで言えば 1mSv。(1ミリシーベルト)。
これが日本の一年間の総量です。
「生活をしていて1年に受ける自然放射線量」とは 、時間単位に直すと 1mSv/y = 1/(24×365) = 1/8,760=0.0001mSv/h 。
この数値を超える値は「1年に受ける自然放射線量」を超えることになるのです。
「1時間に1mSv/h というのは、1年に受ける自然放射線量 1mSv/y の1万倍」なのです。
御用学者は、トレードでいうところの「タイムフレームの混同」を行っているのです。
さらには「胃のレントゲン撮影で受けるより少ない」などとも言っていますが、胃の透視はその時だけの被曝。
レントゲンを受けると「一度に600マイクロシーベルト」の放射線を受けるのですが、これは瞬時のことなので、こうした説明で引き合いに出すこと自体がおかしいのです。
大気の線量が高い場合、その線量を浴び続けて、日常生活を続けなければならないのです。
病気やケガのため仕方なく受けるレントゲン被曝と、原発事故によって否が応にもさらされる被曝は全く別問題なのにです。
それに本当に怖いのは、内部被曝という、汚染された空気を吸い込んだり、水や食物から放射能を体内に取り込むことなのです。
この内部被ばくの危険や、自然放射能と異なる人工放射能の危険については全くといっていいほど伝えられていません。
一旦体内へ取り込まれた放射能は、臓器や組織に沈着し、身体の中で放射線を出し続け、細胞や遺伝子に影響を与え続けるのです。
国は広範囲な測定を実施し、線量とともに放出された核種のデータを明らかにすべきです。
どんな放射能がどれだけ環境中に放出されているのか?
ヨウ素は?セシウムは?ストロンチウムは?プルトニウムは?
放射能の種類によって人体への影響は異なるのです。
広島へ落とされた原爆で燃えたウランの量は800グラム。
原子力発電所は日本に54基あり、平均して1基につき100万キロワットを発電しています。
100万キロワットの原発が1日稼動すると、ウランを3キロ燃やすのです。
つまり、広島型原爆 3-4 発分のウランを燃やして作られたエネルギーの3分の1が電気となり、3分の2は海に捨てられています。
言い換えれば、1秒間に70トンの海水の温度を7度上げて海に戻すという、膨大な環境汚染を続けながら発電する装置なのです。
現在、炉心が溶ける危機に直面している原発が1、2、3号機と3つあります。
その出力を全部合計する と、200万キロワットを超えますがチェルノブイリの原発はちょうど100万キロワットの出力でした。
今回はその2倍に相当する放射能と戦っているわけです。
我々は、事態が悪くなれば、チェルノブイリを簡単に超えてしまう危険と直面しているのです。
福島原発から東京までは200から250キロの距離があるわけですが、チェルノブイリ事故でソ連当局 は30キロ圏内の住民を避難させて、無人地帯を作りました。
しかしチェルノブイリの原発から200~300キロ離れた遙か彼方の距離でも、現実にものすごい汚 染が発見されています。
なぜなら放射能は雲のように風で流され、離れた場所に雨となって広範囲に広がり、汚染されてゆくからです。
放射能の危険を、何故楽天的な方向で論じるのでしょうか?
こういう人の命の安全に関わる事は、悲観的に想定するのが常識なのではないでしょうか?
カットロスは厳しく設定する、というのはトレードでは常識なのです。
2011年3月19日23時53分 asahi.com
文部科学省は19日、各都道府県の定点で観測した大気中の放射線量を発表した。
車で移動しながら実施した放射線量計測では、福島第一原発から約30キロ離れた同県浪江町の北西部で19日午前10時20分、毎時136マイクロシーベルトが測定された。
その場に7時間あまりいれば、一般人の年間放射線被曝(ひばく)限度量の1ミリシーベルト(1千マイクロシーベルト)を超えるレベルだ。
本当でしょうか?
136マイクロシーベルト(1時間) × 24時間 × 365日 = 年間で換算すると 119万1,360 マイクロシーベルト。
つまり毎時136マイクロシーベルトというのは「1年に受ける自然放射線量」の1191倍のレベルなのです。
繰り返しますが、TVは「1時間あたりの放射線」と「そこに住んでいる人が受ける放射線」とのデタラメな比較を平気で垂れ流しているのです。
白血病になるシーベルトは約4000ミリシーベルト。
放射能は4シーベルトで死亡し、400ミリシーベルトで白血病になります
1時間400マイクロシーベルトのところに1時間いても大丈夫ですが、1ヶ月あまり住んでいると白血病になります。
福島原発2号炉から放射線が漏れたときに枝野官房長官が発表した数値は1時間に400ミリシーベルトでした。
そこに1ヶ月少し住んだら、400シーベルトになって死ぬのです。
その100分の1でも死亡するレベルですから、1日いるだけで死亡するのです。
文部科学省が3月16日に発表した福島原発から20キロの地点(福島県浪江町周辺)の放射線は1時間330マイクロシーベルト。
1ヶ月少し住んだら330ミリシーベルトになるため、白血病になる数値なのですが、テレビでは「安全な範囲の放射線」と説明しています。
政府やマスコミは「福島原発から20キロのところの放射線は、330マイクロシーベルトで、胃のレントゲンの半分なので安全だと説明していました。
しかしそれは「そこに1時間しかいない人」のハナシであって、そこから動けずに住み続けなければならない人のための説明ではないのです。
1ヶ月あまり住めば330ミリシーベルトを浴びることになるわけですから、子供も親も白血病になる数値ですから、決して「安全な放射線」などではなく、すぐ待避しなければならない危険なレベルなのです。
3月15日頃の東京の高い値は1マイクロシーベルトぐらいでしたが、東京に1ヶ月少し住むと、1ミリシーベルトで、1年ぐらい住むと子供はかなり危険になります。
私が娘を東京からすぐに呼び寄せたのはこういう計算があったからです。
アナウンサーは自分で内容を確かめもせず、人ごとのように喋っていますが、子供のいる親は責任の自覚が彼らとは全く違うのです。
ぜひ、お読みください > 武田邦彦 教授 中部大学