録音されたのは07年3月。
録音エンジニアはマーティン・ピアソン。
マスタリングはMSMスタジオ。
キースの自宅スタジオで収録後、3年間をかけてベスト・トラックの選択と曲順が決定されたという。
特にC6で聴くこのアルバムは絶品。
素晴らしいバラード集に仕上がっていた。
チャーリー・ヘイデンはキースのピアノに対しインタープレイを触発する方向ではなく、寄り添うかのようなプレイで、結果としてキースのピアノの新しい側面を引き出している。
今までの彼の特徴だったテンションの高い演奏を期待すると、その期待は裏切られるかもしれない。
だがこれは、キースが難病と闘った後の作品だということを、忘れてはならない。
苦難を体験した彼に生まれた変化と、今の彼の年齢ゆえの、彼だけが感じえたエモーションから紡ぎ出される音楽に、じっと耳を傾けたい。
そう思わせてくれる、珠玉の一枚ではないだろうか。
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