現在正規シトロエンディーラーでは、C6を買うことができない。
WEBサイトを見ても確かにラインナップから C6 が抜け、C5 が最も上のセグメントとなっている。
フランスで現在生産されている C6 は、すべてディーゼルエンジンなのだという。
では何故燃費もよく燃料コストも安いディーゼルを輸入しないのか?
シトロエンジャポンによると排ガス規制をクリアできないため、輸入の予定はないという。
触媒を使って日本のディーゼルの認可基準を達成、販売しようとすると千万円単位の費用がかかるらしい。
だが、C6は現在日本全国でも500台ほどしか走っていないという。
こうしたレベルの売り上げ台数しか見込めないのに、こうしたコストを転嫁するとなると、どうせでも売れないC6はさらに競争力がなくなるというわけだ。
というわけで、現在C6を買うには、いわゆる中古車の中から選択するしか選択肢がなかったというわけだ。
数少ない台数の中でも、さらに数少ない内外装色の組み合わせから選んだのは?
ボディーが濃紺でインテリアのカラーがオイスターベージュの組み合わせ。
これは特注でシトロエンマニアがオーダーしたものらしく、日本で一台しかないという。
ディーラーのセールスマンによると、この車のオーナーはよく知っている人で、たぶん後ろの席は、人を乗せて走ったことはほとんどないはずだという。
荷物を載せる必要性があって新しいC5のステーションワゴンに乗り換えたため、手放したのだという。
購入の際に参考にした試乗記で印象が残っているのが以下の3点。
これまでオートプラネットのUカーを140台近く実際に試乗してきたが、いつもの試乗コースをこれほどスムーズに走ったクルマはこれまで一台も無かったと断言できる。
1000万円クラスのドイツ車に比べても静かなのは、二重構造のサイドウインドウが、ドア開閉時に数10mm自動昇降して密着性を高めるからだ。
3リッターV6(215ps、30.5kgm)とアイシンAW製6ATの組み合わせは、怒濤の速さこそないが、最高速はメーカー発表値で230km/hまで伸びる。
というわけで、乗り心地、静粛性が群を抜いて高いうえ、4人乗車でストレスなく走る動力性能を兼ね備えていることになるわけだ。
シトロエンのフラッグシップモデルC6がフランス大統領の公用車として採用されているのは、こうした理由によるものなのかもしれない。
もちろん何度も試乗したうえで決めたのだが、モデルチェンジの予定が全くないというのも、大きな魅力だ。
車を買う際には、モデルチェンジの時期を考えて買わないと、購入直後にフルモデルチェンジなどということになってしまう。
そうなると、せっかく買ったのに何となく型落ちの古い車に思えてしまうことになるわけで、精神衛生というか気分的にに非常によろしくないのだ。
この車は今年初めての車検を通過した際にタイアは新品へ交換されている。
さらには、念のためハイドロポンプへのホースというかパイプをすべて交換のうえでの納車となった。
最近のハイドロは20万キロほどは、スフィア(スプリングに相当する部分で金属球の形をしたもの)という部品を交換しなくてもよいほど耐久性が高くなっているのだという。