久しぶりに映画の感想などを。
今回の組み合わせはなかなか良かった。
映画はあたかも自分が体験しているかのような気分にさせてくれる。
一週間が終わった週末の気分転換には最高。
といっても映画館ではなく自宅でDVDだけどね。
アマルフィ 女神の報酬
http://movie.maeda-y.com/movie/01322.htm
超映画批評では90点!なので借りたのだけれど・・
えっ?これで90点?
「あの日、欲望の大地で」が80点なら、これは55点。
イタリアという隔離された地で日本人ばかりがドタバタ。
で、イタリア観光っぽい楽しみもありまっせの映画。
超映画批評では脚本を褒めていたが、今時これくらいの水準でないと、イタリアロケの意味がねえ。
ヒロイン?で相手役の天海祐希は、CMで顔は見たことがあったが、映画というか役者としてはかなり大根。
表現パターンが単純。で、表現の階調にグラデーションがないため、微妙な心の機微などといった表現がなく、やたら暗いか、興奮するかの2パターン。
映画を見てるウチに、ヒロインがだんだん魅力的に見えてくる、という楽しみがないのが残念だった。
彼女がいるおかげで?!織田裕二の大根ぶりがかなり緩和されて感じるのはキャスティングの妙か?
いってみれば織田裕二ファンのための映画だといえばわかりやすい。
さらにまずいのがエンディング。
日本映画にありがちな、最初はまだしも、だんだん右下がの、最後が大甘というパターン。
やりようがなく、仕方なくこうしましたっ!ていつものパターンにガッカリ。
http://movie.maeda-y.com/movie/01417.htm
超映画批評では75点。私的には60点。
いわゆる吉永小百合映画。
蒼井優がよかった。
笑福亭鶴瓶は面白くしようとする演技がわざとらしく逆効果。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
役者とお笑いの才能は別物だということがよくわかる。
死にそうな状態での、あまり喋らないシーンの方が味があった。
映画自体が予定調和を基本なので、刺激はないけど、後半でお涙頂戴シーンがあるので、かろうじて金返せモードにはならない。
最後のホスピスを絡めるアイデアは良かったけれど、ちょっと綺麗事ぎる描写が、リアリティーを損ねている。
ここらあたりの作り手が訴えたい感性が提示が日本映画は全体に雑。
田舎のじいちゃんばあちゃんにもよくわかる万人向けの作りのせいだろうか、全体にテンポが遅すぎ。
できのいいTVドラマとしてはいいが、映画の醍醐味というところまでの魅力はねえ・・
ここらあたりが日本映画の限界なのか。
http://movie.maeda-y.com/movie/01366.htm
超映画批評では85点。
このストーリーで、ここまで嘘っぽく感じさせずに最後まで見せる力量はさすが。
ストーリー展開とカメラワークとテンポのバランスが良いため、氷を入れたバスタブに浸かって過去に飛ぶというトンデモな設定が気にならないのが凄い。
最後の方のどんでん返しの鮮やかさで、それまでのモヤモヤした割り切れなさが、一気に霧散する快感が堪りません。
日本映画を見た後で見ると、脚本の持つ想像力と、それを訴える意志のチカラが映画作りに凝縮されていることがよくわかる。
いわゆる洋物はライティングとカメラワークがよく考えられているため、こういうのに見慣れてしまうと日本映画の正面からのいわゆる「順光」一点張り映画は映像的に飽きてしまう。
日本人は凹凸が少ないいわゆるのっぺりした顔なのだから、よりこうした工夫が必要だと思うのだが、予算が絡むのだろうか?
ストーリー展開がよくわからない部分があると、理解するために必死になって追いかけるという、観客側の心理を巧く使い、2時間観客を飽きさせない工夫が随所に見られる。
無名の俳優ばかりでここまで引き込む、トータルでの映画作りの巧さには脱帽。
こういうイノベーションは、日本映画では起こりえないのだろうか?
あの日、欲望の大地で
超映画批評では80点。
http://movie.maeda-y.com/movie/01354.htm
シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーというテイストと世代の違う美人が織りなす世界は、俺的にそれだけでナイス。(笑)
だがなりふり構わず、演じるプロ魂は、日本人の俳優とは違う次元。
グイグイと観客の心を掴む演技力を美貌を武器に容赦なく発揮しているこの強さは、日本女性の俳優に最も欠如している部分だろう。
さらには、徐々にピントが合い最後にはビシッ!と、いうような納得のストーリー展開。
見る者が予想する展開の裏切り方がまた巧妙。
これこそ映画の醍醐味。
最後にわかる、そういうことだったのか・・とそれまでのモヤモヤや疑問が一気に氷解する面白さは、予定調和ばかりの日本映画では決して味わえない。
というわけでさすがのメイドインハリウッド。
見て損はなし。
二度見るに値する映画だ。